見出し画像

気まずい時の人間の顔

僕は毎朝、気まずい時の人間の顔を目の当たりにする。

すなわち、「横断歩道を横断しようとしている歩行者がいることに気付いているにもかかわらず、停止せずに通過する車内の運転手の顔」だ。

人間にしかできない顔をしている。毎朝とても面白い。
気付いていて(悪いな)と思っていながらも減速しない人と、気付いているのに気付いてないふりをして減速しない人の顔は、違う顔だ。特に後者はとても人間らしい顔をしている。人間が見えて、毎朝とても面白い。

"車内の顔"だからみんな外からは見えてないと思いがちだ。実際、朝の陽光に対して暗めの車内は、歩行者からはよく見えるわけではない。しかし僕は運転席に目を向ける。僕は自転車通勤をしている。自分が歩行者(自転車で)として横断歩道の端で待っている間、ほんとはよく見えてないけどさも見えているかのように運転席に目を向ける。すると運転手はドキドキするだろう。気付いていて減速せずに通過するのだから、朝っぱらから、人によっては罪の意識(実際は違反)にさいなまれるだろう。とてつもなくモヤモヤした一日の始まりだろう。

そんな朝の遊び。



ちょっと精神が歪んでいる・・・?

でも逆に、僕もそんな気まずい顔をしている時がある。自分が運転中に横断歩道に歩行者がいて通過した時はそんな顔になる。

結局、減速せずに通過する時の僕も、歩行者として運転席に目を向ける僕も、現時点において誰も得していない。

何も生み出さないそんな遊び、もうやめよう。