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ボーリングの日に街が静か

職場の互助会イベントで、今日は終業後にボーリング大会だ。職場の病院からボーリング場までは車で30分弱。毎年大方の職員が楽しみにして参加する。当日はより多くの職員が定時上がりを目指し、朝からいつも以上に業務への集中した緊迫感が感じられる。

僕はと言えば、ボーリングがどうも駄目なので、不参加である。不参加なので、とりわけ朝から集中を研ぎ澄ますということは特になく、いつも通りに一日を過ごす。

17時30分。
終業時刻とともに8割5分の職員がタイムカードを切る。こぞってスタッフ室から人々がわらわらと出ていき、スタッフ室は一気にがらんとした。もちろんボーリングに行かない職員は僕以外にもいて、まだ残務をこなしているが、全体のほんの一握りだ。僕は来週末のミーティングの準備をキリのいいとこまで進めるため、18時前まで作業を続けた。何しろボーリング大会には参加しない。僕は特に集中するとかはなく、いつも通りに18時前まで過ごした。

予定通り17時55分頃に退勤、タイムカードを切る。

今日も僕は自転車だ。朝から雨がぐずつく予報だったが、出勤と帰宅時のほんの隙間の数10分ぐらいなら雨は上がるだろうなんて、根拠もへったくれもないギャンブラー精神で、車ではなく自転車での出勤を決めた。

幸い、往路も復路も見事に雨と雨の合間、ほんの束の間の曇天だった。僕は準備したカッパは使うことなく、ゆったりと自転車を漕いだ。

帰り道、心なしか街が静か。
車が少ないことに気付く。

互助会のボーリング大会に参加するため、8割5分の職員が定時に上がり、こぞって30分弱先のボーリング場を目指した。恐らく17時30分から17時45分の間に8割5分の職員の大移動がピークを迎え、その後一気にダウンタイム、いや、賢者タイムが訪れたと見える。

僕が帰る18時過ぎの街は静かだった。

ほんとに。大袈裟じゃなくて。

田舎の勤め先は数や種類が知れている。他にも有力事業所はいくつかあれど、そのうちの1つの事業所の日勤帯の職員が丸々いなくなるだけで、こんなにも人がいないように感じる。自分の勤め先は、地域の中でも規模が大きめの事業所だと改めて知る。街がゴースト化したらこれぐらいでは済まないだろうな。

ウィル・スミスの「アイ アム レジェンド」を思い出したわ。