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「ありがとう」3つの言い回し
ビジネスメールマナーコンサルタントの山田直毅(なおたか)です。
文章を書くほどに言い回しがかたよる?
メールに限らず、文章を毎日のように書いていると「言い回し」が偏ってきます。いつも同じような表現をしているなぁと思うことがありませんか?
ボキャブラリーが少ない?
語彙力がたりない?
のかもしれませんが・・・。
パソコンやスマートフォンの「予測変換」やご自身の「タイピング」の癖など。言い回しの偏りを助長するレール(習慣)があることも一因です。
ビジネスメールで使える「ありがとう」3つの言い回しを紹介します。
「ありがとうございます。」
ビジネスメールで一番多く使われている感謝の表現です。過去形「ありがとうございました。」は個人的に使いません。過去形にすると感謝の気持ちが書いた途端にぷつりと切れてしまう気がしてしまうのです。
少し脱線します。ビジネスメールを添削していた時に感じた「申し訳ない症候群」についてお話します。1通のメールで何度も「申し訳ない」「ごめんなさい」「すみません」と書いてしまう方、時々いるのです。
添削してみると「申し訳ない」「ごめんなさい」「すみません」の半分以上が「ありがとう」に置き換えられました。これ日常でもよくある話なのです。道を譲ってもらって「すみません」と言われたことないでしょうか?
「謝(る)」にひと手間!「感」をくっつけて「感謝」に変換。これだけで「感謝」の機会がグッと増えます。お試しくださいませ。
「ありがとう存じます。」
「ありがとうございました。」を使わない理由 を先日書いたところ「私は”ありがとう存じます”を個人的に気に入って使っています。」とtwitterにリプライをくださった方がいました。
耳慣れない言い回しですが「ありがとうございます。」よりも丁寧な表現として使われています。
「存じます」は「思う」の謙譲語。「存じます」は日常会話で使われることが少ない言い回しですが、ビジネスメールではよく使われます。
「ございます」は丁寧語なので、謙譲語「存じます」を使ったほうがへりくだった表現に変わります。
「ありがたく存じます。」
「ありがとう」は「有り難し」「有り難く」が変化して「有り難う(ありがとう)」になったと言われています。※語源をたどれば仏教の『盲亀浮木のたとえ』にたどりつきます。
「有り難う」と言いやすくしないで「有り難く」とあえて言い回す。ビジネスメールで普段づかいするのは勿体ないので、心底の感謝を相手に伝えたい時に使うのが良いと個人的には考えています。