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道聞かれたらタメ口

道すがら、おっさんに道を聞かれ、反射的にタメ口で返答した。

「ちょっとごめん、○○病院ってどういったらええんかな?」

ーえ、すぐこの裏

「この裏?」

ーうん、そうそう、ここそっち回ったらすぐや。

「こっちから入れる?」

ーいや~どうやろ、入ったことはないからわからんなー

「そっち回らなあかんか?」

ーん~なんせすぐそこはそこ。ちょっと分からん、ごめん。

「了解、おおきによ」

ーはいよ~



ここの人ら、みんなタメ口やねん。僕自身、初めだいぶびっくりしたけど今はまあまあ慣れたかな?

いや、
まだ慣れへんわ。

引っ越してくる前、就職先候補への電話で人事担当の人がタメ口やったぐらいやから、そこいらの通りすがりの人がタメ口でも、まぁ普通やわな。

タメ口で話しかけてくる人でも、最初は知らん人やから丁寧に返してたら、こっちは普通やのになんかギャップ効果で丁寧すぎる感じが浮き彫りにされて不自然になることが多かったから、丁寧に話すことが途中からアホらしくなったんや。

それでどこかのタイミングからか、目上っぽい人が話しかけてきても思っきりタメ口で対応するようになってな。こっちがタメ口で返したら、時々むしろ相手の方がちょっとびっくりしてるよ。ざまあ(いったい僕は何と戦ってるんか…ww)

職場でも当然そこかしこで、おまえらツレかっていうぐらいタメ口が飛び交ってる。ここでもいったい何に対する対抗心なんか、僕は職場では逆に丁寧すぎるぐらい丁寧語で話すようにする。あまのじゃくはとにかく、幾つになっても逆張りをせな気が済まへんねやろな。

外ではタメ口に対してさらに強いタメ口で戦い、職場ではタメ口に対して逆の丁寧さで戦う。
戦った結果得るものは特に何もないんや。

戦い続けるのは苦しい。僕は無為な戦いを繰り返してるんかも知れへん。染まりそうで染まりたくなくて戦ってるから苦しい(染まらないことが善)のか、染まりきってないから苦しい(染まることが善)のか、どっちなんやろか。

いっそ戦いをやめてもうたらええんやろか?いや、これはもう性分や、やめられへん。

今回の道聞いてきよったおっさんもびっくりしとった。おっさんは教えてもらうという立場上、びっくりはせど文句は言われへん。

戦いは次の戦いの種しか生まへんのかも知れへん。
おっさんはどこかで僕から受けた仕打ち(予想外のタメ口で返された)の憂さ晴らしをし、怨恨が怨恨を生み、巡り巡っていつか僕に報復があるかも知れへん。

僕はその戦いの口火を切ったカルマを背負い、戦い続けて生きていくのかも知れへん。






タメ口で話すいうことはそういうことになるんやで。
分かったか?小中学生。