音楽マーケターになるには?〜5/22発売『音楽デジタルマーケティングの教科書』PART4(全文公開)
これからの音楽ビジネスのキーになるのが、音楽マーケターの存在だということはご理解いただけたかと思います。では、世界で最もデジタル化が遅れている日本の音楽業界で、音楽マーケターとして活躍するためにはどうすればよいのでしょうか?
音楽デジタルマーケターの時代
本書を通じて提唱されている新職種 「音楽デジタルマーケター」は、これからの音楽ビジネスにおいて最重要なポジションです。 この新職種は、どういう働き方があるのか、 著者は大きく3つの業態があると 想定しています。既存の音楽企業への転就職、フリーランスとしてのかかわり方、起業に近い事業展開、 どれを選ぶにしても、大切なのはデジタルマーケティングスキルと音楽ビジネスおよびアーティストへの愛情と理解です。順を追って読みながら、イメージを膨らませてください。
パターン1:レーベルや事務所のデジタル部署で働く
日本のレコード会社各社や大手芸能事務所なども、デジタルマーケティングの重要性を感じ始めています。デジタルマーケティングのノウハウを手に入れ、音楽ビジネスの特殊性を理解した人材は、喉から手が出るほど欲しい状況です。 本書を読んで理解した上で、適切に学び、就職や転職で音楽業界の会社に入ることは可能でしょう。 音楽ビジネスにオールラウンドに精通した著者2人は、そんな人をサポートしていこうと思っています。脇田敬は後述する音楽マーケティング会社「株式会社LAB」の代表として、山口哲一は、Z世代向けの音楽ビジネススクール「山口ゼミbiZ」を通じて、音楽業界に入りたい若者をサポートしていきます。
パターン2:フリーランス的な立場でデジタルマーケティングを受託する
既存の音楽業界の会社に入るだけが、音楽デジタルマーケターの仕事をする方法ではありません。これまで音楽業界は手掛けていない分野なので、社内にノウハウがなく、マーケター育成のシステムもまだ存在していません。 音楽マーケティングラボ受講後にマーケターとしての活動を希望する人は、MML(音楽マーケティングラボ)というコミュニティに参加して、 情報共有や継続的な学習を続けています。デジタルサービスは変化が早いので、最新情報をチェックしておくことは重要ですが、1人だけでは なかなか追いつけません。コミュニティ活動が有益な理由です。 個人へのパワーシフトが進む音楽業界においては、業務委託やフリーランスなどの形でデジタルマーケティングを請け負うスタイルがこれか ら増えていくことと思われます。「株LAB」はマーケター育成を行ないながら、同時に業務の委託を行う仕組みで活動を開始しています。
パターン3:自らアーティストに声をかけて収益分配型でビジネスに取り組む
将来的に有望なのは3つ目のこのモデルです。ヒット曲を生み出すためには、アーティストや楽曲の力が核になっていることは言うまでもありません。音楽ビジネスは創作/制作においてもデジタル化による低廉化が進んで、DIYで素晴らしい作品を発表しているアーティストがたくさん出てきています。 才能あるアーティストにこちらから声をかけ、デジタルマーケティングのスキルを提供することでヒットの可能性は飛躍的に上昇するでしょう。デジタルサービスではすべてが透明なので、売上分配型で仕事を行なうことも容易です。P111で紹介したTuneCore Japanの「Split」の仕組みを使えばディストリビューターから直接分配されるので、繁雑な計算書作成や銀行振込なども不要です。 音楽マーケターの最大の醍醐味はヒット曲に貢献して、売上シェアを受けることかもしれません。これが再現性を持って提供できるようになると、あなた自身がレーベルを持つということも夢ではありません。デジタル時代の音楽レーベルは、キュレーションとマーケティングが基本です。
著者二人が取り組む新しい挑戦
本書は、著者の長年の音楽プロ デューサーとしての経験と、講座レポートが掲載されている「音楽マーケティングブートキャンプ」での蓄積を踏まえて書かれています。最後に、音楽デジタルマーケティングを 日本に定着させるためにこれまでやってきたことと、現在進行系で取 り組んでいる内容についてご紹介します。それぞれの状況や興味に応じて、読者の方も参加できる入口が用意されていることが分かっていただけるのではないでしょうか? Let’s Try!!
音楽デジタルマーケターへの道〜「実戦」体験ができる音楽マーケティングブートキャンプ
2021年6月から始まった「音楽マーケティングブートキャンプ」は、 日本で初めて、本格的に音楽特化のデジタルマーケティングを学べるプ ログラムです。 卒業生はマーケターコミュニティ「ミュージックマーケティングラ ボ」(MML)のメンバーとして活動しています。講座レポートはMMLメ ンバーによるものです。講座の熱量が伝わるとよいのですが......。
音楽に特化したデジタルマーケティング会社「LAB」
本書で紹介してきた著者2人の活動を礎に、音楽に特化したデジタル マーケティング会社「株式会社LAB」が設立されました。レーベルや大手事務所のデジタル部門の委託や、インディーズアーティストとの協 業などを始め、日本の音楽界で存在感を示しつつあります。
MML(音楽マーケティングラボ)をベースに業務委託契約を結んだマーケターたちを、レーベル やアーティストごとにチーム組成をしてデジタルマーケティングサポー トを行なっています。
NFT付合格証がもらえるミニテストが特設サイトに!!
世界で一番デジタル化が遅れた日本の音楽界を活性化するためには、デジタルマーケティングの普及が最重要課題です。
本書を読んだら特設サイトのミニテストに挑戦してみてください。NFT付合格証を発行します!
音楽業界への転職・就職を希望される方へ
本書の出版をキッカケに、業界関係団体等と協力をした「音楽マーケター検定」(仮称)の設立も準備中です。これから音楽業界に入る最重要スキルは、デジタルマーケティングです。これまでの業界人の経験が 役に立たず、若い世代に有利な状況になっています。音楽業界で働きたい人をスムーズに橋渡しするための検定制度です。 興味のある方は、特設サイトの小テストを受けてみてください。
音楽マーケター実体験をしたい方へ
音楽マーケティングブートキャンプは、第3期までの内容をブラッシュアップして、より実践的な内容で継続していく予定です。第4期以降の音楽マーケティングブートキャンプの受講をご検討ください。
本書を活用した音楽マーケタープログラムを準備しています。講師派遣を含めたプログラムとしてのご提供や、学生の株式会社LABでのインターン採用なども行なっていますので、お気軽にお問い合わせください。
音大、専門学校等教育機関の方に
本書でも紹介したように世界の音楽ビジネスの変化は激しく動いています。日本の音楽業界の変化はゆっくりのように見えますが、少なくともこれから音楽ビジネスに携わる若い世代に対して、過去の音楽業界のスキルだけを伝えることは無意味です。デジタルに関する知見を身に付けないと、既存企業への就職すら覚束ないでしょう。従来の教育機関の中だけでの対応が難しいことは理解しているつもりです。有望な若い世代に最新かつ有益な情報を伝えられるように協力しますので、ぜひご活用ください。 本書は、音楽マーケターの研究書であると同時に、実際に音楽ビジネスで生かされるハンドブックであり、日本のデジタル音楽マーケティングのムーブメントの旗でもあります。 座学的な「お勉強」に留まることなく、実際に活用されるシーンを増やしていくことが著者の願いです。
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モチベーションあがります(^_-)