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野に咲くはな

気がつけば2年ぶりの更新。
気にせんでください。

仕事として書く時は「シゴト!」と
頭の中をまるっきり切り替えていますので
このようなくだけた文の羅列を書くことも
かなり久しぶりです。
あくまでつらつらと、徒然と書かせていただきますね。

「好き」の反対は「無関心」である。
「嫌い」ではない。

大学の先輩がご自身の作品内で、そのようにおっしゃってました。
何気ない一言でしたが、めちゃくちゃ腑に落ちました。
そう。じつは無関心なんですよね、好きの逆。
作品なり人なり、嫌いと言われる、批判される
やられると喰らうダメージはダイレクトですけど
まだ、全然ましなほうだと思います。

評価のひとつとして取り上げられたってことは
一度は気に留めてもらって感想もらえたってこと。
嫌いと言われてどうするかは自分の問題であり
重荷なら受け取ったらそっと後ろで流せば良いし
一理あると思い以降の課題にすれば糧となる。
耳が痛いですが、自分が変われるきっかけにはなります。

でも、無関心はマジで堪えます。
相手にも自分にも、なにも起こらないですから。
ただ一瞥して、あとは無言で通り過ぎていく。
無意識でも意図的でも
ノーリアクション、ノーコメントです。

大学の課題で、
でっかい油絵を描いていた時に
完成途中に中間講評というものがあるんですが
作品のとなりでいくら説明しても
教授がたは全員目が横に泳いでいて
心ここにあらずって感じ。
私の場合はほぼ毎回
「まあいいんじゃないの、はい次」の一言で
中間も、卒業制作の最終講評までも
これで終了してました。
なかなかにへこみました。

「いいんじゃないの」は、無難な感想
いや、相槌というやつです。
いいんじゃない、って言葉の後ろには
(どうでも)が入ってます。
「どうでもいい」
よってなんの評価でもありません。

目に留まった人の作品は
「いいんじゃない」以外の評価の言葉が
必ず出ていたので、
なんというか早い段階ではっきり
「自分は芸術一本では食えない。大人しく就職しよう」
と悟って、速攻でリクルートスーツを買ってました。

結局就職先も、学んでいたジャンルからは
まるで畑違いなライター職からスタートし、
独立してそっから約10年近くかけてようやく
ライター、ライター兼用で挿絵、
漫画や展示にこぎつけたって感じです。

絵に関しては自己肯定感もくそもないです。
ゼロです。欲もプライドも
なんにもありませんでした。
長いこと、もう仕方ないよなって思ってました。

親をはじめとした周りは
絵に関しては全くの管轄外だったので、
よくわからないとしか言われず
大人から褒められたことも、
文章と音楽は少しありましたが

実は絵は、子供の頃からほっとんどなかった。

ただし周りは無関心ゆえに
絵をやめろとは言わなかった。
だからひたすら、ひそかに続けてました。
ただただ、日の当たらないとこでひたすら描いて
調べて見て外で学んでって感じでした。

はっきりと評価されはじめたのは2012年ごろです。
絵らしいデジタル一枚絵すらやっとな時代に
半ばやけくそで毎回SNSにあげまくっていた
ジェーンの鉛筆ラフ画が、ある日ポンと。
「のびのび生き生きしていて、キャラクターに生命がある」

…一応、描く生業の方の発言であると言っておきます。
この方が推してくれたことがきっかけで
次々とドアが開き、
長く暗かった自分の創造世界に
光が、色が差し込んでいきました。

鉛筆画ラフばかり描いていた
10年前の私は、まさか10年後の私が
こんな極彩色な絵を日々ばかみたいに
描いていることなど、信じないでしょう。


四半世紀以上絵を描いてきて
本当に後半のほうでふと見つけていただいたって事実は
自分にとっては大きな心の支えとなってます。
だから技を腐らせることなく蓄積して
現在に至れているんだと思います。

現実で面識があり、実際に会って話をして
ときに相談や悩みを聞いてもらっている人たちに
「好き」と言われていること
応援していただいていることを知ってる。
この支えは、でかいです。

インスタなどのSNSなことが多いですが
たまに現実でも作品を出していて

今、描いている場所は
決して暗くてせまい自室ではなく
青空ひろがる広い野原の下で
ほうぼうの椅子とキャンバスを広げて
みなさんとともに、それぞれの作品を
のびのび描いてるような感覚です。

となりのみなさんの作品が大好きですし、
外で描けてるって実感もあります。

もちろん外ですから
時々雨や嵐も降りますが
なんとか乗り切りながら
明日晴れたら
また新しいキャンバスを貼っては
引き続き、描いていくつもりです。

正直言って私の絵はきったないし
雑草みたいな世界観だと思う。
「どうでもいい」と判別されて
大半の人がチラ見で通り過ぎていくと思う。

けれど野に咲くちっさい花のようで
自分は現在の自分の絵、結構好きです。




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