【文芸センス】芥川龍之介『蜜柑』④芸術史上主義の敗北
前回紹介した美しい光景は、一瞬のうちに車窓から消え去ってしまいました。しかし、その光景は主人公の心に永遠に記憶されます。それは、その光景がただ美しかったからではなく、主人公の人生にとって大きな意味を持つものだからでした。
最終回の記事では、この物語の主人公、それは芥川龍之介自身と思われるのですが、彼の人生にとって蜜柑がどのような役割を持つのか、その点について考えます。
芥川龍之介『蜜柑』
④芸術史上主義の敗北
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