Facebookと言論の自由:分断を招いた責任と未来への課題
現在、マーク・ザッカーバーグがジョー・ローガンのポッドキャストに出演した動画の和訳に取組んでいます。しかし、3時間近い長尺なので、なかなか終わりません。そこで、このポッドキャストに関連した動画を紹介します。メーガン・ケリーたちの会話は納得できるものですが、ザッカーバーグには下記事情がありました。
https://note.com/yamada_kazuro/n/nc767e40567a0
***** 上記Noteの一部抜粋(ここから)
RFK Jr:実際、Facebookはホワイトハウスに対して反論しており、メールのやり取りを見ると、Facebookが「これは誤情報ではなく、事実に反していない」と述べているのが分かります。彼らは「マルインフォメーション」という新しい言葉を作り出さなければなりませんでした。これは、事実に基づいた情報でありながら、政府にとって都合が悪い情報を指します。これが誤情報、偽情報、そしてマルインフォメーションと呼ばれるようになったのです。
そして、メールを見ると、Facebookの人々が「ホワイトハウスの人々はシニカルで恐ろしい人々だ」と言っているのが分かります。彼らは自分たちが法律を破っていることを知っていましたが、莫大な圧力を受けていたのです。Facebookや他のメディア企業は、政府や情報機関とさまざまな取引を行なっており、ホワイトハウスは彼らに対して「従わなければ、セクション230(通信品位法230条)の免責が危険にさらされる」と公然と脅していました。セクション230の免責とは、簡単に言うと、私がニューヨーク・タイムズに記事を書いていたとき、弁護士がその記事の内容をすべて事実確認していました。なぜなら、もし誤った情報が含まれていて誰かが名誉毀損された場合、その人は私を訴えることができるだけでなく、ニューヨーク・タイムズも訴えることができるからです。しかし、ソーシャルメディア側は「私たちはすべての投稿をチェックするために弁護士を雇うことはできません」と言っています。FacebookやInstagram、Twitterのようなプラットフォームが機能するためには、掲載された内容についての責任を負わないことが必要です。これがセクション230の免責の一部であり、他の人々が投稿するプラットフォームとして存在する場合、誰も彼らを訴えることはできないのです。投稿を書いた人を訴えることはできますが、FacebookやInstagramを訴えることはできません。FacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグは「もしセクション230の免責がなくなれば、我々は存在しなくなるだろう」と言っています。彼らは議会がセクション230の免責を削除しようと考えていたので、恐怖に駆られていたのです。ホワイトハウスは「我々の政治的批判者を検閲しないと、セクション230の免責を奪うぞ」と言っていました。
***** 上記Noteの一部抜粋(ここまで)
下記動画の全体の要約:
この対話では、FacebookとMetaの役割、特に言論の自由や政治的分断に与えた影響について議論しています。メーガン・ケリー、ケヴィン・マッデン、アナ・カスパリアンらが、Facebookが過去に保守派の声を抑圧したり、政治的極端な意見を助長してきたことを批判し、ザッカーバーグの姿勢やプラットフォームの変化についての考えを述べています。また、現在の分断された社会を修復するには、対話と相互理解が必要だと結論付けています。
What's Behind Zuckerberg's Shift Toward MAGA and Trump, with Ana Kasparian and Kevin Madden
全文和訳:
メーガン・ケリー:少しだけザッカーバーグについて聞かせてください。この番組では、彼がジョー・ローガンのポッドキャストに出演したことについて、まだ触れていませんよね。で、ちょっと気になるんですが、新しい政権が発足して、トランプが権力を握っていますよね。わかりますよ、今権力を握っている大統領に取り入ろうとするのは当然です。それは理解できるし、彼が方向転換をしていると主張する理由としても納得がいきます。でも私にとっては、Facebookってもう時代遅れなんですよね。若い人たちが使うクールでイケてるアプリでは全然ないじゃないですか。
私が20年前にFoxで働き始めた頃、ルパート・マードックはMySpaceを買収したばかりでした。当時は「MySpaceが勝つのか、それともFacebookが勝つのか」という話題でした。そして、Facebookが一時代を築きましたけど、今やそのピークはとっくに過ぎたでしょう? 今では年配の人たちが写真や生活の近況をシェアするためのものになっています。でも若者はSnapやTikTokに行っていますよね。少しはInstagramも使っていますけど、Facebookではないんです。そして、MetaがInstagramも所有しているのは分かっていますが、私の言いたいことは、ザッカーバーグが、自分のプラットフォームの家族写真や生活更新という部分が急速に時代遅れになっていることをどれだけ気にしているか、ということなんです。
それに、彼が稼げるビジネスモデルだったニュースフィードを自ら廃止してしまいましたよね。その理由については今、アナが説明したとおりですが。そして今、彼は「なんてこった、自分には有望なビジネスモデルがあったのに。それは保守派のユーザーがニュースをシェアすることで成り立っていたものだ。完全にではないにせよ、彼らがプラットフォームを支配していたんだ。それを賢明に利用すれば、彼らに謝罪してこう言えばよかったんだ。『検閲してすみませんでした。ニュースを廃止して申し訳ありませんでした。そして、ジョー・バイデンを当選させるために4億2500万ドルを使ったこともお詫びします』と。」と思っているかもしれませんね。ケヴィン、どう思います?
ケヴィン・マッデン:まず、確かにその通りだと思います。つまり、Facebookは今や私のような「お年寄り」のためのものですね。2007年か2008年頃、ロムニーの選挙運動に携わっていたときにFacebookに初めて登録しました。当時は、SNSが「eキャンペーン」の一部として重要だったんです。それでアカウントを作ったんですが、その後まったく使わずにいました。私たちのFacebookページやその他のSNSページがハッキングされたときに、ようやく確認しに行きました。それで、自分のページにログインしてみたら、小学校時代の同級生20〜30人が私を探していたんですよ。いい教訓になりましたね。
でも今の話に戻すと...
メーガン・ケリー:それが、私たちがその人たちと疎遠になる理由なんですよね。
ケヴィン・マッデン:今では、週に1回くらい彼らと話しています。信じられませんけど(笑)。でも、変化しているのは、技術やその周辺の働き方、税制政策、貿易政策など、次の5年で大きく変わるだろうということです。そして、その変化は次の25年の経済に影響を与えるでしょう。ザッカーバーグとMetaはその議論に参加したいと考えている。それが彼が現政権と関わっている理由でしょう。CEOとして、それをしないのは職務放棄といえるでしょう。
Metaの未来はメタバースにあると言われていますよね。AIや自動化、その他の技術に関連する法律や規制も、次の5年で策定されていくでしょう。だから彼はその議論に加わる必要があるんです。リーダーとして、それは重要なことです。彼がジョー・ローガンのインタビューで語ったことで、私が一番重要だと思ったのは、政治やその議論の文化が転換点に来ているという話でした。トランプがそれを変えたんです。
クラシックなリベラルで、小文字の「C」の保守派(厳密な党派的保守主義ではなく、伝統や安定を重視するものの、過激ではなく柔軟性を持った保守派)である私にとっても、2016年以来の政治の変化を人類学的視点で観察するようになりました。トランプは党のプロフィールを劇的に変え、選挙戦術や課題の議論、そして市民の説得方法、公的な連携の構築方法を大きく変えました。ザッカーバーグはその点を社会的な人類学者のように興味深く見ていると思います。そして彼は学び、関与することに興味を持っています。
リーダーは、ただ道端でパレードを見て拍手を送るだけではいけません。その場にいなければならないんです。それが、私がジョー・ローガンのインタビューから得た主な教訓です。
メーガン・ケリー:少しその部分を聞いてみましょう。どうぞ。
マーク・ザッカーバーグ:これは、重要な声が誰なのかという点で、非常に大きな変化の時代です。我々がしていることは、人々に声を届けるプラットフォームを作ることです。しかし、世代全体で「誰の声を聞くべきか」が根本的に変わっていると感じます。これは非常に興味深い現象です。ここで起きているのは、政府や誰かが「大きな変化を望んでいる」と言うだけではなく、「私たちは本当に信頼できる人々、つまり真実を語る人たちの話を聞きたい」となる大規模な変化なのです。いわゆる「建前の意見」ではなく、自分がリビングで友人と一緒にいるときに「これは本当に真実だ」とわかるようなことを話す人々です。そういうことを言う勇気を持っている人々が必要なんです。私は、文化的エリート層を、実際に人々が信頼する人々で再構築する必要があると思います。
メーガン・ケリー:私、マーク・ザッカーバーグに個人的な恨みはないですが、これを聞くと少しイラっとしますよね。「おいおい」と。何十年も前からこう言ってきた人たちはこの国にたくさんいるんです。そして、あなたのプラットフォームがその声を抑圧してきたんですよ。特に保守派の意見をね。彼が今ここで「新鮮な風だ」と言っている人々は、間違いなくその抑圧の対象でした。「もっと早く彼らの声を聞けたらよかったのに」と言っていますが、どうして聞けなかったんでしょう? 理由ならありますよ、マーク。アナ、どう思います? ちなみに、MySpaceね。
ケヴィン・マッデン:うん、うん。でも、ここで私が言いたいのはこうです。「勝利を宣言するだけにしておけ」ってことです。批判するのではなく。
メーガン・ケリー:遅すぎますね。
ケヴィン・マッデン:いや、あなたが言う「品位を保て」という意味じゃなくて。「ねえ、君たちは観客を引き付け、公に自分の主張をして、それで勝ったんだから、それでいいじゃないか」と。つまり、こういうことです。これは、
メーガン・ケリー:まあ、わかりますよ。彼が「表現の自由」という列車に乗り込むのは歓迎します。でも、少しだけ、時間をください。わかりますよね。彼が間違っていたことを指摘する時間を。彼は100%間違っていました。それに、彼のしたことはアメリカ的ではありませんでした。バイデン政権と一緒になって言論を抑圧していた行為は、本当に非アメリカ的でした。そして私は、アナ、「私が間違っていた。本当に申し訳ない」というもっと誠実な謝罪を聞きたかったですね。問題の一部だったことを認める前に、もう少し謝罪の言葉があってもよかったと思います。
アナ・カスパリアン:ええ、正直言って、彼が言ったことには非常に疑わしい部分があります。というのも、現在の文化を形作るようなことを彼自身が推進してきたからです。彼のプラットフォームでは、政治スペクトラムの両極端にいる人々が奨励されていましたよね。彼は「人々は真実を求めている」と言っていますが、長い間彼のプラットフォームで特に目立っていたのは、極左や極右の人々でした。特に文化的な問題についてはそうです。合理的で、公平で、エビデンスに基づいたコメントをしようとする人々は、彼のプラットフォームでは長い間奨励されていませんでした。
そのため、現在、2つの政党間での対話が非常に困難になっている理由の一部だと思います。ここで言っているのは、権力を持つ人たちではなく、実際の有権者のことです。私がTYTでの活動を通じて目指しているのは、民主党の有権者たちに、反対側の有権者たちが一枚岩ではないことを理解してもらうことです。彼らはナチスではないし、あなたを襲ってきたり、監禁したり、銃を持って家に押し入ったり、あなたを殺そうとするわけではありません。これらの恐怖を煽る内容がこれまでプラットフォームで広められてきましたが、それは真実ではありません。そして、この国を救う唯一の方法は、対話の道を再び開き、お互いを人間として見ることです。政治的な意見の相違があったり、熱い議論をしたりすることは全く問題ありません。でもまずは、人々の中にある人間性を認めなければなりません。それが、この10年間で奨励されなくなってきたのです。