やま茶

大学病院・中小病院・薬局勤務経験あり。現場で様々な薬の副作用を見てきたため考え方が自然と脱薬思考へ。薬ではない補助療法を模索中。他にはない情報を届けたい。

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大学病院・中小病院・薬局勤務経験あり。現場で様々な薬の副作用を見てきたため考え方が自然と脱薬思考へ。薬ではない補助療法を模索中。他にはない情報を届けたい。

最近の記事

サプリメントのお話〜風邪(コロナも検証)に亜鉛は効果あるのか?

こんにちは! やま茶です。 今回は、風邪と亜鉛、コロナウイルス感染症と亜鉛について書いていきます。 風邪に効く薬ってあるのでしょうか? 風邪ひいたら、抗生剤や咳止め、解熱剤が処方されると思いますが、抗生剤はウイルスには効果ないし、咳止めや解熱剤は辛い症状を緩和するための薬ですね。 基本的には風邪は自分の免疫で治っているわけです。 亜鉛と免疫の関係 亜鉛は、重要な免疫を担うT細胞の選択・成熟、NK細胞の作用に関わる胸腺ホルモンの構成要素の1つであり、IFN-γ、IL

    • 体内時計と睡眠のお話〜睡眠リズムはどうやって作られるのか?

      こんばんわ! 睡眠のお話が続きます。 今回は、体内時計と睡眠の関係を通して、睡眠リズムを作るメカニズムとその方法を論文情報を元に書いていきます。 ちょっと前にラメルテオンで気絶するほど症状が出てしまった方のお話をしました。ラメルテオンを服用するということは結局体内時計が乱れているのですよね。その流れで今日のブログを書いてみようと思いました。 人工ライトに溢れている現代社会だからこそ不眠に悩んでいる人は多いのです。 体内時計という単語を出しましたが、この言葉を聞いて皆

      • お薬のお話〜ラメルテオン・スボレキサント・レンボレキサント追加で他の眠剤を減らせるのか?

        こんばんわ! 今回は、減薬を試みる薬剤師には興味深い論文を見つけたので紹介します。 A retrospective clinical practice study comparing the usefulness of dual-orexin receptor antagonists and a melatonin receptor agonist in patients switching from long-term benzodiazepine receptor a

        • お薬のお話〜ラメルテオン(ロゼレム®︎)服用で翌日の夕方まで気絶するほど持ち越すのは起こりうるのか?

          こんばんわ! 今回はラメルテオンについて書いていきますね。 臨床では昼夜逆転などの不眠に対して使用されますが、結構傾眠や集中力?注意力?の低下などの副作用が思ったほど多いのですよね。 中には、気絶するように翌日の夕方まで起き上がれなかったという声も聞いたことあるくらいです。 どういうこと?ですよ、ほんと。 というわけで、気絶するほどの持ち越しが起こりうるのか調査しました。 ラメルテオンの作用機序 まずは、ラメルテオンの作用機序から。 体内に存在するメラトニンに構造を

        • サプリメントのお話〜風邪(コロナも検証)に亜鉛は効果あるのか?

        • 体内時計と睡眠のお話〜睡眠リズムはどうやって作られるのか?

        • お薬のお話〜ラメルテオン・スボレキサント・レンボレキサント追加で他の眠剤を減らせるのか?

        • お薬のお話〜ラメルテオン(ロゼレム®︎)服用で翌日の夕方まで気絶するほど持ち越すのは起こりうるのか?

          お薬のお話〜コロナワクチン接種と免疫介在性併存症の発症との関連について

          こんばんわ。 コロナワクチンは安全なのかシリーズ、第2弾。 本日はこちらの論文。 The association between BNT162b2 vaccinations and incidence of immune-mediated comorbidities. コロナワクチン接種と免疫介在性併存症の発生との関連について、ですね。 immune-mediated comorbiditiesを直訳すると免疫介在性併存症になるのですが、自己免疫疾患と意訳しても良いと

          お薬のお話〜コロナワクチン接種と免疫介在性併存症の発症との関連について

          お薬のお話〜コロナワクチン接種後に精神病を新規発症

          こんにちは!  気まぐれにコロナワクチンは安全なのか?シリーズをやっていきます! やま茶の独断と偏見に基づいて選ばれた論文を紹介します!! New-onset psychosis following COVID-19 vaccination: a systematic review. COVID-19ワクチン接種後の新規精神病発症のシステマティックレビューですね。 この論文は症例報告を集めたものなので、コロナワクチン誘発性の精神病がどのくらいの頻度で起きるのかは不明

          お薬のお話〜コロナワクチン接種後に精神病を新規発症

          お薬のお話〜コロナワクチンはどれくらい効果あるのか?

          こんばんわ。やま茶です。 今更感はありますが、このブログでは触れていなかった論文を読み解いていこうと思います。 それは、コロナワクチン推進派が推進の根拠にしている論文です。 Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine. mRNAコロナワクチンの安全性と効果、そうあの最初に承認されるに至った根拠となる論文1)ですね。 対象者は2020年の7/27〜11/14の期間で152ヶ所(主にアメリカ、アルゼン

          お薬のお話〜コロナワクチンはどれくらい効果あるのか?

          栄養のお話〜下咽頭がんと診断されたら?玄米を食べよう♪

          こんにちわ! 下咽頭がんと診断されたら?パート2です。 がんの発見が遅れると気管切開して経鼻栄養だったり、胃ろうになったりしますよね。首から下の消化管は健康なのに、口から直接食事を摂るのは難しい。でもがんと闘うにはしっかり栄養は摂っていないといけません。 ということで調べてみました♪ 栄養状態は、QOL(生活の質)や生存、治療結果に影響します。その要因を比較するため、頭頸部がんの方を、3年間前向きに無作為に調査した結果を紹介します1)。 726人の治療可能なHNC患

          栄養のお話〜下咽頭がんと診断されたら?玄米を食べよう♪

          お薬のお話〜下咽頭がんと診断されたら?抗がん剤はどこまで効果があるのか?ハイパーサーミア(温熱療法)の可能性について

          こんにちは! 今回は少し私事でもありますが、がん関連の記事を書いてみます。 下咽頭がん(以下、頭頸部扁平上皮癌に関してはHNSCCと記述する)は一般的にタバコやアルコールの過度な常用によるものが原因と言われている。またはヒトパピローマウイルス(HPV)による感染によるものが原因であることもある。 声が枯れたりすることで早い段階で気づくこともあるが、気付かれなかった場合、呼吸しづらくなり、最終的には物理的に気道が狭くなるため気管切開で早急に対処することもある。 下咽頭が

          お薬のお話〜下咽頭がんと診断されたら?抗がん剤はどこまで効果があるのか?ハイパーサーミア(温熱療法)の可能性について

          論文紹介〜コロナパンデミック禍のワクチン接種でがん死亡は増えたのか?

          こんばんわ。 なかなか読めていなかった京都大学の福島先生チームの論文をやっと読み終わりました。 タイトルは、 Increased Age-Adjusted Cancer Mortality After the Third mRNA-Lipid Nanoparticle Vaccine Dose During the COVID-19 Pandemic in Japan 日本におけるコロナ禍の3回目mRNA-LNPワクチン接種後に増加した年齢調整がん死亡 ですね。 今回

          論文紹介〜コロナパンデミック禍のワクチン接種でがん死亡は増えたのか?

          お薬のお話〜ワクチン接種で超過死亡は減ったのか?

          こんばんわ! ワクチンを推進する方から論文を紹介頂いたので、読み解いてみたいと思います。 世界各国で行われた「ワクチン接種者」と「ワクチン非接種者」で患者背景等を揃えた上で、新型コロナによる重症化や死亡、あるいは全死因死亡率を比較した研究」等では、いずれも重症化や死亡リスクは【ワクチン接種者の方が低い】ことが 示されている、というのです。 こちらの論文です。Vaccines (Basel).2023 Jul 28;11(8):1294. Assessing the In

          お薬のお話〜ワクチン接種で超過死亡は減ったのか?

          お薬の話〜コロワク推進派の提示する論文につっこむ

          こんにちは、やま茶です。 今回は、とある薬剤師アカウントがワクを推進する根拠としていた論文に切り込みたいと思います(本当はリアルタイムで反論を書きたかったですが、体調が悪くてできなかった(T ^ T))。 まずは、こちら。 「推進派はワクを打った方がコロナ後遺症になりにくい」と言う主張の中でこちらの論文を紹介していました。 Azzolini E et al. Association Between BNT162b2 Vaccination and Long COVID A

          お薬の話〜コロワク推進派の提示する論文につっこむ

          お薬のお話〜血管収縮薬との付き合い方(アレルギー性鼻炎・鼻づまり)

          こんにちは、やま茶です。 今回はアレルギー性鼻炎に使用する血管収縮薬について考えてみましょう。 というのも耳鼻科の門前は3回目なのですが、これまでの経験を凌駕する耳鼻科の処方に出会いました。 風邪+アレルギー性鼻炎に薬が合計10種類の処方でした。 簡単に内訳は、咳止め・去痰剤・解熱剤・鼻づまり漢方2種・鼻づまり点鼻2種・喉うがい薬・ステロイド内服・抗生剤でした… どこから手をつけて良いのやら… これをきっかけに今回の記事を書いてみようと思ったのです。 ”健康な成人の風

          お薬のお話〜血管収縮薬との付き合い方(アレルギー性鼻炎・鼻づまり)

          お薬のお話〜デエビゴ®︎錠2.5mgの0.5Tの処方を見たことがありますか?

          こんにちは、お久しぶりです、やま茶です。 今回は質問形式でブログのタイトルをつけてみました。 私自身の回答としては「ありません」です。 ぜひ、見たことがある方いらっしゃったら教えて頂きたい。 じゃあなぜこういったタイトルになったのか? それは、処方されることがあるかもと思ったからであります。 以下、解説していきましょう。 デエビゴ®︎ってどんどん処方されるようになりましたね〜 ベルソムラ®︎の相互作用でクラリスロマイシン禁忌なので一気にデエビゴ®︎発売と切り替わるよ

          お薬のお話〜デエビゴ®︎錠2.5mgの0.5Tの処方を見たことがありますか?

          お薬のお話〜イベルメクチンは新型コロナウイルスに効くのか?

          こんにちはやま茶です。 イベルメクチンの個人輸入・個人使用、ネットでちらほら聞きます。 実際そこのところどうなの?という疑問を解消するため、調査し私なりの見解を述べたいと思います。 ここでは、効くのか効かないのか白黒の結論を出そうとは思っていません。 なるべく地に足のついたデータの見方を提示し、リスクとベネフィットを天秤にかけ、白黒ではなくグレーなモワッとした個人的見解を提示していきたいと思います。 誤解のないようにするために、できるだけ最後まで読んでくださいね(^^)

          お薬のお話〜イベルメクチンは新型コロナウイルスに効くのか?

          お薬のお話〜風邪に抗生剤は効かない

          こんにちは、やま茶です。 しばらくお休みしていましたが、少しずつ復帰していこうと思います。 今回はずっと書きたかった記事です。 私が抗生剤について詳しくなった経緯 抗生剤と耐性菌を取り巻く環境 風邪に抗生剤は効かないどころか副作用のデメリットしかないよ(論文紹介) それでも抗生剤は悪ではない 参考文献 上の順番で書いていきます。 知ってるよ!と言う方は論文だけでも見てやって下さい。 また、こちらの記事では、”抗生剤”と”抗菌薬”、両方使用しますが、同じものです。

          お薬のお話〜風邪に抗生剤は効かない