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江戸の植物アート『一目千本』

大河ドラマ「べらぼう」でも紹介された『一目千本  華すまひ』。
蔦屋重三郎が手がけた本で、遊女たちを花に見立て、比べて競い合わせるという趣向です。(「すまひ」とは相撲のこと)

『一目千本』(大阪大学附属図書館所蔵) 出典: 国書データベース,https://doi.org/10.20730/100080738

絵を描いたのは、北尾重政。お正月の時期、上野の東京国立博物館で彼の錦絵が飾られていましたが、墨で描かれたシンプルな花の絵も味わいがありますね。

北尾重政《摘み草図》18世紀 東京国立博物館

当時、江戸では園芸が流行し、生け花もするようになっていたので、遊女を美しい草花に見立てた『一目千本』はかなり注目されたそうです。

同じころ、博物学に関心を寄せるお殿様も増えていました。

例えば、平賀源内が仕官していた高松藩の藩主・松平頼恭(まつだいら よりたか)も植物や鉱物などの標本を国内外から集めていたお殿様です。

頼恭は、魚・鳥類図鑑のほか、『衆芳画譜(しゅうほうがふ)』という大変美しい植物図鑑も作らせており、2024年に開かれていた根津美術館の展覧会でも、その一部が展示されていました。

江戸の植物アート、掘り下げてみると面白そうです。

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