聞香会「五味シリーズ」が完結しました
江戸時代前期の香道家 米川常白が選定したと伝えられる手鑑香「古五味名香」十種の香気を拠り所に、甘・苦・辛・酸・鹹それぞれを如何なる感覚と捉えれば良いのか考察するという趣旨で開始した聞香会「五味シリーズ」は、おかげ様で去る14日の「鹹」の会をもちまして無事に完結しました。
当日のメニューは以下の通りでした。
(配布資料を一部省略してコピーします)
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聞香会~香木三昧のつどい~五味シリーズ㈤
「さまざまな鹹を聞き比べる」メニュー(予定)
一.遠里(古五味名香)(伽羅)
二.白鷺(古五味名香)(伽羅)
三.仮銘 秋風(佐曾羅)(インドネシア産沈香)
四.仮銘 白雲(真南蛮)(タイ産沈香)
五.烏帽子岩(真南蛮)
六.仮銘 うすき衣(寸門陀羅)(インドネシア産沈香)
七.仮銘 春霞(伽羅)
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「鹹=しおはゆい」とは、古書によりますと「汗取りの匂い」とか「浜辺で海藻の類を燃やす際の汐くさい匂い」と解説される通り、決して心地良いとは思えないものです。
ところが、香木とは不思議なもので、そのような "嗅ぎたくない匂い” だけを放つような品の無いものは(少なくとも香雅堂には)あまり存在しません。
基本的に「鹹」の一味だけが立つような例は皆無と言って間違いないと思いますし、どんな香木も2つや3つの味は具えていることが普通です。
それら複数の香味が調和を取って鼻腔をくすぐってくれますから、特定の味だけを強く感じることが少ないのだと考えられます。
詳細は、いずれ公開されるアーカイブをご覧下さいます様、お願い申し上げます。
(と言いつつ、既に編集段階に入っている未公開のアーカイブが…^^;
当方の作業が遅れ遅れになっており、誠に申し訳ございません)
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