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現場仕事のひと

現場仕事の人は持ち物に対して気合いが入っている。そういう人たちは「道具を大事にする」というのを聞いたことがある。

僕の生まれた地域では、軽トラは農家のおっちゃんが仕事で使うものとしか認識していなかった。買った状態のデフォルトで使う。汚れてもどうせすぐ汚す、いやむしろ汚すためのものだから、固まった土は常に付いているし錆びてきても特別なメンテナンスをすることはない。

しかし今住む地域の現場仕事の人は、見たらすぐ現場仕事の人だとわかるようになっている。

軽トラをみんなカスタムしている。みんなだ。僕調べでは100%と言っていいと思う。昔のダイハツのクリーム色した(元は白だけどクリーム色みたいになってくる)農家のおっちゃんの軽トラとは違い、カーキ色とかシルバーとか、車体の色が、僕が普通と思う軽トラと違う。そして足元からきれいにしている。おしゃれは足元からというのを実践している。タイヤをデフォルトから悪路用タイヤ(溝の深いやつ)に履き替え、ホイールを大きくし、サスペンションをつけている人もいる。おしゃれは足元からなのだ。そしてきれいに整えた車体に詰め込む道具もきっちりしている。どろどろの木箱や劣化したプラスチックのクーラーボックスではない。アタッシュケースかというような金属製の箱にお気に入りの仕事道具を整頓してして詰め込み、その箱を軽トラの荷台にしっかり固定している。さながら、走る「世田谷ベース」だと思う。

そしてそんな軽トラに乗っているひとは、もれなく現場仕事の人なのである。


なのである。