論文紹介〜コロナパンデミック禍のワクチン接種でがん死亡は増えたのか?
こんばんわ。
なかなか読めていなかった京都大学の福島先生チームの論文をやっと読み終わりました。
日本におけるコロナ禍の3回目mRNA-LNPワクチン接種後に増加した年齢調整がん死亡
ですね。
今回の論文では、2020年〜2022年の3年間のデータを取っています
得られた結果や考察のまとめ
・2020年は75〜79歳でのみがんの超過死亡あり→自粛などで治療が遅れた可能性
・2021年、2022年は75〜79歳、2022年で80~84歳でそれぞれがん死亡増加→70歳以上の9割以上は3回のワクチン接種を終えている
・死亡が増えたがん種は、卵巣がん、白血病、前立腺がん、口唇/口腔/咽頭がん、膵臓がん→いずれもスパイク蛋白ががん化に及ぼす影響を分子レベルで説明できる
・コロナに罹患した人(10〜20日)より、ワクチン接種によるものの方(接種後3〜6ヶ月後も残る)がスパイク蛋白が血中に残ることからコロナ罹患よりはワクチンの影響が有力
・スパイク蛋白はがんによる血栓が作られやすい環境下でさらに血栓を増やし、結果、がん死亡を増やしたかもしれないという考察もあり
・乳がんは2020年と2021年で有意に死亡率減少、統計的な有意差はないが2022年から増加傾向
・他のがん種は統計学的な差はなし
乳がんの死亡減少が興味深いんですよね。
2021年までワクチン接種開始前から減少。治療が遅れると増えそうな感じがしますが。3回目接種後からは増加に転じていますが、2022年の乳がんの死亡増加は統計上では有意差は出ていません。
全体としては、がん関連分子とスパイク蛋白との分子レベルでの相互作用が今回増加した各種がんで一致しているところが驚きでした。
とはいえ、コロナによる自粛で早期発見が遅れた結果、遅れてがん死亡が増えた可能性もあります。その場合も、なぜこの特定のがんで死亡増加が起こりうるのか考察も必要ですよね。
私は医師ではないので、早期発見が遅れやすいがんや遅れた結果、予後に影響するがんなどはあまり詳しくありません。
今回のデータでは、若い人では有意な死亡の増加は確認できなかったので、反ワク界隈で言われているワクチンによるターボがんを裏付けるようなものはありません。
がんの診断の増減も解析して検証して頂きたいところですね。
2021年から増加している超過死亡に関してはがんに限らず、特に、心臓疾患や脳卒中に関しても解析がなされるのを期待しています。
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