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ひとつ屋根の下に、いくつもの未来を。

 子どもの頃、田園地帯に住んでいたので、川で魚を取ったり、昆虫採集をしたりして遊びました。
 同じ住宅団地に、同世代の友達がたくさんいました。
 一緒に農閑期の田んぼでサッカーや野球をして、思いっきり遊べたので、幸せな少年時代でした。
 今の子どもたちを見ていると、球技を思いっきりできる場所が少なくて、可愛そうです。
 もちろん、ブロックやテレビゲームでも遊びました。
 一番興奮した遊びは、秘密基地です。
 河原の茂みにゴザを敷いて、思い思いのおもちゃを持ち込んで、それぞれ遊ぶのです。
 普段交流が少ない上級生も集まってきて、のんびり過ごす。
 隣に座っている友達の、生活を垣間見れて、人間の本質が現れるのが面白いのです。
 「隣人の生活」は、この世で最も興味深い。
 近所の家に招かれると、まるで宝箱に入ったように、すべてが新鮮でした。
 2段ベッドで寝ている。
 押し入れで遊ぶ。
 20畳ある、広〜い寝室。
 戦車のように変形して遊べるテーブル。
 8畳ほどある広いベランダ。
 巨大なヘチマのピロティ。
 レコードがぎっしり詰まった本棚。
 ミドリガメ。
 綺麗に額装された、ロックシンガーのポスター。
 電車のジオラマ。
 明治、大正時代のカメラ数十台。
 自分の価値観からは、考えられないような物があるのです。
 秘密基地にも、友達の生活空間を感じさせるグッズが置かれ、異世界のような話が始まり、普段見せない1面を知ります。
 自分が家でできないくつろぎ方をするのも目的ですが、それ以上に周りの振る舞いが楽しくてしょうがありませんでした。


「利益」をもたらすコンテンツは、すぐに廃れます。 不況、インフレ、円安などの経済不安から、短期的な利益を求める風潮があっても、真実は変わりません。 人の心を動かすのは「物語」以外にありません。 心を打つ物語を発信する。 時代が求めるのは、イノベーティブなブレークスルーです。