FPがよく使う「耳にタコができる」言い回しを集めてみました
FP発信のSNSやブログ記事、ラジオ、書籍等には、既に何度も使い回しされている聞き飽きた引用、格言、例え話、はたまたヘンテコな表現などが多数あります。
そのいくつかを拾い上げてみました。
1.「人類最大の発明は複利効果だとアインシュタインが言った」
金利の複利効果、すなわち利息にまた利息がついて雪だるま式に増える仕組みを、アインシュタイン博士が「人類最大の発明だ」と言ったというエピソードです。
確かに発言者の意外性はありますが、複利とは何ぞやを説明する多くのFPが「待ってました」言わんばかりに得意満面にこの話を引用してしまう状況にもはや鮮度はありません。
2.「貯金は三角、保険は四角」
保育園のお遊戯タイムのようなこの標語は、「貯金では緊急時の必要金額に達するまで右肩上がりで時間をかけなければならないが、保険は加入と同時に必要保障額を直ぐに確保できる」ということを意味しています。
「貯金は三角〜♪、保険は四角〜♪」と、主に主婦系FPがホワイトボードに絵を描きながらリズムを付けて説明してしまうのは、母性本能が働き子どもをあやす擬似体験だからでしょうか。
尚、保険分野では別途「保険は不幸の宝くじ」という交通標語のような常套句もありますが、こちらは老若男女を問わず使われている印象です。あっ、私は使いません。
3.「金持ち父さんは自宅は負債だが不動産投資は資産だと言った」
投資用マンション販売ステルス系FPが好んで使うのが、みんな大好き「金持ち父さん」のこの名台詞です。
「父さん」からのこの伝言に感動して、自らは賃貸アパートに住みながら別途フルローンを組んでサブリース特約付きワンルームマンション購入しようとするサラリーマンには「やめなはれ」と声掛けしたくなります。
4.「卵は1つのカゴに盛るな」
投資の世界には多く格言がありますが、その中でも分散投資の重要性を説く際にほぼ99%(著者憶測)のFPがその見出しや書き出しに使ってしまうのがコレです。
投資好きFPは他にも「落ちてくるナイフはつかむな」とか「頭と尻尾はくれてやれ」などの格言を多用する傾向がありますが、正直言ってとてもウザいですね。耳栓をして聞き流しましょう。
5.「必ずもらえる1万円と1/2の確率でもらえる 2万円のどっちを選ぶ?」
行動経済学入門の書籍が多く出回るようになり、それをかじったFPは唐突にこのようなクイズを出してくることがあります。
「うーん、自分ならば1-2万円程度の話だと1/2の確率で 2万円の方に賭けるなあ。これが1千万円と 2千万円なら確実な1千万円を取るけど」などと回答すると、そのFPは困惑の表情を浮かべます。
大人の対応はグダグダ言わずに「1万円」を選び、「期待値的には確実な1万円と1/2の確率の 2万円と同じなんですよ。バイアスが働きましたね」と気持ちよくFPに解説させてあげることです。
6.「言語化」「再現性」「n、r、g」
おそらく比較的最近にこういう部類の単語をお勉強された方々なのでしょう。
「言語化するのは難しいけど」とか「あまり再現性はないけれども」みたいなちょっとした抽象的表現を、一度覚えてからは際限なく多用しているFPを時々見かけます。
更には金融関連の公式にでてくるアルファベットの「n=number」「r=rate」「g=growth」みたいなものを、「私はまだ n(エヌ)が少なくて」と会話に入れてくるひょうきんなFPさんもおられます。
こういう言い回しをイケてると勘違いしているFPに遭遇した時は「普通に話せないんですか?」と率直な感想を述べてもよいでしょう。
7.「マズローの欲求段階説によれば~」
教養を前面に出して売りたい系FPに人気なのが、マズローの欲求段階説です。人間の欲求は生理的欲求から自己実現の欲求まで5段階あるというやつですね。
FPはFPらしくお金周りの話だけをしていればよいのですが、そこは悲しき人間のサガで余計なウンチクも語りたがる傾向があります。
時間単位で相談料を支払っている場合、この手の話に付き合わされた時間分は精算時に減額してもらいましょう。
追記:
FPの中でも、金融商品や保険を売らない独立系の経済的状況は一般的に不安定な場合も多く、そこでは自尊心を維持する意味も含めて次のようなことを言うFPが掃いて捨てるほどいます。
「アメリカではFPの社会的地位は医者や弁護士並みだ」
私は長年アメリカに住んでいたので知っていますが、それは盛りすぎです。風呂敷広げすぎです。FPはしょせんFPです。
「日本にはまだお金を払ってFP相談をするという文化が育っていない」
こちらも聞き飽きた独立系FPの定型的な捨て台詞です。
このような負け惜しみを毎度放言しているようでは、仮にそんな文化が育ったとしてもそのFPは落ちこぼれ続けるのではないかと心配します。
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