見出し画像

はじめに〜「仕事」に悩んでいるあなたに

何のために働くか?
どんな仕事をするか?
誰もが直面する人生の大きな課題です。

 「就活」を始める学生 やりがいが見つけられず悩んでいる会社員 自分の仕事が決まらないフリーター 人生と仕事について悩んでいる人のために、この本を書きました。

 ここにあるのは、成功譚ではありません。 今、真剣に、そしてポジティブに取り組んでいる人の現在進行形の記録です。
 自分なりにビジネスのアイデアを見つけて、成功に向かっている人たちが今の日本にいるのです。 年代生まれの起業家の奮闘は、あなたに勇気と、未来のヒントを与えてくれることでしょう。


 夢を持って働くことの素晴らしさを、感じてください。
 そして、わくわくしながら、自己実現ができる「自分の仕事」 を見つけましょう。

80年代生の起業家に期待する理由

 私が 80年代生まれの起業家に注目しているのは、これからの 日本を変えていく原動力になると信じているからです。


 創業から 10年経たずに11 億人以上のユーザー数を誇る世界最大のソーシャルネットワーク・フ ェ イ ス ブ ッ ク をつくりあげた起業家マーク・ザッカーバーグは、 1984年生まれです。 日本にも世界中を驚かせるような、人々の生活を一変させるような、そんな起業家の出現が待たれています。

  80年代生まれは、米国では「ジェネレーション 」もしくは「ミ レニアムジェネレーション」と呼ぶようです。幼少期からデジタルに接して育った彼らは、インターネットを使いこなし、柔軟 な発想を持っています。複雑に絡み合った日本の社会構造やビ ジネスの生態系を、再構築するアイデアがでてくるのは、先入観にとらわれずに、この世代であるはずです。
 日本の高度成長期やバブル期も知らない代わりに、貧しさや コンプレックスもなく、スクエアに世界をとらえる視点も持っています。

 80年代の日本人のポジティブな未来を一緒に見つめて いきましょう。

80年代生まれの起業家から学ぶ5つのキーワード

❶デジタル& ソーシャル 
技術やソーシャルメディアの発達は、新たなビジネスチャンスを生んでいる。

 ITの到来を人類史における3つ目の、そして最も大きな革命であると、未来学者がアルビン・トフラーが『第三の 波』で書いたのは、 1980年です。以来、トフラーの予言 は、その予想を上回るスピードで証明されています。デジ タル技術の進化は、人間の社会や生活を大きく変え始めて います。
近年はソーシャルメディアの発達で、人と人とのコミュ ニケーションが可視化され、人を媒介にして伝わることで、 情報の流れに大きな変化が起きています。
 今回登場する起業家は全員、ITを活用した新しいサービスを創造して起業しています。これからの時代、 デジタルに伴う変化はビジネスを根本から変えていきます。 既得権益を持ち守ろうとしている人たちにとっては脅威 ですが、新しいビジネスに挑戦しようとする人たちにとっては、大きなチャンスです。


❷ グローバル 
80年代の日本人にはグローバルに活躍する優位性がある。

 グローバル化、国際化という言葉も、もう随分前から使われています。同時に、日本人の島国根性やビジネスの「ガラパゴス化」もネガティブな文脈で語られることが多いです。
 海外で活動をするようになってから、日本のマスメディ アは日本人を卑下するニュースが好きだなと思うようになりました。 日本人の気遣いや協調性は、多くの国で好まれます。文化の洗練度、独自性は、高く評価されています。長い歴史 を育んでいることも尊敬の対象になっています。

 サービス「セカイカメラ」の開発者で、今はウェアラブルデバイスTelepathy OneでGoogleに挑んでいる井 口尊仁さんは、「未来は日本人が運んでくると思えばいい」と発言されていました。世界を席巻したアップルの商 品 ・ サ ー ビ ス は、 SONYの「ウォークマン」と NTTの i-modeを参考につくったことは生前のスティーブ・ジョブズも 認めていたそうです。
 アニメ・マンガ・J-Popの人気は、世界的に根強いも のがあります。食の分野でも、ファッションやコスメの分野でも日本は高く評価されています。

❸ チーム
起業は孤独な行為ではない。 補い合える仲間との共同作業。
 

 起業家達が強調するのは、「何でもできるスーパーマンである必要はない」ということです。実際、 サービスの創業者でありながら、プログラムやシステム開発が全くでき ないケースも珍しくありません。ユーザーに受け入れられ るサービスをイメージし、プロジェクトをプロデュースす ることができれば、起業はできます。同じ志を持つ仲間と 数人のチームで始めるケースが一般的です。

「自分は何もできないから」は、起業しない理由になりま せん。「やりたことがあるかどうか」が、大切なのです。

❹ トライ&エラー
起業に対する社会的リスクは大きく下がっている。 心理的なバリアを取り覗くマインド・セットを。


 但し、 年代起業家達が目指すのは、お金だけではあり ません。むしろ、お金はやりたいことを達成するための道 具であり、目標をクリアしたときのボーナスポイントです。
 「失敗したら借金地獄」というのは、起業に対する誤解の 一つです。事業に賛同して投資家から集めたお金を正当に 使えば、たとえ失敗しても、会社をやめる以上の責任をと らされることはありません。全力で取り組み、評価されて いれば、次のチャンスもあり得ます。

 法律や制度の壁は、欧米と比べてもそれほど大きくあり ません。それでも日本の起業率が低いのは、若者の気持ち =マインドが原因です。「マインドリセット」してみましょ う。

❺ 社会貢献
起業の目的はお金だけじゃ無い。 社会を良くするために頑張っている人たちがいる。


 ベンチャー企業が成功すれば、事業売却や株式公開などで、創業者は巨額のお金を得ることができます。多くの人の生活をハッピーにしたり、便利にすることで、 喜びを感じています。

 近年は、 法人などを活動のベースにする「社会起業 家」というカテゴリーも生まれています。

 社会の役に立つことは、仕事のやりがいにつながり、人生の目標になり得るものではないでしょうか?

 2013年の4月から、当時僕の友人が学科長だった、尚美ミュージックカレッジ専門学校のミュージックビジネス学科の特別講座として毎週、10人の起業家との対談を行い、その講座をベースに9月に出版したインタビュー集です。既に7年以上経っていますの古くなっている部分はありますが、そのまま引用、紹介しつつ、その後の彼ら彼女らのの活躍ぶりや、日本社会の変遷を追う機会にしたいと思います。お付き合いください。
 当時の20歳前後の若者たちに「起業という選択」があることを伝えようというスタンスで書いていることが、この「はじめに」からも窺えます。そういう意味では、起業に対する社会の受け止め方は7年前とは随分変わりましたね?
 このマガジンが好評なら、改めてインタビューをしたり、新しい(90年代以降)の起業家を紹介したりもしていきたいです。
 僕が、起業家育成と事業創生を行うスタートアップスタジオを本業にするようになった、その原点のような書籍なので、懐かしさとともに、自分を見つめ直す機会にできればと思っています。


いいなと思ったら応援しよう!

山口哲一:エンターテック✕起業
モチベーションあがります(^_-)