「いやいや、往年ファンからしたらこの人のベストはこれじゃなくてこっち」は、どの業界にもある。
時の映画主題歌などで注目を集め、長年"くすぶりがち"だったアーティストが"ブレイク”を果たす瞬間はあると思う。
いやいやちょっと待てと。くすぶりがちとは聞き捨てならねぇと。
ずっと応援しているコアなファンは黙っていないだろう。
別にくすぶってはない。大衆視点からすればくすぶっていたのかも知れないが、彼らは売れてないわけではない。ライブハウスを満席にし続けるぐらいの根強いファンが常にいて、毎年ツアーを敢行する需要があり、何なら、欧州ツアーとかができるぐらい本邦では目に留まらずとも異国で熱狂させる音楽性・多様性がある。
そんな、大衆化する前に芸術性が先行し、あまりメディアに露出しないことでさらに価値が高まったアーティスト。もしかすると本人たちはもっとポップに分かりやすく売れたかったのかも知れないけど、所属レーベルの方針で余計露出しにくくなった、そんなアーティスト。
才能と実力があればこそ。
そんなアーティストが、何かの拍子に一気に大衆化に流れそうになる瞬間がある。そして青田買いという下心はなく純粋に好きだから応援していた黎明期のファンは、黙っていられない。
いやいや、勝手に"規定"するなよ。
新しい文脈で勝手に規定するな。
今回のこれは確かにイイ。
でも2年前のアルバムに収録されていたやつなんだよ。
映画用のシングルカットだから注目されただけだろ。
ホントの良さを分かってるのか?
新しい文脈で元々の俺らの文脈を上書きするなよ。
むしろカップリングのこっちの方がライブでは盛り上がるんだよ。
これはこれでいいんだけど、彼らの歴史を紐解けば、彼らを最もよく表しているベストの1曲はこれじゃなくてこっち。
こんな状況は、どの業界にもある。
で、何?