大統領選挙の開票を待っている間のタッカー・カールソンのインタビュー(デイヴィッド・O・サックス編)
大統領選挙当日、開票を待っている間に、タッカー・カールソンは以下の13名に対面(一対一)でインタビューを続けました。
全体で3時間を超えるロングインタビューとなりますので、順次、一人ひとりに区切ってインタビュー内容を紹介します。
インタビューを受ける人の中には日本で知られていない人もいるでしょうけど、タッカー・カールソンが呼んだだけあって、非常に示唆に富んだインタビューとなっています。
① マージョリー・テイラー・グリーン(Marjorie Taylor Greene):下院議員
https://note.com/yamada_kazuro/n/n85bb76a29099
② クリフ・シムズ(Cliff Sims):実業家
https://note.com/yamada_kazuro/n/n23bcfe3038fa
③ デイヴィッド・O・サックス(David Sacks):元Yammer最高経営責任者
④ ヴィヴェック・ラマスワミ(Vivek Ramaswamy):実業家
⑤ ドナルド・トランプ・ジュニア(Donald Trump Jr):実業家、ドナルド・トランプの息子
⑥ ナイジェル・ファラージ(Nigel Farage):グレートブリテン議会議員
⑦ ダナ・ホワイト(Dana White):UFC社長
⑧ マイク・リー(Mike Lee):上院議員
⑨ ロバート・ケネディ・ジュニア(RFK Jr):政治家、弁護士
⑩ ミランダ・ディヴァイン(Miranda Devine):著作家
⑪ アリーナ・ハバ(Alina Habba):弁護士
⑫ エリック・トランプ(Eric Trump):実業家、ドナルド・トランプの息子
⑬ イーロン・マスク(Elon Musk):テスラCEO
デイヴィッド・O・サックスへのインタビューの要約:
このインタビューでタッカー・カールソンとデイヴィッド・O・サックスは、ドナルド・トランプの2024年選挙活動や、トランプを支持するビジネス界の変化について議論しました。以前はトランプ支持者が限られていたテック業界からも、現在はイーロン・マスクなど著名人が加わり、支持が拡大しています。
サックスはバイデン政権に対する批判も述べました。特に法的手段や検閲による反対派の弾圧は、アメリカ的な価値観に反するとして、トランプ支持に回る人が増えていると指摘しました。また、現在の「官僚主義的」支配構造により、政治とメディア、ビッグテックが一体化し、民主主義が脅かされていると警鐘を鳴らしました。
タッカーは、もしトランプが次期大統領に再選されるなら、それはサックスのようなテック業界の勇気ある支持者のおかげでもあると称賛しました。
Tucker Carlson Election Night LIVE From Mar-a-Lago With Special Guests
デイヴィッド・O・サックスへのインタビュー(動画34:33~46:29)の全文和訳:
タッカー・カールソン:それで、今回の選挙戦、つまりトランプの3度目の大統領選挙に関して、これまでと違う大きな点の一つは、彼が一人で戦っているわけではないということです。彼の周りには大勢の支援者がいます。もちろん、ある意味では以前からそうでした。自分たちがリーダーに代表されていないと感じる多くの不満を抱えた有権者がドナルド・トランプの周りに集まっていました。ただ、正直に言えば、例えばビジネス界で成功した人々がトランプの周りにいたわけではあまりありませんでした。そういう人たちはほとんどが現体制に深く関わっているので、公に彼に賛同することはありませんでした。しかし、今それが大きく変わりました。その象徴的な存在がイーロン・マスクです。しかし、マスクに次ぐ、いや先に彼と連携した友人であるデイヴィッド・O・サックスもいます。サックスさん、今日は来てくれてありがとう。
デイヴィッド・O・サックス:タッカー、来れて光栄だよ。
タッカー・カールソン:さて、サックスさんは西海岸、サンフランシスコやサウスベイのテクノロジー業界で非常に有名な人物ですが、スタンフォードの頃から保守的な声をあげ続けていますよね。そして、あなたはおそらくその業界の中で、トランプに投票することを公言した最初の人物だったと思いますが、なぜそうしたのですか? 最初にそれをやろうと思った理由は? それに対する反応はどうでしたか?
デイヴィッド・O・サックス:そうですね、数年前に始めたことの一つに「オールイン・ポッドキャスト」というものがあります。COVIDの初期、2020年の初め頃にテクノロジー業界の友人たち、投資家仲間と始めた週一のポッドキャストです。そういった番組をやると、自分の考えを率直に話さなければならないので、そうしないと話すことがなくなってしまうんです。
タッカー・カールソン:正直、最初はその意義がよくわからなかったんですが、出演した後にすべての知り合いが見ていたことを知りました。本当に影響力があるんですね。成功した人たちにリーチしたいなら、「オールイン・ポッドキャスト」に出るべきなんだなと学びました。どうしてそんなに忙しいのにポッドキャストを始めたのですか?
デイヴィッド・O・サックス:ただ楽しみで始めたんです。大した計画もなく、COVIDの初期にみんな家にこもっていて、特にカリフォルニアでは行動が制限されていたので、何もできなかったんです。それで、友人たちとポッドキャストを始めました。自然に始まった感じです。何人かの友人とはポーカー仲間で、当初のアイデアはポーカーをしているところを撮影することでしたが、それは実現しなかったので、Zoomでの会話を録画して配信することにしました。そうしたら、それが急に注目されるようになったんです。
タッカー・カールソン:確かに、非常に特定の方法で話題になりました。あなたのリスナー層はトランプにはリーチされていない層で、トランプについて聞いたことはあっても、トランプを嫌うべきだと思わされていた人たちが多かったように感じます。
デイヴィッド・O・サックス:そうですね、トランプについて聞いたことはあっても、彼らは主にビジネスに集中していますから。基本的にはビジネス、マーケット、テクノロジー、そして政治についてのポッドキャストですが、実際にはその週の大きな問題について話すものです。
タッカー・カールソン:リスナーが尊敬する人物でトランプを支持した人は、あなたが初めてだったかもしれませんね。
デイヴィッド・O・サックス:そうですね、ある意味、私は多くの人にとって「入り口薬(ゲートウェイドラッグ)」だったと思います。
タッカー・カールソン:ちょっといいですか? 今、バージニア州の数字を見ているんですが、バージニアは基本的に民主党の州です。連邦政府のおかげでと北バージニアのおかげで。北バージニアは荒廃地帯みたいなもんですが、共和党の知事がいます。今のところ、トランプが41%で、ハリスとほぼ互角に並んでいるんです。わずか0.1%差です。これは驚きですね。
デイヴィッド・O・サックス:そうですね、バージニアはバイデンが10ポイント差で勝った州だったと思います。
タッカー・カールソン:実際に10ポイント差だったんですか?
デイヴィッド・O・サックス:たぶん10ポイント差だったと思います。それで、ヤングキン知事が当選した時のことを覚えてるんですが、彼が10ポイントの差を覆したのは大きな出来事でした。もしトランプがバージニアで互角に戦っているなら、それは素晴らしいことですね。
タッカー・カールソン:そうですね、41%です。
デイヴィッド・O・サックス:どうなるか分かりませんが。
タッカー・カールソン:その数字がどこから来たのか分かりませんが、バージニアは各地域が全く共通点を持っていない州の一つですよね。南バージニアと中央バージニア、北バージニアや南西部バージニアとも共通点がありません。見ればわかりますが、奇妙な形の州ですよね。それで、あなたはトランプ支持を表明して、多分トランプを嫌っていると思っている人たちに言いましたね。
デイヴィッド・O・サックス:ええ。
タッカー・カールソン:その反応はどうでしたか?
デイヴィッド・O・サックス:まあ、2016年や2020年の時ほど否定的ではなかったと思います。実際、公に支持を表明した先駆者のような人たちがいました。特にピーター・ティール(PayPalの元CEO)ですね。
タッカー・カールソン:そうですね、彼は2016年の共和党全国大会で演説しましたよね。
デイヴィッド・O・サックス:ええ、それは大きな出来事でした。そして彼はそのことで多くの批判を浴びました。私が支持を表明した時も、今期では最初の方だったかもしれませんが、多くの人が続きました。ある時、トランプを支持したテック業界の重要人物をリストにしてツイートしましたが、20〜25人くらいいました。多くの人が賛同してくれたんです。そしてもちろん、イーロンが賛同したことも非常に大きな出来事でした。彼は全面的に支持していますね。なぜこれほど多くの人が賛同するようになったかというと、ここ4年間が本当に酷かったからです。あまりにひどい状況でした。バイデンと民主党は「通常の状態に戻す」と約束して政権につきましたが、実際に起こったのはなんでしょうか? 国境を開放しました。全く容認できません。言い訳の余地もないです。何兆ドルもの無謀な支出を行ない、さらに多くの支出を求めていました。「ビルド・バック・ベター」法案(バイデン政権が提案した大規模な経済復興・社会政策法案で、2021年にアメリカ議会で議論された)は当初、6兆ドル規模でしたが、4.5兆ドルに縮小され、最終的には7500億ドルに収まりましたが、その他のインフレ抑制法などでさらに数兆ドルの支出がありました。それが大きなインフレを招いたんです。また、法的措置や検閲は、私たちの業界でも多くの人々を疎外したと思います。これは政治的な対立相手を訴追することが根本的にアメリカらしくないことだからです。これは私が「全力で支持しよう」と決意した理由でもあります。確かに私は元々保守派で、トランプであれ、他の共和党候補であれ支持したでしょうが、トランプが訴追され、刑務所に入れられようとしているのを見ると、もっと積極的に支援したいと思いました。彼らはトランプを破産させようとし、彼の子どもたちにまで手を出そうとしています。
タッカー・カールソン:すみません、途中で話を切りますが、私が思うのは、彼らは何も考えずに誰に対してもこうしたことをしているということです。
デイヴィッド・O・サックス:本当にひどいことですよ。そして、彼らはただトランプに対してだけでなく、次々と他の人たちにもやっています。イーロンに対しても同じようなことをしています。今、彼の会社に対する訴追や政府のさまざまな調査が行なわれているのは、彼がX(旧Twitter)を言論の自由のプラットフォームに戻したからです。これは明らかに政治的な報復です。もし彼らがこれで勝利してしまったら、このやり方がさらに続いてしまいます。彼らがやめるのは負けたときだけです。その時初めて、こうした戦略が人々を疎外しているかどうかを考えるでしょう。でも、うまくいってしまったら、彼らは「これはうまくいく」と思って続けるでしょう。彼らにはスポーツマンシップやフェアプレイといった感覚がありません。
タッカー・カールソン:勝ち始めると、さらに凶暴になるんですよね。私もそれを感じています。では最後の質問です。あなたはテック業界にいるのでよく考えていると思いますが、ソーシャルメディアはどうですか? もしトランプが勝つとしたら、それはソーシャルメディアや新しいメディアのおかげでしょう。これは間違いありません。ジョー・ローガン(人気ポッドキャスト司会者)の支持を得ることは、イーロン以外では最も重要な支持だと思います。そして、特にXがオープンなままであることが許されれば。
デイヴィッド・O・サックス:ええ、それは彼らのメディア支配における大きな抜け穴です。それが非常に大きな抜け穴であるため、その巨大な支配構造自体が脅かされています。この8年間で最も興味深かったことの一つは、トランプが最初に勝ったのは問題提起によるものでした。いわば古いパット・ブキャナンの問題提起(アメリカの政治家・評論家であるパット・ブキャナンが長年提起してきた、保守的かつアメリカ中心の政策課題を指している)のようなものでした。国境の問題、貿易の問題、そして終わりなき戦争。それらの問題を武器にして、トランプはブッシュ家とクリントン家の支配を打ち破りました。もしワシントンがそのメッセージを受け取って、政策の見直しが必要だと判断していれば、国全体が違ったものになっていたでしょう。しかし、彼らはそうはしなかったんです。「何があってもこれを止めなくては」と考えました。トランプが本当にやりたかったことは何でしょうか? ただ壁を建設して、負けている戦争から軍隊を引き揚げたかっただけです。それが彼らには全く受け入れられませんでした。そして彼らは法的手段や、ロシア疑惑、パンデミックの虚報といった手段で対抗しました。これは民主党だけでなく、民主党、伝統的なメディア、そして官僚や安全保障機関が協力して行なったものです。
こうして、トランプへの反発が単なる一候補者へのもの以上であることが明らかになりました。あなたが話したことのある「英雄の旅」に例えると、第1幕が彼の大統領当選、第2幕が「帝国の逆襲」だったわけです。この構造が示しているのは、政府は単なるトランプ対ヒラリー・クリントンやジョー・バイデン、カマラ・ハリスの対立ではないということです。彼らは政府、恒久的な政府機構、官僚機構、伝統的なメディア、民主党、さらには検閲に従事するビッグテックや常に支持表明をするハリウッドの著名人といった大きな超構造の一部であるに過ぎません。私たちは政府の本質について、新たな理解を得たと思います。だからこそ、今回の選挙が重要なのです。トランプ対カマラ・ハリスの戦いではなく、私たちがどのように支配されるかについての戦いだからです。
民主的だと装っているが、実際には協力しあって統治している腐敗した組織によって支配されるのかということです。これは本当の民主主義に対する敵です。民主主義と称してはいますが、実際にはその敵です。イーロンが今日面白いミームをツイートしていました。そこではレガシーメディアが「民主主義への脅威」と話しているクリップにAIを使って「民主主義」を「官僚主義」と置き換えていました。それがとても的確でした。
タッカー・カールソン:彼らは単語の意味を再定義しているんですね。カマラ・ハリスが「喜び」を表していると主張するなら、彼女がマスクをしたまま夫にキスする姿を見れば、民主党が「民主主義」を象徴していると言うのも頷けますね。デイヴィッド・O・サックス、もしトランプが勝つなら、それはあなたの勇気も一因だと思います。ありがとうございました。
デイヴィッド・O・サックス:ありがとう。
タッカー・カールソン:彼がそうしてくれることを願っています。私もまだここにいますから。
デイヴィッド・O・サックス:一緒に祝えるといいですね。本当にありがとう、タッカー。
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