まんまと思うツボに入ると、逆に気持ちいい。
スーパーで僕はいつも、自分的にコスパ(量と値段と味の好み)のいいフルボディの赤ワイン1.8L紙パックを買う。
そしてたまに、気分の良い時と気分のめっちゃ悪い時に、ひいきの発泡酒を6缶買いする。最近はビールよりも発泡酒の方が美味しいのだ。本麒麟やアサヒザリッチなど、アルコール度数6%程度のクラフトビールよろしく芳醇な薫りがする発泡酒は、人それぞれ好みではあるが、もはやビールよりも美味しい。僕はそう思う。僕はおトクで幸せな人生を享受している。
今回は金麦だ。金麦がなぜ良いかと言うと、季節の味を提唱しているからだ。先日「春のにおい」という記事を書いたので是非読んでほしい。記事の中で登場した当時好きだった(今も好き)発泡酒は、金麦だ。そして金麦は今、四季ごとの味を提唱している。春たけなわに向かおうという今に相応しい、春の金麦が目に飛び込んで来たから、当然買うだろう。春の金麦パッケージには桜の柄があしらわれている。コロナでお花見から遠退いた客足を取り戻すべく、遠退いた客達の購買意欲を惹き付ける工夫が随所に施され脱帽する。
そしてレシートにクーポンが付いてきた。
次回購入時に10円引きだ。
そうか。このスーパーでは春の金麦が推しなんだな。乗ってやろじゃないか。
クーポン期限は3週間ほどだ。3週間あれば、どうせまた「気分の良い時と気分のめっちゃ悪い時」が巡ってくるだろう。
巡ってきた。
買いに行った。
買ったらまた同じクーポンが付いてきた。
クーポンというのは「金輪際これっきりのベストタイミング」に巡り合わせるからお得に感じるのであって、発行主から「そらみろ引っ掛かったぜ」的なテンションで毎回フィッシングメールのように同種のクーポンを付帯し続けてこられると少々興醒めだ。
でもなんかこれ以上ないくらいまんまと思うツボに肩まで浸かると、逆にこんなにも気持ちいいのは何でだろう。
僕は今清々しい。