「皮はモチモチで、中からジュッと肉汁が出てきて〜(後略)」(なにかのバラエティ番組でリポーターの女性タレントが、どこだかの餃子専門店でやっていた食レポのワンシーン)
昨今、「餃子」が、静かなるブームとなりはじめて
いる…ような気がしてなりません。
ぼくが第二の書斎としている
『喫茶室ルノ◯ール』
…がある、ここ恵比寿あたりでも、ここ数年で、餃子専門店が開店しては閉店して…といったマッチポンプ的な乱立状態が見て取れます。
「シュウマイ」でも
「肉まん」でも
「春巻き」でもない、
──なぜ、数ある点心料理のなかで、あえて
「餃子」だけがもてはやされているのか…?
さっそく考察してみましょう。
まずは、ぼくの周囲にいる
「餃子好き」
…を自称する人たちから、「好きな理由」を
リサーチしてみました。
「安くてリーズナブル!」(34歳・女性/広告)
「ビールに合う!」(41歳・男性/公務員)
…みたいな声が圧倒的でしたが、
それ以外に目立ったのは、
「昔から好きだから」(39歳・男性/アパレル)
「なんとなく…」(47歳・女性/主婦)
「美味しいから?」(25歳・男性/IT)
…という漠然とした意見。
たしかに僕も餃子は大好きで、たまーに無性に食べたくはなるけど…たとえば、プロフィールに
「好きな食べ物」
…の欄があれば…
「カツオ」
「白菜」
「トマト」
…と書きます。
「餃子」
…とは、たぶん書きません。
つまり、ぼくをはじめとする大半の日本人にとって、餃子とは
「美味しくて、昔からなんとなく好きな食べ物」
…なのではないでしょうか?
とくに注目したいのは
「昔から好きだから」
…なるキーワードです。
ぼくが「なんとなく餃子好き」になったきっかけは、約40年前の高校時代まで遡ります。
まだ大阪と京都に分裂する前の、
メニューが餃子と白米しかなかったころの
『餃子の王将』
…で、今では信じられないことに
「餃子100個食べたら無料!」
…といったイベント(?)が、長閑(のどか)に開催されておりました。
そこで当時、盆正月を除いて休みもなく、
部活で硬式テニスの猛練習に明け暮れていたぼくは、
モノの30分チョットで
「餃子100個を完食!」
…してしまったのです。(※なお余談ですが、餃子はオンリー食いよりも白米を間に挟んで油っこさを洗い流したほうがたくさんの量を食することができます)
そして、それ以降
「もう餃子なんて…見たくもない」
…とはなりませんでした。それどころか、
「ますます大好物」
…になりました。
だから(なのか?)、現在でもぼくは
「一番好きな餃子は?」
…と問われたら…日々進化を遂げる並みいる専門店の餃子を押しのけ、100個食べても飽きなかった
「(京都)王将の餃子!」
…と、即答します。
『(京都)王将』を超える餃子を探し求め、恵比寿中の専門店を食べ歩いてもきました。皮の厚い大ダマ系から薄皮の小ぶり系に、博多風の鉄鍋羽根付き系
まで…etc.。
「恵比寿一上手い!」
…と評判の高い、いつも行列がすごくて
なかなか入れなかった屋台店
『安兵衛』
…の揚げ餃子も、本拠地の高知へと行った際に
食してきました。
「じつに美味かった!」
…のは間違いありません。おそらく高知出身のヒトなら迷わず「一番」に挙げるのではないでしょうか?
が、ぼくのなかでは、残念ながら
『(京都)王将』
…を超えることはありませんでした。
ちなみに福島県出身であるぼくの某知人女性は、
地元を発祥の地とする
『幸楽苑』
…の餃子が、なんだかんだ言って
「一番好き!」だと断言します。
もしかすると、餃子とは…
「思春期に実家の近所で食べた味が半永久的に
インプリンティングされてしまう」
──すなわち、一種の
「ソウルフード」
…であり、ソウルフードであるがゆえ、逆に
「好きな食べ物は?」
…と尋ねられても
「餃子」
…という単語がパッとは頭に想い浮かばない
…のかもしれません。
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