[あと3回]社会起業家と社会の前進を支える仲間求ム。Social CoachはSocial Coachesへ
2022年9月に、経営しているhalよりSocial Coachというサービスをリリースしました。「社会起業家と社会の前進を支える」「社会起業家のコーチになる4ヶ月」の2つのコンセプトを持ったマッチングプラットフォームであり、学習プログラムであり、コミュニティであるサービスです。
👇公式の募集note
👇1期の時に書いたエッセイ
Social Coachの説明やきっかけの想いを上2記事に譲ります。本記事では、1期が終盤を迎える中での考えを記しておこうと思います。ご検討される方の材料になればという思いと、考えの現在地に書いて気づきたいという意図です。主に、コーチ向けの記事です。それでは!
halについて
はじめに少しhalについて触れます。halは、「心理援助の民主化」をミッションに掲げています。コーチングやセラピーの叡智を、まだ辛すぎないうちからアウトリーチしていくことを意図した事業運営を行っています。
ご紹介しているSocial Coachや、対人援助職のウェルネスを支えるhelpwell(旧生き方テラコヤ)を主に運営しています。他に、リーダーシップサーベイと開発コーチング、起業家のインキュベーションやメンタルケア研修、リトリートなどに関与しています。
社会起業家とコーチング
さて、Social Coachを始めた雑感です。この機会で改めて「コーチングとはなんぞや」と考えさせられたのは想像に難くないでしょう。そして今見えているSocial Coachは
という役割と考えます。改めて社会起業家と関わる中で、社会起業家とは往々にして「前進なしに癒えることがない」類の生き物なのかもしれないと考えたのです。
社会起業家は、社会と強く結びついています。ある種の心的外傷は自分の痛みでありながら、分かち難く社会にも傷として存在しています。それが気になって仕方がなく、ソーシャルイシューで業を起こすという一見非合理な選択をとっているのです。
課題解決を通した社会の前進が社会を癒し、起業家自身を癒す。このロジックを強く内在化していることが、激しい原動力に繋がっている。これは、大変尊いと思います。Social Coachは、それを支えるのです。
マネジメントシステムを支える
前進における一つのポイントは、「マネジメントシステムを支える」ことです。ドラッガーはマネジメントを大きく3つの要素で定義しました。
⑴はビジョンミッションというより、「株式会社なら利益」のような組織形態特有の目的のことです。コーチングを通して支えるのは、⑴事業KPIの進捗を通した、財務状況の改善や向上⑵個社らしく効果的な、働く人の強化と組織化⑶社会的インパクトの最大化 と言えます。これは、ICFが行っていることとも近しい。会社と社会の前進を意図しながら、個(リーダー)の前進を支えるわけです。
様々な国のNPOリーダーにプロボノでコーチングを1年間行い、そのインパクトを量・質で評価したICFのプロジェクトです。1年経てリーダーが述べた成長点は、ドラッガーの経営3目的にコーチングライクな効果である5.RENEWED ENERGYが追加された項目にも見えます。
システムを考慮した援助
Social Coachではシステムを考慮した援助が必要です。従業員、顧客、株主、銀行、地域、社会といったCoacheeである社会起業家のステークホルダーを視野に入れてセッションを行う必要があります。
ここはまだまだ仮説段階ですが、Coacheeである社会起業家とその会社のロジックモデルを踏まえた関わりが挙げられます。その意思決定は、ロジックモデルにどのように寄与するのか?もしくはロジックモデルそのものをRENEWすることに繋がるのか、という視点です。
ソーシャルインパクトを意図する
Coacheeの関係性やシステムを配慮したコーチングは、システムコーチングやプロセスワークコーチングなどを中心にすでに取り組まれてきました。
Social Coachで向き合うのは、さらに踏み込んだところ。「ソーシャルインパクト」を企図したセッションあるいはコーチング関係です。もちろん、前述の2つのコーチングも社会的インパクトへの意図はあられるでしょうが、Coacheeの特性として、コーチがより強く意識づけられる出会いになっているように思えます。
生きとし生けるものは皆トラウマ化
「前進」をここまで強調すると、悪い意味でコーチングライクな感じがします。僕の思うところとしては、人は皆過去の傷つき体験によって、すべからく今を制限されている生き物だということです。
ですから、起業家の前進を支えようとする時、自ずとその人の傷つきから学習された思い込みや信念と出会うこととなります。その思い込みは学習であり、過去にその人を助けてくれた考えです。
しかし、ソーシャルインパクトを意図し前進する上で、その思い込みは今ここでは障壁になっているかもしれません。それに気づき、するりと手放す過程に立ち会うことも、Social Coachの一つの役割です。この分析には、我々のミッションが心理援助の民主化であるというレンズも大きく寄与しているでしょう。
なんにせよ、Millerは「人はみなトラウマ化されている」といい、神田橋は「生きとし生けるものは皆、複雑性PTSDである。」と言いました。いわんや、社会起業家をや。といったところでしょうか。
媒体としてのコーチング
そうはいっても、セラピーは疾病して初めて出会うものであることがほとんど。メンタルヘルス領域にはまだまだスティグマが存在しており、支援を「必要とする人」と「必要としない人」の溝は深まるばかりです。
もちろん、コーチングはセラピーとが異なります。ICF倫理規定でも明記されている原則を遵守した上で、コーチングには「心と向き合う習慣・メンタルヘルスリテラリーに寄与する」側面で可能性があるのではないかと考えています。
コーチング自体も、「プロ養成」と目的に出会い臨床心理士の養成課程を参考にしたと聞きます。例えばロジャーズ派の原則は、ほとんどそのままどのコーチングスクールでも教えられている。
コーチングは、社会のメンタルヘルスリテラシーを高める上でのミッキーマウスになってくれるのではないかという仮説を支持しています。
社会起業家と社会の前進を支える
いま見えている「社会起業家と社会の前進を支える」というテキストの主なポイントはこんなところでしょうか。現在、Social Coachのインパクト指標を策定するプロジェクトも行っています。定性的な仮説を、質量ともに追跡していく次第です。ざっくりいうと、「創業者のこころの資本(Phycap)が高まると、個社KPIは上振れ、あるいは項目ごと進化する」みたいなことを検証しています。
1期のメンバーは想像より多様でした。年齢だけでもハタチから50台までいます。日本中いろんなところからどころか、NYからも参加する有様です。学生も社長も投資家も新米ママも独立ホヤホヤもいます。
みなさん、すでに用意されたスキルアップルートではなく、まだ見ぬ未来に向けたコミュニティキャピタルに投資しているのです。僕はこの事実だけで明るい未来を見ずにはいれません。あとは、約束通り48名と突き詰め、社会起業家と社会に広げていくのみです。
2022年の冬から2023年の春にかけて、Social Coachを前に進めることで、社会起業家と社会を前進する仲間を募集しています。
P.S.
これから非営利企業へのプロボノ参画も検討しています。完全にプロボノ参加を希望される場合の費用を検討中ですので、関心ある方は面談でお伝えください。
P.S.2
写真は11月上旬、一足早く冬を招き入れた清里高原から覗く朝焼けに照り返る霊峰富士です。墨絵のような趣です。
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