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【プロット】女性用トイレにいる 激怒した呪術師
怨霊を探して、公園へやってきた慈需は錫杖で植木を叩いた。
この近くに人間を数十人食った悪霊がいるはず。
前進の毛穴が開く感覚と共に、髪の毛がゆっくりと立ち上がっていく。
神経を集中して気配を探った。
女子トイレに微かな淀みを感じた。
地面を蹴って錫杖を突き出し、中へ突入する。
男が一人立っていた。
糞尿の臭いが微かに漂う小さな空間に、厳かささえ感じさせる佇まいだった。
「何か、ご用でしょうか」
薄く嗤い、口角を片側だけ上げた。
俯き加減の顔から、視線だけをこちらへ向けている。
白目勝ちな双眸の黒目は赤い。
こいつはヤバいな ───
前進が泡立つ感覚と、背筋を冷やす汗。
怒りに任せて術を使っても負ける。
顔は怒りに歪んでいても、百戦錬磨の感覚が神経を冷やしていた。
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