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2023年振り返り。還暦=生まれ変わりの年。

こんにちは。「竹の、箸だけ。」に、こだわり続けてきた、熊本のお箸メーカー「ヤマチク」です。純国産の天然竹を人の手で一本一本切り出し、削り、「竹の箸」を作り続けてきました。

早いもので、12月も後半。みなさんにとって2023年はどんな年でしたか?ヤマチクにとって、2023年はまさに激動の1年でした。「竹の箸だけ」をつくりつづけて60年、還暦を迎えた年でもあり、”生まれ変わり”の年でもありました。

ヤマチクはどのように生まれ変わり、今後どのような未来を描いていくのか?ヤマチク3代目の山崎彰悟に聞きました。

自分たちが、自分たちを伝える拠点『拝啓』

変化として一番大きかったのは、2023年11月11日オープンした、贈り物に特化したセレクトショップ『拝啓』の存在です。店内には「竹のお箸で食べるカフェ」も併設しており、「お箸でたべるスイーツ」といった新しい体験を提供しています。

オープン前には、メディアやインフルエンサーをご招待した内覧会を開催し、大盛況でした。オープン後も取材がたくさん入り、これまでPR上の課題になっていた地元のTV番組については、ほぼ全ての局に取り上げていただけました。

メディア向け内覧会の様子

山崎は、オープンに向けた打ち合わせなどでギッシリ埋まった2023年の手帳を振り返りながら話しました。「施工、採用、補助金の申請...本当に大変でした。『拝啓』の意義は、自分たちで伝える拠点を持つこと。これまで私たちのお客様は、都市部や県外の小売店や飲食店が基本でした。肝心の地元で伝える場所がなかったんです。」

いくら自分たちがいいと思っていても仕入れてもらえないと売れなかったお箸。バイヤーのお眼鏡にかなわず、仕入れてもらえなかった悔しい思いもたくさん経験してきました。「拠点を持つことによって、その市場というタガが外れます。やっと自分たちが本当に作りたいものを届けられるようになりました。

お箸を含むものづくりの大半の商品は、基本機能だけであれば100均で事足ります。お箸にいたっては、割り箸でもいいのです。

 「それでも続けているのは、自分たちがいいと思ってるし、好きでやってるから。 好きでやっていることを続けるためには、自分たちが魅力を伝える努力を怠ってはいけません。わがままで続けさせてもらうために、今何をすべきかを考えた結果、よりお客様に近い場所で、商品や生産背景を伝える拠点を持つことが一番大事かなと思いました。

自分たちが好きでやっていることを続けるため...本当の意味での”持続可能なものづくり”をするためには、働くスタッフの待遇を上げたり、竹の買取価格を上げないといけません。2022年8月には、それを実現するためのKPIも設定しました。

直販比率を上げて、会社としての利益率を上げる。『拝啓』はKPI達成にむけた、手段のひとつでもあり、大きなステップなのです。

最も”南関町の人”を思い浮かべた年

『拝啓』をつくる過程では、今まで以上に”南関町”という地域を強く意識したと山崎は話します。「これまで雇用を生み出すという視点ではありました。それに加えて、この拠点が南関町のなかでどういう存在になるのかは、この1年で一番意識しました。」『拝啓』にカフェを併設したのも、お箸の使い心地を体感していただくためでもありますが、「地元の人がふらっと気軽に立ち寄れるように」という意図もあります。

実際に、地元の人が来店して嬉しい反応もたくさんありました。「毎日ここを通るおばちゃんがいて、こんな風におしゃれな場所ができて、南関町が変わっていっているようで元気が出るって言ってくださって。とても嬉しかったです。」

商品を見る視点も変わりました。「これまでは、ものづくり目線でいいプロダクトだな、個人的に欲しいな、でしか見ていませんでした。この1年は、仕入れのためにバイヤーとして相当たくさんモノを見てきました。そのときに、南関町の人を思い浮かべます。これって地元の人が喜ぶかな、作り手さんは何を知ってほしいのかなとか。」

そんなふうに悩みながら選んだ推しの商品が並んでいますので、お近くの方は是非遊びに来ていただけると嬉しいです。

スタッフの成長

生まれ変わったのは、『拝啓』というハード面だけではありません。ヤマチクのスタッフもこの1年で大きく進化を遂げました。「還暦祭など、イベントはほとんどスタッフに任せっきりでした。ワークショップやファクトリーツアーの内容も僕は当日まで知りませんでした。自分たちでアイディアを出し合ったり、自走している感じがしました。

また、『拝啓』をきっかけにスタッフの視野やモチベーションもあがっている様子。「20代前半の若いスタッフが、最近ではクリスマスのオリジナルパッケージを自分で考えて商品選定したりしてるんです。そのなかで、「この商品のコンセプトがいい」なんて一人前に語ったりしていて。ここでいろんな地域や企業の人たちと話す機会が増えて、意識するようになったそうです。

社内でも、「このブランドさんに会いにいきたい」という声もよく耳にするようになりました。生産背景やストーリーを伝える『拝啓』があるからこそ、生まれた視点です。

2024年の展望

これまで、『拝啓』を起点によかった点をたくさん述べてきましたが、課題も山積みです。オープン1ヶ月の様子について、課題も含めて山崎の個人noteアカウントにて赤裸々に(!)語ってますので、もし気になる方は覗いてみてください。

『拝啓』オープンを迎えた今、ヤマチクはこれからどんなことを仕掛けていくのでしょうか?

現在、本社工場にインキュベーションラボを作っています。本社工場で働くスタッフの人たちの休憩スペース兼打ち合わせやデザインコンペ、カンファレンスなどのイベントができる場所になる予定です。まだまだ構想中ではあるものの、社外の人も自然と集まり、新しいビジネスやアイディアが孵化(=インキュベーション)する空間にしたいと考えています

2024年1月完成予定のインキュベーションラボ

ここで起業家を増やしたいんです極端なことを言うと、南関町出身で東証の鐘を鳴らす人が生まれたらいいなと。新しいことをやろうとしてる人たちは、僕がかつてそうだったように、町に馴染めてないんですよ。それを愚痴ではなく、ポジティブなエネルギーに昇華するには仲間が必要です。ここでは、励まし合える拠点にしたいと思っています。」

ヤマチクの挑戦は来年以降もまだまだ続きます。

ここまでお読みいただきありがとうございました!
最後に、クラウドファンディングについてお知らせです。
残すところ僅かとなりますが、12月25日まで、ReadyforにてNEXT GOALに挑戦中です!こちらもご支援いただけますと幸いです。

今年も大変お世話になりました。2024年もヤマチクをよろしくお願いいたします。
良いお年をお迎えください。

語り手/山崎彰悟 聞き手・書き手/藤田郁


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「拝啓」のInstagramアカウントもオープンに伴い開設しました。

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