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生成AIとジャーナルクラブ Claude 3.5編——第3回の2 論文から生涯教育の問題集を作成(reveal.js使用)


主な対象者

本記事では、論文を読んでみたけど、それだけでは勿体ない!と思われている医師(研修医や専攻医を含む)をサポートするプロンプトを紹介しています。
ノーコードで出来る内容を扱っています。
#ジャーナルクラブ #Claude #プロンプト #生涯学習 #自己学習 #問題集

本記事の画像はAdobe Fireflyを用いて生成しました。

はじめに

ジャーナルクラブもそうですが、カンファレンスでのレクチャーを用意するのも時間や労力のリソース投入が多く、自身の診療・研究や管理業務、および家庭との両立が求められる指導医にはなかなか大変です。

先日、医学論文に関するQ&Aのプロンプトを紹介しました。

ただ、ここでは質問文がチャットのテキストで、プルダウンがartifactsで提示され、しかもプルダウンの回答がチャット側の応答に反映されないという問題点がありました。

Claude 3.5の活用事例についてはXやnoteで数多く紹介されており、その中でreveal.jsを用いたスライド作成の事例も多数ありました。

このreveal.jsを、私は今回初めて知ったもので、使い方もまだよく分からないのですが、claude 3.5のartifactsを活用すれば、reveal.js自体について分かっていなくてもスライド作成は出来ます。

プロンプトの紹介

前回同様、5つの選択肢から正しいものを1つ選ぶ多選択肢問題を5問、得られた学びを自由に言語化するエッセイ問題を1問の形式としています。

<role>
#あなたは経験豊富で教育能力にも優れた専門医です。
#問いかけに対して教育的な質問を発してください
</role>
<instruction>
#添付されたPDFの内容について、下記の条件を満たす6つの質問からなるQ&Aを作成してください。

  • 問1~5は5つの選択肢(a,b,c,d,e)から正解の1つを選ぶ(残りの4つの選択肢は誤り)

  • 問1〜5は以下の2つの()の中から1つずつの因子を選択し、それに関する問とする。

    1. (疫学;病態生理;臨床症状;鑑別診断;診断法;治療法;予後)

    2. (一般的な知識を問う;症例を提示し、関連する知識を問う;症例を提示し、とるべき行動を問う)

  • 問1〜5においては、2つの()の中から選んだ因子の部分は言語として明示せず、問そのもののみを明示する

  • 問6はメタ認知的認識を扱う自由記述式回答の質問として、「本論文から学び取ったポイントを最大3つまで、箇条書きにて言語化してください」とする。特定の正解を求める問ではない。

#問1〜5の解説は、添付のPDFの内容を参照し、問1つあたり日本語で150〜200字程度としてください。
#成果物はreveal.jsを使用した日本語のプレゼンテーションとして、htmlファイルを開くだけでブラウザ上で実行できるようにしてください。htmlファイルへのリンクはartifacts上で表示してください。
#スライド表示の順序は、問1〜5、問1〜5の解答と解説、問6としてください。
</instruction>

こちらは単体で使用することを想定しています。
先に外用を掴んでからQ&Aに進みたい場合は、以下のリンクのプロンプトも参考にしていただけたら幸いです。こちらのプロンプトも、Claude 3.5 Sonnetなら一つにまとめて指示してもそれなりの質は維持できます。

上記のプロンプトを使用することで、reveal.jsを用いたスライドがArtifactsによって画面の右側(PCの場合)に出現し、<>部分をクリックすればスライドを進めていくことが可能です。
問1〜5、問1〜5の解答と解説、問6の順にスライドは流れていきます。
なお、Artifactsがコードを書いているのを目で追っていると、正解の選択肢が見えてしまいますので(かなり速いので目が追いつかないかもしれませんが)、自分で問題を解くつもりであれば、作業中は目を離しておくと良いでしょう。

追記(6/26):UpToDateを用いた場合

定番の二次資料であるUpToDateでも同様に試みたところ、以下のような感触を得ました。

①疾患についての総説、1つの記事にまとまっている場合
そのまま使用可能。

②疾患についての総説、複数の記事に分かれている場合
複数の記事を一括アップロードして、同じプロンプトで対応可能。
ただ、先に総説の要約を行いたい場合は、複数記事を同時にアップロードして指示しても上手くいかない点は要注意。

③症候学についての総説
プロンプトを以下のようにマイナーチェンジしました。十分活用できます。

<role>
#あなたは経験豊富で教育能力にも優れた専門医です。
#問いかけに対して教育的な質問を発してください
</role>
<instruction>
#添付されたPDFの内容について、下記の条件を満たす6つの質問からなるQ&Aを作成してください。以下の’Red flag sign’とは、「重篤な疾患を示唆する重要な所見」のことです。

  • 問1~5は5つの選択肢(a,b,c,d,e)から正解の1つを選ぶ(残りの4つの選択肢は誤り)

  • 問1〜5は以下の2つの()の中から1つずつの因子を選択し、それに関する問とする。

    1. (疫学とリスク因子;病態生理;鑑別診断;病歴や身体所見をとる時の考え方;Red flag sign;診断法)

    2. (一般的な知識を問う;症例を提示し、関連する知識を問う;症例を提示し、とるべき行動を問う)

  • 問1〜5においては、2つの()の中から選んだ因子の部分は言語として明示せず、問そのもののみを明示する

  • 問6はメタ認知的認識を扱う自由記述式回答の質問として、「本論文から学び取ったポイントを最大3つまで、箇条書きにて言語化してください」とする。特定の正解を求める問ではない。

#問1〜5の解説は、添付のPDFの内容を参照し、問1つあたり日本語で150〜200字程度としてください。
#成果物はreveal.jsを使用した日本語のプレゼンテーションとして、htmlファイルを開くだけでブラウザ上で実行できるようにしてください。htmlファイルへのリンクはartifacts上で表示してください。
#スライド表示の順序は、問1〜5、問1〜5の解答と解説、問6としてください。
</instruction>

終わりに

ここまでのプロンプトを用いることで、ものの数分で論文から質の高い生涯教育の問題集が出来上がります。解説プロンプトと併用することでより理解が向上することでしょう。Claude 3.5の言語処理能力は大変優れており添付のPDFファイルからの問題作成という条件なら概ね信頼できるのですが、内容に違和感を感じた時には別のリソースでファクトチェックも行う必要があります。その点は忘れないようにしてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後とも有益な情報を発信していきますので、応援よろしくお願い致します。

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