EV車が主流になる時代に起きること。日本の立ち位置とエンターテックスタートアップ。
日本におけるEV車の普及も、一つの節目を超えた感じですね。
テクノロジーの進化が牽引して、社会が便利になっていくという、しばしばイノベーションで語られる変化の中に、ガソリン自動車から電気自動車への変換、人間が運転する車から自動運転による社会的に制御された移動(モビリティと英語で言うこと多いですね)というのは、技術革新による歴史的必然と言えるでしょう。ただ、テクノロジーの進歩以外の普及要因がいくつもあります。
欧州で広がるの地球温暖化対策としての脱炭素の動き
地球温暖化への取り組みが世界的に本格化しています。国連が掲げるSDGsという言葉もだいぶ広まり、化石燃料に頼らなず、持続可能な社会が必要という認識は欧州を始めとして、世界中の共通認識になっています。ガソリン車から電動車という流れは法規制も含めて進んでいます。
国際政治上のプレゼンスを上げるための中国政府のEV車推し
おそらく地球温暖化対策には興味がないだろう中国共産党政府も、EV車への転換には積極的です。理由は2つ。自国で石油算出がないので、脱石油の存在価値が下がること。もう一つは、ガソリン車の製造では日本やドイツに勝てないけれど、必要な技術が変わるEV車においては中国企業にチャンスが有ること。いずれも国際政治、経済における自国のプレゼンスを上げるという動機ですが、むしろそういう理由だけにモチベーションは高いのでしょう。
ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー高
それに加えて、プーチン大統領によるウクライナ侵攻です。世界経済は混乱をきたしています。資源大国であるロシアに西側諸国が経済制裁を行うことで、石油価格は高騰しています。EV車への変換という大きな流れは確定していますから、加速していく理由になりますね。
地球温暖化対策のための「脱炭素」という動きは、欧州では完全に本気です。米国は微妙なのでしょうが、思想的には興味がないだろう中国共産党政府が、国際性バランス的に、石油産出もなく、自動車製造のノウハウも弱いという立場から、EV車への転換には積極的です。
日本の自動車会社は?
ガソリン車の長所を活かしながら、環境に配慮するハイブリッド型のエコカーなどで優位性がある日本の自動車メーカーにとっては、嬉しくない展開ですが、もこの流れに乗らざるを得ないでしょう。エンジン車で積み重ねていた技術力、開発力優位性がEV車に置いては著しく下がりますから、正念場ですね。トヨタ中心に日本の製造業はEV時代も頑張ってもらいたいです。
僕らが長年見てきた、現代文明の象徴である自動車が、「エンジンにハンドルが付いた人が操作する乗り物」から、「パソコンにタイヤが付いてAIが制御する箱」に変わっていくのは早そうです。
日本は少子高齢化の課題先進国でもありますので、その観点でEV車と自動運転を捉えたいですね。運用方法で洗練された仕組みをつくって、それを世界に提案できるような動きを期待します。
僕自身は、年老いた父親のリスクを減らすために、自動運転車を渡したいという個人的な立場で、価格面にも注目しています。TESLAは値段の問題もありますが、新技術にリスクは付きものである時に、親に贈るなら日本車しかありえないなというのが消費者としての感情ですw
自動運転で車内はエンタメシアターになる
エンターテックという意味でも、しっかり注目していきたいです。運転という作業から解放された車での移動時間は、エンターテインメントを楽しむ時間になるでしょう。EV車はネットに繋がって制御される乗り物ですから、位置情報とも結びつけて、様々なサービス提供が可能です。
キュレーションなどの情報サービスであれば、スタートアップにも十分チャンスがあります。積極的に取り組んでいきたいです。
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