日本の経済/産業界を活性化する切り札!「コミュニティの時代」に必要なスタートアップスタジオの役割
僕にスタートアップスタジオという存在を教えてくれたのは、浅枝大志くんでした。2017年の秋頃だったと思います。書籍も出版され、日本でもスタートアップスタジオが注目され始めた頃だったと思います。evernote創業者のフィル・リービンが、オールタートルズというスタートアップスタジオを始めて、パリと東京にも拠点を持つということでした。
資本の論理が始まる前に、プロダクトを市場に出しながら磨いていくとい考え方に強い興味を持ちました。「シリコンバレーは、エリートがユニコーンを作るのにはよくできた仕組みだけれど、社会に必要なスタートアップはもっと多様性があるべきだ」とフィルが語っているという話にも共感しました。
歳下の起業家に教わったスタートアップスタジオの存在
僕の解釈は、起業家と起業予備軍を中心にコミュニティーをベースに新しいプロダクト、新規事業を作っていくのが、スタートアップスタジオだ、というものでした。音楽で新人アーティスト開発に腐心した過去がある僕には、すごくしっくりとくる感覚です。人材育成のプログラムやセミナーなどのオーガナイザーを数多くやる中で、自分がやってきたことは、良質のコミュニティ形成を働きかけていくことだという認識も有りました。大企業中心の時代から、個人の時代になっているから「こそ」、コミュニティの重要性が増していくということも肌で感じていました。話を聞いた時に、
「エンターテックをテーマにしたスタートアップスタジオをやりたい!!!」
と強く思いました。その話を浅枝くんと富ヶ谷のカフェでミーティングをしていたら、nanaの文原くんが偶然居たのもパワーもらった気がしました。その時の写真をIGから引っ張ってきました。2018年1月7日だったようです。
これからの時代にスタートアップスタジオは必要だ。日本は特に、と直感的に思いました。僕が考えることは、だいたい「早すぎる」と言われるですが、2022年にスタートアップスタジオ協会が設立できたということは、2018年に感じたことはタイミングも良かった気がします。世の中のテンポがどんどん早くなっているのでしょう。ITスタートアップの世界では、僕の感覚は一般的だなと感じることが増えてきました。
熱量の高い協会設立イベントでの喝!を入れられる
設立記念イベントでの、DeNA南場さんと、入山教授の対談は、本当に素晴らしいものでした、是非、前掲の記事を読んでみて下さい。大きな勇気ももらったし、まだまだやれてないことばかりだなと喝!を入れられた気もしました。
スタートアップスタジオは世界中に、そして日本でも増えてきていますが、エンターテックをテーマに掲げているのは、僕の知る限りStudioENTREが唯一です。その責任感も持っているつもりです。
普段から、僕らの得意領域として2つ掲げています。
1)ToCサービスのグロース
広義のエンタメという言い方もできると思います。エンターテインメントというのは他人を喜ばせるという意味ですから、起業家が「エンタメ的だ」と思えば、それはエンタメスタートアップだというのが僕たちの解釈です。美容もグルメもファションもテクノロジーと組み合わせ、イノベーションを図るのであればもちろん範疇です。実際、BONDYという、母と子のヘルスケアブランドをモデルで娘を持つ起業家(結子)と、美容のスペシャリスト(柳延人)と一緒に始めています。
2)メディア/コンテンツ領域のイノベーション
世界で最も遅れているこの領域のDXに取り組む必要性を痛感しています。ファンウダーの中井と僕が、エンタメ業界出身ということもあり、地図を持っているだけではなく、属人的な情報もあります。以前、田坂広志さんとお話した時に、「産業領域の生態系を変えるには、その世界の人をバイネームで捉えて戦略を立てられなければできない。」とおっしゃっていて、あんな大物の思想家ですら、そういう発想なんだと教わりました。責任感を持って、取り組んでいるつもりです。
3)起業プロセスの国際化
さて、StudioENTREには、もう一つ持つべき大きなテーマがあります。ちょうどコロナ禍もあり、これまで大きく掲げていなかったのですが、日本のコンテンツやIP、知財を外国人起業家を巻き込んで、アジア、グローバル市場で活かしていくことです。グローバル市場攻略と簡単に言いますが、日本人起業家が会社作って「海外進出」だ、と言っているだけでは、おぼつかないことです。インドネシア人とベトナム人と日本人が一緒に事業を始めるみたいなことが増やさなければいけないと思っています。StudioENTREがその場を提供したいという思いは強く持っています。
まだ手を付けられていないところで、先日の協会発足イベントです。喝!を入れられたと感じたのは、この部分です。
著作権許諾やIPのライセンスなど、専門性と顕在化されてない業界慣習への理解や専門的な知識が必要で、スタートアップに付加価値がつけられる領域はいくつかあります。
幸いにも日本の文化/コンテンツや、成熟度の高いユーザーを持つ日本市場への魅力を感じてくれる外国人起業家が少なからずいることはわかっているので、まずは海外スタートアップの日本進出のサポートみたいなところから
始めてもよいのかなと思っています。
近い将来、起業家交換留学的な取り組みとか、創業チームマッチングみたいなことを、日本の文化を核にやっていく仕組みを作っていきたいと思っています。
「起業プロセスの国際化×日本の文化/コンテンツ」という発想に興味のある方がいらしゃったら、是非、ご連絡下さい!
日本の主たる産業はインバウンド含めて、広義の文化になっています。エンターテックを掲げたスタートアップスタジオとして、貢献していく所存です。
<関連投稿>