人生の幕引きはエモくなる
「人生の幕引き」
自由に想像してほしい。
それぞれに思い浮かべる状況は異なることと思う。
率直に言えば「死」だけど、ただの「死」を超えた、尊厳ある人生の終え方。
そうは言っても、結局「死」は「死」なのかもしれないが。
そうは言っても、意識と感情を持つヒトとしては、ただの「死」をただの「死」で済ませたくない。
まるでカーテンコールのように、エンディングに色を付ける。
「死」は点だが「幕引き」は過程であり、点に至るまでの過程の長さは人により異なる。
「幕引き」はしんどいかもしれない。でも「幕引き」はたぶんかなりの確率でエモくなる。
あるどこかの時点から「人生の幕引き」が始まる。「幕引き」はある程度の期間を伴うものだから、「幕引き」の始まりたての時期は直ちに生命の危機にあるわけではない。カラダあるいは脳、いずれかは元気だ。しかし緩やかに向かうべきところには向かっている。その過程にいる人の言動はエモい。
ある90代の女性が僕の顔を見て、
僕に向かって言った。
「お父さん、あんたがいてくれて良かったよ」