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Photo by
golchiki
【プロット】ヤンデレな哲学者が、サーバールームに
俺の彼女はSNSを毎日更新しているらしい。
フォロワーがたくさんいるから、話し相手に困らない。
いつの間にか、俺もフォロワーの一人として他愛ないことを呟くようになった。
現実に存在する俺は、肉体という物体だ。
SNS上には書いた文字とカメラに収めた写真や動画だけが上がる。
意志が含まれているけど、ある時間の興味関心を留めた表現の痕跡である。
彼女は必ず何か返してくれるけど、もの足りなさを感じる。
毎日書き込みをして「いつ返してくれるのか」スマホを何度も見て待っている。
なかなか返事がないと苛々して、他の人の書き込みを見る。
俺よりも親し気にしている奴は許せない。
だんだんと嫉妬の炎が燃え始めた。
文字は、誰が書いても同じだ。
上手に表現できる人の文章をコピペすれば返事をたくさんもらえる。
何度かやってみたけど、勘のいい彼女はすぐに気づいた。
やっぱり違和感あるよね。
でもいつもと違うやり取りができると、やって良かったと思ってしまう。
何をやってるんだろう。
刺激を求めているだけじゃないか。
SNSがない世の中になったら、少しはマシになりそうだ。
俺は、SNSを運営する会社に忍び込み、サーバールームに入った。
ネット上で社員証もカードキーも売っているし。
セキュリティは全然ザルだった。
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