お薬の話〜コロワク推進派の提示する論文につっこむ
こんにちは、やま茶です。
今回は、とある薬剤師アカウントがワクを推進する根拠としていた論文に切り込みたいと思います(本当はリアルタイムで反論を書きたかったですが、体調が悪くてできなかった(T ^ T))。
まずは、こちら。
「推進派はワクを打った方がコロナ後遺症になりにくい」と言う主張の中でこちらの論文を紹介していました。
Azzolini E et al. Association Between BNT162b2 Vaccination and Long COVID After Infections Not Requiring Hospitalization in Health Care Workers.JAMA. 2022 Aug 16; 328(7): 676–678.
イタリアで、コロナ後遺症のリスクを医療関係のワク打った人とそうでない人で検証したもの。入院を要しなかったコロナ感染者で週1でPCR検査をした人を調査対象としたそう。後ろ向きの観察研究です。
この論文ではコロナ後遺症を1ヶ月以上症状の持続と定義しています。
ワクを打った側で打ってない人と比較してコロナ後遺症のリスクが低かったそうです。しかし、著書も研究の限界として、後遺症の症状や期間は自己申告だったと言及しています。
まあ、あれですよね。ワク打ったから症状が軽かったかも、というバイアスがめちゃくちゃ入ってそうです^^;
次はこちら。確か、「ブースター接種はオミクロン株にも効果がある」とこちらの論文を根拠に言っていました。
Abu-Raddad LJ et al. Effect of mRNA Vaccine Boosters against SARS-CoV-2 Omicron Infection in Qatar. N Engl J Med. 2022 Mar 9 : NEJMoa2200797.
あの有名なイングランドジャーナルに掲載!インパクトファクター158!!
では見てみましょう!
カタールで行われた、オミクロン株にブースター接種が効果あるかどうかを検証した論文です。
これ、まさかの後ろ向き研究です^^;
ブースターを打った群で1.0%、そうでない群(2回接種)で1.9%がオミクロン感染。47.3%の有効率、だそうです。。しかも35日間しか調査していません。。
結論はデルタ株にはかなり有効だけれどオミクロンでは劣ると。しかし、入院やコロナ死は防げる、と主張しています。
これって、純粋にオミクロン株自体が入院やコロナ死の確率が低いような気がします。Discussionにも書いてあるじゃないですか。オミクロン自体が重症化率低いと。。そして、2回接種してる効果が持続している可能性もあると書いてあります。どちらにしろ、後ろ向き研究じゃ、効果がある、とは言えません。効果があるかもしれない、可能性の話に留まります。
ワク推進するには根拠が弱すぎるし、よく有名雑誌に載ったな〜と。大きい力が働いているんですよね。質の低い後ろ向き研究が載る時点でそうですね。
次はこちら。4回接種の効果を主張する根拠として提示していた論文です。
Cohen MJ et al. Association of Receiving a Fourth Dose of the BNT162b Vaccine With SARS-CoV-2 Infection Among Health Care Workers in Israel.JAMA Netw Open. 2022 Aug 1;5(8):e2224657.
イスラエルからの報告ですが、医療従事者に対して4回接種の有効性評価、だそうです。時期的にオミクロン株が流行っている時期ですね。
4回接種の方が3回接種よりコロナ感染は低かったようですが、これは、コロナ感染により医療関係者が出勤停止することで医療者不足が起こったことから接種推奨したようです。論文でも、両群で(3回接種と4回接種)重症者も死者もいなかったそう。つまり、感染率を下げるためにかなりのリスクを取っています^^;
以上が推進派が根拠として提示していた論文なんですが、有効性を裏付けるには研究の質が低いし、安全性の調査は全くされていない研究ばかりでした。
フォロワーも多いし、一応免許を持っているので、英語も臨床研究の見方もわからない一般人は信じるしかなかったかもしれません。。
ため息しか出ません。。
通常、薬って、安全性と有効性のバランスで投与するかどうか決めませんか?
しかも、従来の作用機序であれば、大体安全性の予測が立ちますけど、全く新しい機序となると、慎重になるべきです。
そんな状況で、有効性だけしかみないってちょっと薬剤師として、、どうなの?と言いたくなります。
薬害を防ぐのが薬剤師の役割だと私は思っていますけど、一般の方は薬剤師に何を求めますか? ぜひ、教えていただきたいです。
そもそも1999年にアデノシンデアミナーゼ欠損症で投与した症例に、30ヶ月後に白血病を副作用として発症した例が出て実験研究が頓挫した技術1)でもありますから、大勢の健康な人を巻き込んで良かったのか、リスクの大きい決断だったと思います。
結局、効果も大してないし、ウイルス自体も最初の頃のみやや危険ではあったけど、感染した人全員が重症になるわけでもなかった。ほとんどは自然免疫でなんとかなった。医療崩壊の恐怖を煽ったのは医療体制を指定2類にした影響もありますよね? 個人的には何もしないのが一番だったのではないかと思います。
コロナ禍の裏で何が起きていたのか具体的に知りたい方は、ジョンFケネディの甥が書いたこちらの本2)を読まれることをお勧めします。
この本に反論できる人はいないと思います。
参考文献
1) 峰 宗太郎. 「新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実」日経BP. 2021.
2) ロバート・F・ケネディ・ジュニアら. The Real Anthony Fauci 人類を裏切った男(上)巨大製薬会社の共謀と医療の終焉. 経営科学出版.2023.
本記事作成時間は約1時間半要しております(記録用)。
※本記事は、法律上の著作物であり、著作権法によって保護されています。
本著作物を無断で使用すること(複写、複製、販売など)は法律上禁じられていますが、無料で拡散することは大丈夫です。
他記事の紹介
2019.10.12 幸せについて〜科学的な観点から
2019.10.14 お薬のお話〜ベルソムラ®︎(スボレキサント)の高齢者への20mg/日投与の意義とは?〜
2019.10.22 精神疾患を持つ患者さんに運動療法を処方したい理由
2019.11.10 お薬のお話〜ザバクサ ®️の臨床的位置付け〜抗菌薬適正使用の観点から
2019.11.30 心の知能指数を鍛えよう〜ストレスケアとしての”許し”のステップ
2021.1.4 お薬のお話〜亜鉛補充で気をつけるべき点とは?
2023.6.16 お薬のお話〜風邪に抗生剤は効かない
2023.9.10 お薬のお話〜イベルメクチンは新型コロナウイルスに効くのか?
2024.2.16 お薬のお話〜デエビゴ®︎錠2.5mgの0.5Tの処方を見たことがありますか?
2024.2.22 お薬のお話〜血管収縮薬との付き合い方(アレルギー性鼻炎・鼻づまり)
サポート頂くと執筆時間が増えます。インプットしたものをこちらでたくさんアウトプットできるよう精進します。