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私が愛した「ひよこ食い商法」
「ひよこ食い商法」とは資格を取り士業として独立して間もない人や起業家の卵たちの焦り気味な心理につけ込み、何か高額なものを売り込んでくるビジネスのことを言います。
当事務所の開業直後にも多くのひよこ食い業者からの勧誘を受けました。
記憶に残るベスト5を「私が愛したひよこ食い商法」と銘打って紹介したいと思います。
第5位 火災保険金の申請代行業者系
これを「ひよこ食い商法」に入れてよいか迷いましたが開業後間もない頃、とある名刺交換会にて「最初は大変でしょう。お客さんが来たらこちらにも紹介してもらい一緒に儲けましょう」と声掛けされましたので、広義な意味でのひよこ食い商法として第5位にランクインさせました。
火災保険では暴風雨などの自然災害による被害にも保険金が支払われますが、いわゆる経年劣化は対象外となります。
しかしその線引きが曖昧になりがちなことを利用して保険金請求をその手の専門業者が代行して、支払われた金額の一部をピンハネするという如何にも怪しい商売です。
実際に保険会社や消費者とのトラブルも多発しているようです。
第4位 HP作成並びにSEO対策系
実は良心的な業者も多いのでしょうが、情報商材と双璧をなすひよこ食い商法の代表格がHP(ホームページ)作成並びにSEO対策系の売り込みです。
当事務所HPは市販ソフトを使い自分で作成したものなので、その素朴さからバレバレなのか作り直しの提案を数多く受けました。
またHPを公開してもキーワード検索で上位に表示されない中、SEO(Search Engine Optimization)対策業者からの売り込みも多くありました。
どちらも「あなたのコンテンツは素晴らしい。あとは魅せ方をプロに任せれば千客万来は間違いない。そこでの初期投資を惜しんではだめ」という感じです。
しかしながら、そんな魅力的なHP作成術や効果的なSEO対策をお持ちの業者が、なぜそれで勝負せずに飛び込み電話営業を仕掛けて来るのか、謎は深まるばかりです。
第3位 プラットフォーム無料掲載系
第3位としてランクインさせたのが「プラットフォーム無料掲載系」と名付けたひよこ食い商法です。
これは上記第4位の応用的な商法です。
「当社新規事業としてFP紹介プラットフォームを立ち上げました。掲載料等は一切かかりません。どうぞご利用下さい」と案内が来ましたのでその会社のHPを見ると、確かにFP紹介コーナーみたいなリンクがあり既に10数名の独立系事務所らしき人々が細々と掲載されています。
しかしその会社の主な事業案内には「サイト解析」「WEBマーケティング」等の説明がありました。
ピンときて「興味は有りますが無料掲載の最終目的がHP改善のコンサル業務セールスならば遠慮したい」旨の返事を丁寧にしたところ音信不通となりました。
嬉々として掲載に応じた他FPの方々の現況を他人事ながら心配しています。
第2位 独立開業に成功する情報商材系
これぞ「ひよこ食い商法のエースで4番」ですが、1位に選出するのも芸がないので第2位としました。
「月に200万円を稼ぐ伝説FPのすべてのノウハウをその1/10、たったの20万円で身につけることができます!」的な謎の計算に基づく価格設定です。
その「伝説FP」のお名前を早速検索してみると、お金の事だけではなく宇宙の法則に基づく幸福哲学をも伝授してくれるとても有難い方のようでした。
高額商材の希少性を演出する為に「販売数」と「販売期間」を限定するのが流行りのようですが、万一購入者が現れば間違いなく無限にばらまかれることでしょう。
第1位 取材して雑誌に掲載系
輝く第1位は「取材して雑誌に掲載系」商法で、単に「取材商法」とも呼ばれています。
その声掛けは「HPの内容を見て代表者のお考えに感銘を受けたので是非とも取材させてもらい当社の雑誌に掲載させて頂きたい」というものです。
雑誌といっても聞いた事のないようなWEB系なのですが、過去の掲載例には数名の有名人の名前もあり、希望すれば芸能人との対談形式も可能であるとのことです。
ある程度話を進めて後に引けない状況になってから断っても高額な制作協力費を請求されるのが典型ですので、直ぐにお断りしました。
独立して間もなくまだ不安なところに雑誌掲載の取材を持ち掛け有頂天にさせるその手口は、まさにひよこ食い商法の技巧派ナンバーワンという事で第1位選出としました。
追記:
ひよこ食い商法で最も悲しくなるのが、同じ資格を持つ人が本業で食えない為か他資格保有者に仕掛けてくるパターンです。
英語には「dog-eat-dog」すなわち「食うか食われるか」というイディオムがありますが、とても殺伐とした気持ちになります。
当事務所HPには「お問い合わせ」タブが付いており、どなたでもお気軽に連絡を入れることが可能です。
怪しいと自動的に「迷惑メッセージ」フォルダに行きますが仕分けの間違いもありますので時々中を確認すると、そこはいつも不審な商法への勧誘メッセージのワンダーランドと化しています。