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同じ穴のむじな

同じ穴のむじな

一見関係がないようでも実は同類・仲間であることのたとえ。多くは悪事を働く者についていう。同じ穴の狸 (たぬき) (狐 (きつね) )。

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「結局、あいつも同じ穴の狢やったんやな」

こんな言葉、あまりスッとは出てこない。

使われる場面としては、仲間と思っていたヤツが実はスパイだったと分かったときだ。スパイに入り込まれるような組織活動をしている立場の人間が
「結局、あいつも同じ穴の狢やったんやな」
って言えるか?スパイに入り込まれるような組織活動をしている立場の人間の知識レベルは分からない。でもだいたい、小卒だろう。おそらく小学校卒の学歴だ。でも問題は学歴ではない。

普通に考えたら小卒で「同じ穴の狢」がスッと出てきたら凄い。小卒は小卒でも、中学受験を目指してたけど入試直前でドロップアウトした小卒だ。でも中学受験を目指してたけど入試直前でドロップアウトした人間が、スパイに入り込まれるような組織活動をする立場の人間になる確率はだいぶ低い。あるかも知れないけど考えにくい。

だから
スパイに入り込まれるような組織活動をしている立場の人間の口から
「結局、あいつも同じ穴の狢やったんやな」
がスッと出てくるとしたら、そいつは本をめっちゃ読むヤツだ。
学歴は小卒でも本をめっちゃ読むヤツはいる。
本当は勉強が好きで進学したかったけど不遇の時代を過ごし、組織の仲間の目をはばかりながら束の間の楽しみとして本を読み続けた、
そんなヤツに違いない。いつか「同じ穴の狢」を言う時が来るだろうと心待ちにしていたと思う。そう言っている自分自身も「同じ穴の狢」だと知りながら、教養だけは自分を裏切らないと信じて。








狢(むじな)って、アナグマの別名らしい。