包装室リーダーが語る「山田のうなぎ」に対する品質管理への誇り
山田水産を支える”チームYAMADA”で活躍する先輩社員のみなさんにおはなしをお聞きするインタビュー企画。それぞれの現場で日々任務に励む先輩たちの姿をご紹介します。
今回は、有明事業所の河原橋 正さんです。山田水産の主力であるうなぎ製品の包装室でのお仕事内容や入社後にチャレンジしたこと、仕事をする上で大切にしていることなどをお聞きしました。
一つひとつの丁寧な仕事が紡ぐ。包装室から届ける安心の品質
ーーまずは山田水産に入社するまでの経緯を教えてください。
河原橋 半導体メーカーでの勤務後、地元で働きたいという思いから転職を決意しました。きっかけは、山田水産で働く友人の紹介です。実家からわずか5分の距離にある会社だったため、地元企業としてはもともと存在を知っていました。鰻の老舗として知られており、地域でも規模の大きな企業という印象を持っていました。
ーー入社後すぐから包装室に配属されたんですか?
河原橋 最初は割き場に配属され、2年間鰻を割く仕事に従事していました。その後、包装室に異動となり、半年前からは包装室のリーダーに昇進しました。それまでは、先任のリーダーのもとで会議に参加するなど、チームの一員として経験を重ねてきました。
ーー割き場で働いたときはどんな印象を受けましたか?
河原橋 最初は全工程が機械化されていると思っていたので、手作業での鰻割きを見たときは驚きました。長時間にわたる熟練の手作業を目の当たりにして、現場スタッフの技術の高さに感銘を受けました。
有明事業所では、新入社員の多くが最初に割き場での経験を積みます。鰻の基本を学ぶ大切な場所だからです。ここでの経験があると、B級品が出た際も「これは割き場での削ぎすぎかもしれない」といった具合に、原因を的確に把握できます。他部署での活躍にもつながるため、割き場での経験は非常に重要だと考えています。
ーー包装室のお仕事について詳しく教えてください。
河原橋 私たちの業務は、焼き室で焼かれた鰻の箱詰め作業が中心です。包装室では、箱折り作業から工程が始まります。効率的な作業のために、翌日使用する箱の種類を担当者に事前に伝え、前日のうちに箱折り作業を済ませてもらいます。この前日準備が翌日の作業効率を大きく左右するため、今日の作業をこなしながら、同時に明日の準備も進められるよう心がけています。
箱詰め作業はまず、瞬間冷凍された鰻がコンベアで包装室に運ばれてきます。最初に行うのが鰻の選別作業です。サイズ分けは機械で行いますが、その後の工程はすべて手作業です。1匹ずつ丁寧にサイズを測定し、A品とB品に選別していきます。出荷の対象となるのはA品のみです。
続いて箱詰め作業に入ります。出荷先によって使用する箱やラベルが異なるため、適切な資材を準備することから始めます。鰻はサイズごとに機械で振り分けられ、2名体制で箱詰めを行います。30尾用、35尾用など、サイズによって詰め方が異なるため、細心の注意を払いながら1バット300匹のペースで作業を進めていきます。
箱の上にビニールを敷き、その上に鰻を丁寧に並べていきます。さらに鰻を取り出しやすくするため、その上にもう一層ビニールを敷いて、また鰻を並べていく形です。
その後、仕上げ工程に移ります。箱には賞味期限とロット番号のスタンプを押し、テープで封をして、最終確認作業を行います。完成した商品は、フォークリフトを使って冷凍倉庫へと運びます。出荷時には倉庫から商品を取り出し、トラックへの積み込み作業を行います。この後、出荷作業は他部署に引き継がれます。
ーー包装室はお客様の元へ届ける橋渡しとなる大事な部署だと思いますが、大切にしていることはありますか?
河原橋 私たちの仕事で最も重要なのは、ミスを防ぐことです。そのために、従業員のみなさんが働きやすい環境づくりに特に注力しています。
日々の業務では、積極的な声かけを心がけ、スタッフの要望にもしっかりと耳を傾けています。一見単純な作業に見えますが、だからこそ集中力が途切れやすいという課題があります。そのため、集中力を保ちながら正確に作業できる環境づくりを意識しています。
具体的には、スタッフの様子を見ながら適切なタイミングで声をかけ、困ったことがないか確認するようにしています。一人ひとりが安心して作業に取り組める環境があってこそ、ミスのない丁寧な仕事ができると考えています。
ーーよく起こりがちなミスとはどのようなものがあるのでしょうか?
河原橋 作業工程上、箱詰めを担当する者と、運搬して尾数を記入する者が異なるため、情報伝達の正確さが特に重要です。そこで、私たちは確実なダブルチェック体制を導入しています。さらに、最終工程でスタンプを押す担当者が最終確認を行うことで、より確実な品質管理を実現しています。
ーー細やかな管理がミスを防ぐんですね。多いときで1日どれくらいの量を箱詰めされているんですか?
河原橋 繁忙期に当たる、9月〜2月だとだいたい平均で1日約1,300箱を生産しています。それ以外の時期は箱数が半分程度に減りますが、この変化に柔軟に対応することも大切ですね。
ーー2024年にEU HACCPの認証を取得されましたが、これは施設の清潔さが国際基準を満たしている証だと思います。包装室の衛生管理についても、どのような取り組みをされているのか、詳しく教えてください。
河原橋 品質管理において、私たちの職場は最も清潔さが求められる場所の一つです。そのため、異物混入防止には特に細心の注意を払っています。
入室時には決められた手順を徹底し、従業員同士で身だしなみのチェックも欠かさず行っています。品質管理の面では、検査室の方々と日々密に連携を取っています。商品の切り替え時に検体を採取する際など、日常的なコミュニケーションを通じて改善点を共有し、第三者の視点からの指摘を活かしながら、継続的な改善に取り組んでいます。
また、有明工場だけでなく、他工場での異物混入事例も共有し合うことで、従業員全員の意識向上に努めています。目視検査では、従業員全員が小さな異常も見逃さないよう注意を払い、万が一異物を発見した場合は、混入のタイミングを特定して即座に改善策を講じています。例えば炭が見つかった際は、すぐに焼き場と情報を共有します。
このように、全部署が協力し合いながら、品質管理の徹底に取り組んでいます。商品に対する強い責任感を持ち、安全・安心な製品づくりを心がけています。
ーー包装室を出た後はどのような流れになっているのでしょうか?
河原橋 私たちが箱詰めした商品は、主に2つの流れで消費者の元へ届きます。多くの場合は箱のまま出荷されますが、一部は志布志工場へ運ばれて真空パック加工されます。
商品の流通経路としては、卸業者を通すのが一般的です。例えば、スーパーマーケットで販売される場合、まず卸業者に納品され、そこからスーパーマーケットへ配送されます。スーパーマーケットでは店舗でパック詰めされ、店頭に並べられます。
みんなの『働きやすい』をカタチに。日々の小さな改善が育む、心地よい職場環境
ーー河原橋さんはリーダーになって半年とのことですが、ご入社されてから今日に至るまでで成長したなと思うとことはありますか?
河原橋 入社当初と比べて、今の私の一番の成長は「段取り力」です。焼き場が7:00に稼働を始めると、1時間後から私たちの作業が本格的に始まります。そのため、常に先を読み、時間を意識しながら行動することが求められます。
また出荷先によって箱のサイズや仕様が変わるので、その日の作業だけでなく、翌日の準備も同時に進めています。段取りひとつで、その日の効率が大きく変わるんです。時間を意識しながら行動できるようになり、自分自身の成長も感じられます。段取りの良さは仕事の質を大きく左右するため、私は特に大切にしています。
あと以前は人見知りで、声をかけることが苦手でした。しかし、前任のリーダーのサポート役を務めていた頃から、少しずつ声かけを意識するようになりました。リーダーに就任してからは、自分から積極的にコミュニケーションを取ることを意識的に心がけています。
今では実習生への声かけや気配りができるようになり、自分自身の成長を実感しています。人と話すことが得意ではない性格でしたが、一歩ずつチャレンジを重ねることで、以前よりもずっとコミュニケーションが取れるようになったと感じています。
ーー包装室の作業はチーム力が重要だと感じました。リーダーとしてチーム力の良さを感じるときはどんなときですか?
河原橋 パートさんの平均年齢は高めですが、皆さん本当に元気に働いてくれています。これは鰻のパワーのおかげかもしれませんね(笑) 特に実習生の若い活力が職場全体に良い影響を与えていて、毎日が活気に満ちています。
以前は中国からの実習生だけでしたが、現在はベトナムとフィリピンからの実習生も加わり、国際色豊かな職場になりました。最初は言葉の壁や文化の違いに戸惑うこともありましたが、みんな身振り手振りを交えながら、少しずつコミュニケーションを築いていきました。
今では国籍を超えて良い関係が築けており、日本語でのコミュニケーションも上手くできるようになっています。仕事をしながら日本語を勉強する実習生たちの姿勢には、いつも感心させられます。
ーーチームをまとめる上で大切にしていることや工夫していることありますか?
河原橋 作業において確認を細かく行うことを重視しています。また、スムーズなコミュニケーションのために効率的な人員配置を心がけています。
また包装室は非常に寒い環境です。寒さへの対策と集中力の維持が大きな課題になります。そのため同じ作業を続けることで生じる集中力の低下を防ぐため、休憩のタイミングでポジションの交代を行っています。チーム全体で作業場所のローテーションを意識的に行うことで、より快適な環境づくりを心がけています。手が冷たくなった時はすぐに温められるようにしています。
あとは実習生が安心して作業できる環境づくりを心がけています。具体的には、声かけを積極的に行い、作業内容をボードに明記することで、確認作業がしっかりと行えるようサポートしています。実習生一人ひとりが確実に作業を進められるよう、コミュニケーションを大切にしながら環境を整えています。包装室内の掲示物は日本語、英語、ベトナム語など多言語対応です。
ーー現在海外展開も積極的に進められていますが、その目標を実現するためには、現場の力が不可欠だと考えています。河原橋さんは包装室のリーダーとして、会社のグローバルな目標を支える立場にいらっしゃいますが、現場の役割についてどのようにお考えですか?
河原橋 年々鰻の価格が高騰しており、特に丑の日が近づくと、私たちが扱っている商品の価値をより一層実感します。高価な商品を扱うプロとしての自覚と責任感も年々強くなっています。
一つのミスが商品の価値を大きく損なうことにもなりかねません。そのため、日々の作業では細心の注意を払い、プロフェッショナルとしての誇りを持って、品質管理に取り組んでいます。
監査やHACCP認証取得の際は特に気を引き締めますが、私たちの基本姿勢は『日々の徹底した取り組み』です。HACCP認証に伴い業務内容は確かに増え、従来以上の努力が必要になっています。
しかし、チーム全体で『一致団結して頑張ろう』という共通の目標ができたことで、現場の士気はさらに高まっています。みんなが目標に向かって全力で取り組んでくれている姿を見ると、本当に頼もしく感じます。
「パパの会社の鰻だよ!」全国の店頭で商品に出会える喜びと世界に羽ばたく鰻を支える包装室の誇り
ーー山田水産で働いてよかったなと思うことや仕事のやりがいを感じるのはどんなときですか?
河原橋 買い物に行って店頭に並んでいる商品を見つけると、特別な喜びを感じます。「これはパパが作っている鰻だよ」と子どもたちに話せることは、何よりの誇りです。イオン系列との取引も多いので、全国どこのスーパーに行っても「パパの会社の鰻だよ」と胸を張って伝えられることが嬉しいですね。
山田水産で働いていることは、子どもたちに自信を持って誇れる仕事です。2024年にEU HACCPを取得したことで、会社の商品がアメリカやヨーロッパにも届けられていることは、さらに誇らしい気持ちになります。山田水産の看板商品に関われていることは、私にとって大きな喜びでありやりがいです。
あとは月に何回か試食当番があり、その時に自分たちも鰻丼を食べられるのが楽しみの一つです(笑) 自分たちが携わっている鰻を、実際に1尾丸々使った鰻丼として味わえるのは、とても嬉しいですね!
ーー山田水産は金属年数の長い従業員の方が多いと思いますが、どんなところが会社の魅力だと思いますか?
河原橋 大きな特徴は、経営陣と現場の距離の近さだと感じています。社長は頻繁に現場に足を運び、朝礼やイベントを大切にしてくださいます。
特に毎週月曜日の朝礼には可能な限り参加され、直接社長の言葉を聞けることが、私たちの大きな励みとなっています。みんな「頑張ろう!」とやる気が出ますね。
また、専務も現場に入って一人ひとりに声をかけてくださいます。こうした経営陣の姿勢が、入社したばかりの社員にも会社の「人を大切にする想い」が自然と伝わっているのだと思います。
ーー社内には経営理念や社訓、禅語が掲示されていますが、好きな言葉はありますか?
河原橋 社内に掲げられている禅語『凡事徹底』は、私たちの仕事の本質を表していると感じています。『誰にでもできることを、誰にもできないくらい徹底して続けること』という意味のこの言葉は、日々の業務に深く通じています。
一見単純な作業の繰り返しで、時には集中力が途切れそうになることもあります。しかし、まさにそんな時こそ、この『凡事徹底』の精神が大切になります。チーム全員で支え合いながら、確実な作業を継続していくことが、私たちの誇りであり、使命だと考えています。
ーーリーダーとしての今後の目標を教えてください!
河原橋 品質管理において、最も重要なのはミスを出さないことです。一人でも気を抜けばミスの連鎖につながりかねないため、全員が常に同じペースで、正確な作業を続けることを何より大切にしています。
リーダーに就任してまだ半年で、周りのメンバーに支えられる場面も多いのですが、将来的には上司からも部下からも信頼される存在になりたいと考えています。一見些細なことでも、現場の声に耳を傾け、できることから改善に取り組んでいけるリーダーでいたいです。
特に上杉専務の姿勢は私の目標です。専務は常に全体を見渡し、従業員一人ひとりに声をかけてくださいます。その一言で現場のモチベーションが大きく上がるのを実感しており、このような細やかな気配りができるリーダーを目指していきたいと思います。
ーー最後に就職活動の方にメッセージをお願いします!!
河原橋 私たちの会社には頼れる仲間がたくさんいるので、安心して飛び込んできてください。職場は活気に満ち溢れているので、その活気に負けないくらい元気な方と一緒に働きたいですね。実は異業種からの転職者も多く、未経験でも全く問題ありません。大切なのは『やる気』です。
仕事以外でも、リーダー同士で集まって飲みに行くこともあり、その際に養鰻チームや志布志の仲間たちとも交流を深めています。部署の垣根なく気さくに話せる関係が築けているのは、山田水産の魅力のひとつだと思います。この良好な人間関係が、日々の仕事でのチームワークにも活きているんです。ぜひ、私たちと一緒に働きましょう!
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