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次はインドだね!民主主義と人口増とIT/AIを振興する優れた指導者がいる国


「インドが変える世界地図〜モディの衝撃」 広瀬 公巳 

2030年以降の世界を牽引する存在になると予測されているインドについて、新リーダーのモディ首相の履歴を軸に説明していて、これからのインドを経済視点で知る入門として良書だと思います。
 巨大な経済力を背景に、軍事や政治も含めた世界の覇権が、アメリカから中国に移行するのかということに注目が集まっている昨今、中国に対抗する経済新興国としてインドの存在感はどんどん大きくなっています。本書でも、経済規模予測、および人口に関してインドの存在感の大きさが以下のように語られています。

 〜経済規模という点でいえば、「米中印3Gの時代」はもう十年後に迫っている。GDPの額で現在世界五位にあるインドは、二〇二八年までに日本とドイツを追い抜き、世界三位の経済大国になると予測されている。〜
 〜現在十三億のインドの人口は、二〇二七年前後には中国を抜き、世界最大になる見込みだ。中国は一人っ子政策をとったため、日本と同じように社会の高齢化が始まっているが、インドでは若者の数が多く、労働と消費の市場が拡大する人口ボーナスの期間が二〇四〇年まで続くと予測される。〜

 経済成長のエンジンだった人口において、インドにが一人っ子政策の影響で少子高齢化が進む中国に対して優位が生まれるようです。政治においては、「世俗主義」を掲げて宗教の関与をコントロールしつつ、民主主義が根付いていて、西洋諸国や日本と共通の価値観があるのも中国よりもインドが評価される理由です。そこに、ITとくにAIを成長エンジンにしようという時代の流れに沿った、優れた指導者が現れたのですから、インドは強くなるだろうなと思いました。

 インドはボリウッドと言われる活発な映画産業を持ち、独自のポピュラーミュージックも豊饒です。J-popやアニメの人気が世界で最も弱い国というのが僕の印象で、そのせいもあって、個人的には開発チームのオフショアとして優れているという以外には、これまでインド市場や社会に対してあまり大きな関心は持たずにいました。しかし、本書を読んで認識を改めようと思いました。
 アジアマーケットがこれからの日本経済には死活的に重要になる時代ですから、中国、ASEANだけでなくインド市場という視野を持つのは大切ですね。

 アメリカはトランプ、中国は習近平、そして、ロシアのプーチンや北朝鮮の金正恩と独裁的で自国優先のエゴな政策、覇権主義的な"ちょっと変”な指導者が目立つ中、デジタル転換、経済振興、民主主義尊重という方針の指導者は世界にとって貴重な存在ですね。マクロから見た時に追い風がある中で、時代感覚のある優れたリーダーが現れたとすると、インドは侮れない存在になりそうです。ベンチマークしていきましょう。


モチベーションあがります(^_-)