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私はまだまだ生きたい
8月の頭にひょんなことで婦人科を受診して、ついでにがん検診をした。
そもそも婦人科を受診しようと思ったのも、
マツパのお姉さんと「婦人科検診ってカーテンで仕切られて、勝手に股開かれる椅子に座らされて、人間扱いされないよね」っていう話から、あーそういえばっていう流れだった。
がん検診なんてここ4〜5年近くやっていなかったようなそんな気がして、流れるように受診した。
がん検診の結果は、HSIL 高度病変だった。
その場で涙目になりながら組織診を行った。
まさか自分が?パニックだった。
組織診はパチパチ爪を切られてるような感覚で、個人的にはそこまで痛くなかったけど、股から何かが垂れてるのは分かって、あとから診察台を見てゾッとした。
結局、会社に行ったものの体調はすぐ悪くなり、上司へ最低限だけ伝えて休んだ。
そこから1週間は本当に心も体も調子が悪くて、毎日毎日しんどくて、あまりにも1日が長くて、友人たちに毎日毎日しんどいって言ってた。
大好きな博物館にもそれから行けなくなった。
ちょうど運良くメンタルヘルスケアマネジメント検定の勉強を始めた頃だったということもあって、それなりに客観視が出来たおかげか、1週間後には心と体が頭に追いついてきた。
そこからとにかくいろいろたくさん考えて、泣いて、子宮は全摘しないことがほとんどなステージⅠAまでは受け止められる覚悟を持って、病院に向かった。
組織診の結果は、中等度異形成だった。
一旦、手術等はせず経過観察ということで、数ヶ月おきに検査を行う。
結果としては癌ではなく、早期発見することができて安堵した。
どちらにせよ通院は免れない。
しっかりラベリングされた患者であることには確かだ。
学生の頃に受けた授業を思い出す。
何年生の時に受けたのか、授業名も担当教員も全く思い出せないけど、唯一「ラベリング」という言葉だけはしっかり覚えている。
病院に行って突然病名を言われて、たった1日で状況がガラッと変わってしまうのは、こんなにしんどいものかと痛感できた。
ちなみに、今回の組織診から結果が出るまでの間に、遅めの夏休みで八重山諸島へ行っていた。
会う人たちには心配かけたくなかったし、少しでも自分の状況を忘れたかったから、ほとんどの人には話さずに過ごした。
結果としてはそれでよかった。
だが、元気だった?って聞かれるとすごくしんどかった。
八重山諸島から帰ってきてから結果を聞くまでの約1週間は本当に怖かった。結果を聞いて怖かったと気づいた。
癌ではないことは分かっていたのに。
そして、西表島の景色を見て、自分はまだまだ生きたいんだと実感した。
ドキュメンタリー映画「生生流転」の冒頭10分の間に流れる西表島の壮大な自然を見て涙が止まらなかった。
自分としては日々後悔のないよう過ごしてるつもりだったけど、未練しかなかった。
後悔をしないように、未練がないように、日々生きるためにはどうしたらいいのだろう。
改めて1日1日をどう過ごすか考える良い機会になった。
そもそも子宮頚がんは、HPV感染が原因で、性行為をしたことのある人なら誰でも男女問わず感染します。
HPVに感染しても自己免疫で消える場合もあるし、私みたいにそのまま5〜10年感染し続け、異形成や癌となってしまう場合もあります。
そして、いわゆる子宮頚がん検診は細胞診のことで、これでどのくらいの程度なのかが分かります。
全部で6段階あり、私が診断を受けたHSILは癌の一歩手前です。
組織診は、細胞診の結果を受けて行う精密検査で、ここでも程度の段階が分かれています。
私は所見のある3ヶ所のうち2ヶ所が中等度異形成(CIN2)で、上皮の2/3までが異形細胞に置き換わっているという状態です。
中等度異形成の場合、軽度異形成になる場合もあるし、数年単位で進行して高度異形成になる場合もあるので、定期検診が必要になります。
あくまでも初期段階なので、癌ではなく転移とかそういったことはないです。
(詳しくはぜひ調べてみてください)
本当に自覚症状がないので女性は定期検診に行ってほしいと思うし、男性は正しく理解をした上でHPVワクチンを打とうと思う人が少しでも増えたら嬉しいなと思っています。
年内にHPV検査があるので、完全にモヤモヤがなくなったわけでもなく、ふと泣きたくなる時もあるし、胸を張って元気!とは言えないけど、今は比較的穏やかに過ごしています。
適度にそっとしておいてくださいな。