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184.ミラーボール下の雑観

友人のDJイベントに誘われ、遊びに行った。

自分がやってきたバンドや普段聴いている音とは異なるインストの打ち込みの音楽が鳴っている。それに反応して踊り出すお客。何となくその景色を眺めながら"何故、音の連なりが人を高揚させるのだろうか"と。考え込んでしまった。

別にこの場所だけが特別なのではない。きっと今、この街はおろか、他の街や他の国、それぞれの土地で同じ様に音が人を歓ばせる景色が流れているのだろう。

大陸間の交流がなかった古の昔からその土地土地で、他国だろうと、地球の裏側だろうと等しく、人がいる場所には音を使った文化というものが生まれてきた。

子孫繁栄だとか衣食住だとか、そういった類の事が文化として形成され、受け継がれてゆくというのは至極真っ当というか腑に落ちるのだが、そことは逸脱した(生死に直結しない)音楽という文化が時代時代の生活模様の傍らで受け継がれてきたという事が実に不思議である。

今は楽器や電子機器で音を鳴らしているが、元々は木の棒を地面に打ちつける程度の事だったのだろう。その媒体が異なるだけで、やっている事は太古の昔から変わらない。生存本能とは異なる、人が持ち合わせる別の本能なのだろうか。何か尊いものがある。音には人を奮わせる何かがあるのだろう。

私がこうして紡ぎ出している"言葉"も同じ事なのかもしれない。言葉や文章も音と同じ様に人によって育まれてきた文化だ。その土地土地で作られた言語があり、それを組み合わせて人を楽しませてきた。同じ様にどの国にもその文化はあるのだと思う。

どの時代のどの価値観があろうとも身近にあるものを駆使して遊び、生活に彩りを与えてきたのだ。文化や教育が発展しただけで、太古の人も現代の人も"人は人"である事に変わりはなく、いつの時代も求めている根底の価値観は同じ様な事なのかもしれない。

そして現代において言葉を紡ぎ出す以上、今しか出来ない表現や今だから出来る表現というものがあると思う。普段からふざけた事しか書いていない私が言うのもアレだが、いつの日かそんな表現で自分中や人の心のどこかに置いてもらえる言葉を生み出したいと思った。

正直、この日は寝不足と寒暖差のせいか数年ぶりに体調が悪くなりそうな予兆があったのだが、“そんなもん気持ちの問題"だとか"遊びに行ったら楽しい事が起こる"などと言い聞かせ、とりあえず外に出てみた。

悩んだ挙句ここに行き着いたわけだが、結果的に良き疑問と良き心の言葉に出会えた。もしかしたらただの思いつきで、すぐ忘れてしまうかも可能性もあるが、それでも悪くない出会いだ。それらを閃きと言うのなら良き閃きに出会えた。やはり何かせねば何も起こらないのである。


てな事を音を聞きながら、その場で一気に書き上げた。集中力も申し分無く、非常に良い時間だった。

そしてふと思う。

例えば、遊びに出たけど思ったより何も無く期待外れの場合、"何しに来たんだ"と思いながら帰る瞬間なんていくらでもある。でもそれは精神的な立ち回りが未熟なだけなのかもしれない。

もちろん、外的要因の影響はデカいのだが、それだけに頼りきるとただの運まかせというか、その場のつまらなさを人や環境のせいにしているだけというか、極端に言えば自分のせいじゃなかろうか。なんて事を思うのだ。

何かあると思えば何かが起こる。何かを見つける可能性も広がる。そんな事を意識して生活していたのだが、あの日出掛けた結果、やはり間違ってない様に思えた。いや、断言できるほどの確証もないのだが、今の私にはそのやり方がしっくりくるようだ。

何言ってるんだと思う人もいるだろう。そんな方に私はこう答えるだろう。
“それはそれで結構"と。

気付くのが早いとか遅いと思う人もいるだろう。そんな方に私はこう答えるだろう。
"人それぞれで良いじゃないか"と。

そんなの間違ってる、無意味と思う人もいるだろう。そんな方に私はこう答えるだろう。
"うるせえバカ"と。

何をするにしてもその人にはその人の、私には私のやり方、模索の仕方、タイミングがあるのだ。

仕事だとか共に何かを成し遂げるだとかそういった事だったらまだ理解を示すが、まあ世の中には個人の考えに首を突っ込んで、こうしろよ、これが正しい考え方、これが正しい生き方、なんて押し付けて、言ってやったぜ感で悦に浸ってる人をその辺でしょっちゅう見かけるわけだ。老若男女問わず。あんま良いセンスとは思わんね私は。そのほとんどがただの自己顕示欲だからね。

まあ仮にその矛先が私に向いたとしても、あんま何言われても動じないので言いたきゃ言えばいいとは思うが、もし俺に言う事聞いて欲しけりゃ、俺の言う事を聞いてからにしろ。って思ってしまうね。そこまでしてくれたら、どうするか考えてやる。

と、節操なく書きたい事をただただ書いてしまった。ただの感想文だ。

たまにはいいか。

おわり

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