定期テスト対策 科目別勉強法
勉強とは?
勉強とは、✕や△を◯に、◯を◎にすることです。
どれだけ時間をかけても最終的に出来なかったら勉強ではありません。
元々出来ることを繰り返しても、◯→◯であるなら勉強ではありません。
このことを強く意識しましょう。
丸付け
勉強をするための下準備は、「何が出来て」「何が出来ないか」を仕分けすることです。
端的に言えば丸付けです。
勉強に不慣れな中学生はほぼ例外なく丸付けが不得意です。
不正解なのに正解にしてしまう。
答えを写したのに正解にしてしまう。
教科書などを見てカンニングしたのに正解にしてしまう。
これらをしている段階で、学力が上がることはありません。
答えをちゃんと読むことがとても大切です。
余談ですが、高校時代「Z会」という出版社の英語の参考書を愛用していました。
その参考書の、ある例題の答えに納得がいかず、学校の休み時間にZ会に電話して確認しました。
実際Z会の誤植(間違い)でした。
最近では東京書籍の高校地理の教科書で約1200箇所の誤植がありました。
たった1冊の教科書の中に。
教科書に書いてあることが正しいとは限りません。
正しくあるべきですが。
問題集
問題集を1周解いただけでは何の勉強にもなっていません。
2周目からが本番です。
ただ、厄介なことに、学校で使用する問題集は往々にして提出を求められます。
提出のことを考えると、1周目をノートに解くのは勇気がいります。
『理科の学習』の様に別冊になっていると使いやすいですね。
昔は頑張って先にコピーって感じでしたが、今はスマホで撮っておけば何度も解けます。
提出はマストなので、必ず提出しましょう。
期限内に提出するという訓練なので、分からない問題は答え丸写しでも何でもいいので、とにかく提出しましょう。
ダメな学習法
割と誰にでも効果がある学習法、割と誰にでも効果のない学習法、効果あるのかないのかよく分からない学習法、の3つがあります。
まずは、割と誰にでも効果のない学習法を紹介します。
☆睡眠時間を削る
睡眠時間が短い人は記憶が定着しにくい傾向があります。
テスト前に睡眠時間を削るのではなく、日頃から少しずつ学習しましょう。
また、睡眠時間が短くなってしまう理由がスマホの場合、保護者がコントロールしてあげる必要があります。
☆教科書に蛍光ペンでラインを引く
ライン引いて覚えられるの?
ライン引いて満足してない?
「江戸時代」にライン引いて何になるの?
勉強した気になるためにやっていることがほとんどです。
教科書は綺麗に使いましょう。
☆教科書の内容をノートにまとめる
労力の割に効果が薄いです。
そもそも教科書が結構まとまっているので、かなり学力が高くないと、情報を付け加えながらまとめる作業を効率よく行うのは難しいです。
☆教科書の黙読
国語や英語の音読は効果が高いです。
一方で、理科や社会の教科書・参考書の黙読は効果が薄いです。
本当に✕→◯にできてますか?
とにかく眠くなるので危険です。
良い学習法
ここからは割と誰にでも効果がある勉強法。
☆テスト形式で学習する
テスト形式で学習すると効果が高いです。
英単語、漢字などはテストを作るのが簡単ですね。
保護者もサポートしやすいです。
他の科目は問題集を何周もしましょう。
ただ、出来ることを何度もやる必要はないので、過去に出来た問題は一旦無視しましょう。
☆優先順位
正解・不正解、と、得意・不得意、で4つに分類して考えます。
①正解・得意
②正解・苦手
③不正解・得意
④不正解・苦手
さて、どこから手を付けましょうか?
①の正解・得意は無視です。
④の不正解・苦手は後回しです。
苦手で出来ないことを学習するのは苦痛です。
余力があった場合に、最後にやれば良いです。
最初に取り組むべきは、③の不正解・得意です。
得意なのであれば、ちょっとした改善で正解にたどり着くはずです。
ということで、
不正解・得意
正解・苦手
不正解・苦手
の順に取り組むことをおすすめします。
☆精緻化(せいちか)
知識同士を結びつけること。
部首で漢字を覚えたり、接頭語で英単語を覚えたり、語呂合わせや歌などで歴史の年代と流れをセットで覚えたり。
単語を覚える際に、ストーリー性を持たせると覚えやすくなります。
ルターは免罪符に激おこで宗教改革。
みたいな。
I eat a banana with a knife and fork.
ナイフとフォークでバナナを食べる。
みたいな。
数学
ここからは科目ごとに。
まずは数学。
数学はミスが起こりやすい科目です。
ミスをする人は日常的にミスを軽視しています。
普段から「絶対にミスをしないんだ!」という気概を持って問題を解きましょう。
具体的には、数式を綺麗に書くことです。
雑に書いて見間違えるなんてアホすぎます。
また、無駄に暗算しないこと。
頭の中で考えるよりも、書いた方が速く、そして見直しが楽です。
途中計算を省いたり、消したり、する時点で見直しをする気が皆無です。
見直しを素早く正確に行うためにも、綺麗に痕跡を残してください。
消しゴムは極力使わない方が良いです。
証明問題や応用問題は完答するまでに時間がかかります。
証明問題を1問10分かけて10パターン解いたら、100分かかります。
時間がもったいないし、疲れてモチベーションが下がります。
そこで、解き方の方針が合ってればOK、という学習法がおすすめです。
図形の証明問題であれば、条件に必要なパーツと条件だけ書いたらすぐに解答を確認、といった流れです。
他の部分は毎回同じ様なことを書くので、肝心なパーツが分かればOK、といいう学習法です。
特にチェックするパターンが多い時は時短になります。
他の科目と比べて、問題の難易度に大きな差があります。
計算問題に比べて、応用問題はかなり難しいです。
自分が何点取りたいのか?という目標点を明確にしましょう。
その目標点を取るために、無理に解かなくて良い問題があるはずです。
英語
まずは文法を理解しましょう。
文法はルールなので、理解せずに学習することは困難になります。
更に踏み込むと、現在英語が苦手な人は、過去の文法内容が理解できていないことが大半です。
今すぐに戻って学習してください。
be動詞の文、一般動詞の文の基本構造が分からないと、何を学んでも水の泡です。
一方で、現在の中学英語は難しい内容も多いです。
理解できなければ暗記しましょう。
学習の基本は暗記です。
例えば、「時・条件を表す副詞節では未来の内容であっても現在形を使う」なんて文法はかなり難しいです。
大学入試ですか?って感じです。
でも、If it's rainy tomorrowなんてフレーズを覚えてしまえばばっちりです。
暗記する際には声に出して読むのが有効です。
暗記する文は、エイゴラボの文にしましょう。
5番の並び替え、6番のイラスト付き英訳、8番の新出単語熟語。
テスト範囲のこの3つの問題を全て合わせても100個もないと思います。
テスト形式で繰り返すことで覚えられるはずです。
当然文法の理解が高ければ覚えやすいですが、暗記を続ければ、きっと開花します。
理科
理科の入試問題では、記述問題の配点が高まっています。
これまでも問題数は増えていましたが、近年は配点が増えています。
当然学校の先生もそのことは把握しているので、定期テストも記述問題の重要度が上がっています。
単純な単語の暗記では対応できない問題が多いです。
大事なのは、「何で?」「どうして?」という理由、理屈、仕組みを説明できるようにすることです。
分野別に見ていきましょう。
☆物理
具体的なシーンとセットで覚えましょう。
なぜヒールで踏まれると痛いのか?
(そんな経験ないけど)
何で助手席の彼女を手で押さえるのか?
(そんな経験ないけど)
覚えることは少ないですが、計算が必要な問題も多く、計算問題の演習にも力を入れましょう。
☆化学
元素記号や化学式、イオン式など、覚えるべきことは覚えましょう。
化学は実験がとても大事な分野です。
実験には無駄なことがありません。
一つ一つの動作に必ず意味があります。
なんでそんなことするの?をしっかりと確認しましょう。
そのままテストに出ます。
☆生物
知識系の問題も多いですが、化学同様、実験が大事な分野です。
特に対照実験。
試験管Aと試験管Bではどんな条件が違うのか?
その違いから何が分かるのか?
条件を整理して比較する能力が必要です。
問題文が長く、手順1手順2、みたいな感じで情報量が多いので、そこでへこたれないように問題慣れが必要です。
☆地学
より生活に関わりのある分野です。
地震や天気が代表です。
知識系のイメージがあるかもしれませんが、記述力が必要な分野です。
地震ってどうやって発生するの?
曇ってどうやってできるの?
日食って何?
このような自然現象を論理的に説明します。
小学生が理解できるように説明できると、かなり理解度は高くなっているはずです。
家族や友人に説明してみましょう。
社会
理科同様、記述問題の配点が高まっています。
定期試験は、担当の先生によって問題の振れ幅が大きく、外部からは対策がしにくい科目です。
つまり、授業中の説明、プリントなどがとても大事です。
覚える単語がたくさんあり、記述対策もしないといけないので大変な科目です。
3ステップに分けて学習しましょう。
ステップ1ではとにかく単語を覚えましょう。
人物名、出来事など。
一問一答のテスト形式がおすすめです。
問題集をゴリゴリに解いてください。
友達同士で問題を出し合うのはだめです。
時間がかかって全員死にます。
ステップ2では、記述問題を含めた様々な問題を解いてください。
複数回解けると最高です。
ステップ3は究極の奥義です。
繰り返せば45点以上が狙えます。
白紙の紙に、自分が覚えた限りの単語を書いてください。
もちろん何も見ずに。
関連性の高い単語は近くに書くと良いです。
矢印を描いたり、文章で理由を書いたりすると尚良いです。
終わったら、教科書・ノート・プリントなどで確認しながら、不足していたもの書き足し、間違っていたものを修正します。
そして、もう一度白紙の状態からやり直します。
5回ほど繰り返せば、ほとんど記憶しているはずです。
国語
国語なんて勉強いらないでしょ?
なんて考えている内は高得点は望めません。
大前提「あなたの意見は聞いていない」
あなたの意見や気持ちは全く関係なく、書いてあることのみを根拠に問題を解くことが大事!
☆線を引くと役立つ
①文章の構造を意識できる
②問題を解くときに、必要な情報にたどり着きやすい
どこに線を引くの?
<説明的文章>
★文章は抽象(まとめ)と具体(例)の連続
抽象と具体の区別をすることが大事
抽象・・・笑顔で溢れる世界にしたい
具体・・・ディズニーランドでジャンボリミッキーを踊る
★対比構造
例 Instagramはストック型と呼ばれ、フォロワー数を積み上げないと投稿を見てもらえないが、Tik Tokはフロー型と呼ばれ、フォロワー数に依存せずにバズる可能性がある。
★接続語
言い換え つまり・このように・要するに
理由 なぜなら・というのも
並立 第一に~、第二に~・まず~、次に~
譲歩 AよりもB。・たしかにA。しかしB。
強調 ~が重要だ・~と思う・~すべきだ
<文学的文章>
★登場人物の特徴が分かる表現
例 人気者・引っ込み思案・困っている新入生を手助けした→親切
★場面の転換
場所・時間・視点の転換は区切る
→どの場面からヒントを探すかが明白になる
★心情が分かる表現
ストレートに心情を表す表現
例 嬉しい・悲しい・ワクワクする
※プラスなのかマイナスなのかを区別できると尚良い
心情が分かる言動や様子
例 頬を赤らめた・胸が躍る・足が重い
情景描写
例 雨が止んだ・暗雲が太陽を覆い隠した
★重要な出来事
心情の変化のきっかけになるような出来事・事件・発言・もの
例 嫌いな同級生が、休日にゴミ拾いしているのを見た
例 学校の職場体験でいやいや介護施設に行ったら、帰り際に「ありがとう」と言われた。
省察
テストが終わったら、必ず省察(せいさつ)しましょう。
省察は反省と違い、良かった点も分析します。
なぜ点数が良かったのか。
なぜ点数が悪かったのか。
次のテストに向けて改善点を考えましょう。
この繰り返しです。
定期試験を頑張れば、必ず実力テストでも結果が付いてきます。