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【モジャ毛語り⑩】メガネにまつわるエトセトラという雑記

【とーたくからのお題:「メガネ」】


何度か話題に出しているが、




ヤマダヒロミチは
中高一貫制の私立男子校に6年間の思春期を丸ごと幽閉されて過ごした男だ。




”カトリックの精神に則った品行方正な校風と難関私立大学への脅威的な合格率を誇る県内屈指の名門進学校“

と説明すれば聞こえは良いが、




要するに、

自主性や多様性のカケラもない、
ハイパーガリ勉お受験プリズン学院である。



1学年200人のうち、
9割以上の生徒が有名難関大学に合格して卒業していくが、




同時に、



9割以上の生徒が童貞を卒業しないまま卒業していくのが我が母校なのである。



(言わずもがなヤマダヒロミチも9割の多数派に属しながら卒業式を迎えた。高校生カップルっていつどこでセックスしてんのよマジで。)




そして、

そんな環境なものだから、



皆様お察しの通り、




在校生のメガネ着用率は誇張抜きで9割を上回る。



あなたが“ガリ勉”と聞いて思い描いた通りのTHEガリ勉が
1フロアに180人以上ひしめきあっているのが我が母校なのだから。




みんながみんな勉強のしすぎで視力を奪われ、


それでもなお勉強するためにメガネをかける、


そんな無限牢獄。





中学生だったらともかく、


“モテたい欲・ヤリたい欲・性欲”という三大欲求の権化である高校生ともなれば、


みんなコンタクトにしたり
オシャレメガネに替えたりし出すもの。




しかし、

我が母校のガリ勉たちには、
見た目を気遣ってアピールできる女友達すらもいないのが普通。



“だせぇ髪・だせぇ制服・だせぇメガネ”の三重苦を垂れ流しながら、

「絶対良い大学に入ってかわいいカノジョ作って童貞を捧げるんだ・・・」

というモチベーションだけでどうにかプリズンの刑期を全うするのが、
我が母校の典型的学生生活なのである。







前置きが長くなった。




ヤマダヒロミチも、

プリズンOBの例に漏れず視力が悪い。





ただ、
ヤマダヒロミチの場合は勉強のしすぎよりも、

高校1年生で初めて買った当時のケータイの小さな画面で
当時のエロサイトのクソ画質ポルノ画像を見つめ狂い倒し過ぎたことの方が大きな原因なのだが。




なので、
授業中はだせぇメガネをかけて黒板を見ていたわけだが、




当時はそこまで視力が悪くなかったことと、

“俺は他の童貞メガネどもとは違うんだ”
という童貞特有のプライドとの複合技により、


普段はメガネをかけず裸眼で過ごしていた。





そして、
大学入学と同時にコンタクトレンズを作った。






そこから10年以上、




家にいる時以外はほぼ常にコンタクトを付けていたので、


ヤマダヒロミチとメガネのイメージを結びつける人はほとんどいなかったはずだ。







その状況が大きく覆ったのが、

このコロナ禍である。





2020年4月に発出された緊急事態宣言下のステイホームで、


外出する予定も、
人前に出る機会も激減。



一日、出掛けるために2weekのコンタクトを開けて付けても、

その後何日もほぼ家に籠りっきりで、
思い出した頃にケースの中から干からびたレンズの無惨な遺体が発見される、
といったことが増えた。




いくら何でもコスパが悪い。





そこから、

人生初の“毎日常にメガネをかけて過ごす人”としての生活が始まった。





何のことはない。




“夏は前髪から滴り落ちた汗がレンズに付くのがマジイヤ”とか、

“冬は気温差で曇って視界がゼロになるのマジストレス”とか、

“おセックスする時付けてたらジャマだし外したら見えないしマジみんなどうしてんの??”とか、


常メガネ生活初心者ゆえの不慣れさはありながらも、

慣れてしまえば、
毎日付け外しをする必要のあるコンタクトよりも遥かにラクチンだ。


ファッションアイテムが一つ増えることも楽しい。









だが、


メガネ生活者になって早1年半が過ぎ、




恐れていた事態が起き出している。







バンドのスタジオ練習の最中、


曇ってしまったレンズを拭こうとメガネを外すと、




メンバーたちが口々に言う。








「ヒロミチさんそんな顔でしたっけ??





「何かメガネ無いとパーツ足りないですよね。」





「メガネ無いの見慣れてないから、知らないおじさん入ってきたのかと思った!」







33年間共に育ち、





33年間苦楽を分かち合ってきた、




ヤマダヒロミチ自身の顔面パーツが、









メガネとかいうポッと出の新参者に、



インパクト面でいともたやすく完全敗北しているのだ。






スズキアイミやテツくんなんて、

そもそも親しくなったのがコロナ禍でメガネをかけ始めた後なのだ。




2人はヤマダヒロミチのことを


“モジャモジャの茂みの下に置いてあるメガネと、そのよく喋るメガネ置き”


としてしか認識していない可能性すらある。





そして、

最初はそれらのイジりを笑っていたヤマダヒロミチ自身も、




最近、

風呂に入って鏡を見て、





「あれ、俺ってメガネ無いとこんな顔なんだっけ??」



と思ってしまうことが多々ある。





由々しき事態である。




“メガネは顔の一部です”どころか、



メガネが無いと
ヤマダヒロミチの顔が成立しなくなってしまっている。





それはなんだか悔しい。




高校時代、


モテない同族嫌悪で見下していた、
“こいつマジ他校だったらあだ名「メガネくん」なんだろうな”

という感覚。


自分由来でないものが見た目の一番の特徴となってしまうなんて、
俺はまっぴらごめんだと思っていたはずなのに。




まぁヤマダヒロミチの場合
そこにモジャモジャというめちゃくちゃ俺由来のものが加わっているので何ともではあるが。



メガネに負けないインパクトの人でありたい。


ヤマダヒロミチはファッションで奇抜な10角形メガネをかけているだけで、


よく喋るメガネ置きなんかではないのだ。




メガネよ。


俺のお気に入りのメガネよ。


2022年は俺が貴様に勝つ。



目を凝らしてよく見ていろよ、メガネだけにな




あと、




俺がメガネをかけ始める前に



「私、メガネかけてる男の人がマジタイプなんだよねー♡」




って言ってたメガネ男子フェチ女子たちは

もしかしてコロナで全滅したんだろうか??





おーい!!




いるよー!!




メガネ男子ヤマダヒロミチいるよー!!!





“おセックスする時付けてたらジャマだし外したら見えないしマジみんなどうしてんの??”ってもっと悩ませてよー!!!





おーーーい!!!!

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