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推し、燃ゆ

※このnoteはネタバレを含みます





あらすじ

発達障害(本の中では病名までは明記されていませんがおそらくそうであろうという推測)の女子高校生目線で、アイドルの推し活動を通じて、「推し」「自分」「世界」との向き合い方がえがかれています。

感想

まず思ったことは「うらやましい」という感想です。
何に対してうらやましいかというと、主人公の「推し」の全てを理解したいという思いから何かに熱中できることです。私には主人公のように誰か特定の個人を好きになり、理解したい、解釈したい、全てを知りたいという興味が沸いたことなく、これから先も誰かを好きになるということのイメージが出来ないのでうらやましいと思いました。
またアイドルが炎上したとき、自分の信念を貫き、意見を曲げなかったこともすごく憧れがありました。
アイドル等々人前に立つ人ってどうしても何かを手にするために自分を犠牲にしなければならない時が来ると思っていて、この作品中だと自分の人生とファン、愛する人を天秤にかけて何かを手に入れるためには何かを犠牲にしなければならず、自分の人生のためにファンを犠牲にし、結果としてアイドルから一般人になりました。
解散会見、解散ライブの時に左手薬指に指輪をはめて、隠すことなく、真正面から立ち向かう姿に惚れました(笑)。
最近だと嵐が解散して、その背景にはリーダーの大野さんが入籍予定だったことがささやかれていました。
僕は嵐ファンというほど詳しくないですけど、嵐とファンはどういう気持ちだったんだろうなあとか考えながら読み進めていました。

一人の人を愛する力は主人公にも「推し」にも共通しており、一人の人を愛するという経験をしたことのない私には何がそう気持ちを動かすのか改めて考えされられました。

また私自身、病院で診断もらったわけではないですが、発達障害みたいなところもあって、バイトで一度に色んなこと言われたら何していいか分からなくなるところ、部屋がめちゃくちゃ散らかっていること、忘れ物をしないためにメモをとったそのメモを忘れること、等々似たような経験があって、こういう生き方をしているのは自分だけじゃないんだなと少し心が楽になりました。

またこの作品中には「重さ」という表現がところどころに出てきてきて、自分の中の重さは社会や家族からの重圧(プレッシャー)なのかなとか思いました。周りがそうしている訳ではないのですが、自己肯定感が低くて自分に対して自信がなくて、結果として1人で勝手にプレッシャー感じてるだけなんですけど、これがなかなか周りの人に相談しづらいんですよね。
私も1年に1回くらいメンタル崩壊して何も出来なるなる時期が到来して、その度になんで生きてるんだろうとか、なんで働いてるんだろうとか、なんのために生まれてきたんだろうとか、なんで人は死ぬんだろうとか、答えがあってないようなことを考え出してしまう時期がくるので、そういった意味では主人公の「推し」ではないですけど、熱中できる何かを見つけ出したいですね。
案外こういうのって過去の自分が隠してたり、記憶から消してしまっていたりすることが多いので、過去を見つめて、今を見つめて、未来を見つめて、今日をひたすら生きていきます。

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