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コンピュータ将棋

 コンピュータと人間の5番勝負をネット配信した「電王戦」は、今では伝説の対局といわれるようになった。
 プロ棋士が、いかに真剣に将棋と向き合っているかがわかる場面が随所にあった。
 ある棋士は引き分けに持ち込んで男泣きした。
 恥も外聞もなく、全力を出し切って負ける棋士。
 勝ったが、全身脂汗をかく棋士。
 コンピュータを何百台もクラスタリングしたモンスターマシンとも真剣勝負が行われた。
 ラストの対局は映画にもなった。
 自分はリアルタイムでずっと見ていた。
 将棋の歴史や文化が語られ、コンピュータとどのような距離感をもって、生きていけばいいのかも真剣に話し合われていた。
 人間が指す将棋は見向きもされなくなるのか、プロ制度が破綻するのかなど、興味深い話題を、正面から話していたことが印象深い。
 そして、プログラマーは新しい技術を惜しげもなく世の中に公開することにも心を打たれた。
 技術を発展させることだけを優先して、既成の利益を独占しようとしないのである。
 また将棋の棋士は、勝負を超えてお互いの読み筋を検討し合う「感想戦」をいつも対局後に行う。
 このように勝ち負けの一時的な感情に溺れないところが素晴らしいと思った。

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越庭 風姿 【 人は悩む。人は得る。創作で。】
「利益」をもたらすコンテンツは、すぐに廃れます。 不況、インフレ、円安などの経済不安から、短期的な利益を求める風潮があっても、真実は変わりません。 人の心を動かすのは「物語」以外にありません。 心を打つ物語を発信する。 時代が求めるのは、イノベーティブなブレークスルーです。