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ジェスチャドローイングの振り返り

2024年の年明けにジャスチャードローイングを始め、約1年経ちました。
一年間やってみた経過、参考になった本や気づきのメモをまとめました。


ジェスチャードローイングとは

人物の動きの印象をとらえて描くドローイング法。
素早く描くのが特徴で、人物の全身を短時間で描き切る。

やり方の概要

リファレンスを見ながら、4つの工程で『素体』というものを描いていく。

①ラインオブアクションを引く(ポーズの印象を一本の線で表現する)
②ラインオブアクションに沿って頭、胸部、骨盤を丸で描く
③鎖骨と首を線で描く
④腕と足を線で描く(素体完成)
【重要】素体を一体描いたら見直しタイムをつくる(できたところ、できなかったところの見直し)

一体1、2分ほどで仕上げるので詳細は追わない。
ラフでOKなので、とにかくたくさん描いていく。

素体を描くのに慣れてきたら、いろいろな要素を徐々に付け加えて強化していく。
・ラッピングライン
・接地面
・CIS
・リズムとフロー
・ビッグシェイプ
・プッシュとチェンジ
など

使った参考図書

10%の力でかくはじめてのジェスチャードローイング
一番最初に読んだ本。
これを読んでジャスチャードローイングを始めてみようと思った。
基礎の基礎が丁寧に説明されている。
素体の描き方、ラインオブアクション、CIS、鎖骨や首と耳の簡単な位置、などの説明。
ドローイングを続けていく上のマインドについてもかかれてあり、とにかくジェスチャードローイングをはじめるのを後押ししてくれる本。
素体を2000体描けば何かが見えてくると書いてあり、2000体目指して始めてみようと思った。

はじめてのジェスチャードローイング 着衣とビッグシェイプ
上の本の続編、応用編。
ジェスチャードローイングを続けながら、いろいろ実験していくのに良い。
素体に肉付けしたり、服をきせたりする練習方法、
ラインオブアクションでは捉えにくいポーズの描き方、
リファレンスのポーズをアレンジする方法、
などが説明されている。(ビックシェイプ、ネガティブシェイプ、プッシュとチェンジなど)
上手い人のドローイングを模写する練習法(マスターコピー)についての説明もあった。

カフェスケッチ / CAFE SKETCH
町に出てあらゆるものをジャスチャードローイングしよう!という本。
動くものをジャスチャードローイングする方法について書かれている。
これができると目に入るすべてのものを創作のヒントにできる、理想的。
ものを見るときにフォーカルポイントを意識するのが重要。

 動かないモデルのジェスチャードローイングがイージーモードなら、カフェスケッチはハードモード、動き回る子供のジャスチャードローイングはスーパーハードモード、らしい…
せっかく子どもと暮らしているので、スーパーハードモードやってみようと子どものスケッチをはじめるきっかけになった。
子供と出かけるときにも、小さいメモ帳をもって出かけるようになった。

一枚の絵でストーリーを伝える方法 ビジュアルストーリーテリングの基礎から応用まで
ジェスチャードローイングから入り、ビジュアルストーリーテリングに応用するまでの方法が説明された本。
ジャスチャードローンイング自体は序盤に比較的さらっと説明されている。
絵本や漫画を描くときのためにジャスチャードローイングを始めたので、全体的に興味深く読めた。

モルフォ人体デッサン 頭と首を描く
頭部から首にかけての描き方に特化した本。
ジェスチャードローイングを続けているうちに、首と頭の部分がよくわからなくなり、マスターコピーの練習に使った。

グレンビルプのドローイングマニュアル
人体の描き方ついて詳細に書かれている本。
アナトミーについてのページが多いが、序盤にジェスチャードローイングについての説明もしっかりとある。
作者のドローイングやデッサンがたくさん載ってあり、iPadに取込み模写の練習に使った。
胸骨 足 鎖骨 骨盤の構造がよく分からなったときは、部位ごとの練習にも使えた。

使ったリファレンス

GESture DRAWing PARTY
色んなポーズのリファレンスがたくさん載っている。
モデルのキャラクターのバリエーションも豊富で楽しく続けられる。
10%の力でかくはじめてのジェスチャードローイングの本で紹介されていた。

振り返り

初日

まったく鉛筆が動かなかった。
何をどうすればよいのかわからず、これで合ってる・・・?と思いながら描いている。
見直しタイムも、反省点だらけでメモもまみれ。

2~100体目

このころは素体を描いている時間より見直しをしている時間の方が長い。


同じモデルで異なるラインオブアクションを引き直したり試行錯誤している。

101~200体目

少しずつ、見直しのメモが少なくなってきてる。
どうしてもうまくいかないところを赤文字で強調している。
見直しの文字がすくなくなってきた。

201~300体目

大きな動き(走る、投げる)の練習。
このころになると、見直しメモを書かなくなっている。
衣類も書いてみよう試みている。ちょうど参考図書のビッグシェイプを読んだ頃。
モデルがパントマイムをしているピエロだったので、どこに力を入れて、どこに力を抜いているのかが分かりにくく、難しかった。

301~400体目

体のねじった感じがなかなか表現できなかったやつ。
ピエロのふわっとした感じを出そうとしている。
キャラクターの印象をCISであらわそうと意識し始めた。
スーツを着た固い印象のモデルだったので直線描いてる。

401~500体目

クネクネとした印象のキャラクターが出てきて苦戦。
線をふにゃふにゃにしてみたり試行錯誤している。
少しピシっとした印象のキャラクターだったので、線も勢いのある感じにいている。

501~600体目

ぐっと力を入れている様子のモデルが多く、比較的ラインオブアクションが引きやすかった。
二人組。同じ時間で二人描き切るのができず最初は苦戦した。
苦手な直立ポーズ

601~700体目

ラインオブアクションでは捉えにくいポーズが出てくる。
シェイプに注目して練習している。
着衣の二人組。
簡単な目線なども書いている。

701~800体目

リファレンスが女性になる。丸みを出すのに苦戦。
胸骨 足 鎖骨 骨盤がよくわからなくなり、参考図書⑤のグレンビルプのドローイングマニュアルを見ながら練習している。
 胸骨と鎖骨の形状が徐々に変わり、骨盤も球体から立方体に変化。

800~837体目

脚の描き方、迷走しはじめる
膝の部分が分からなくなってきて、いろいろ試している。

結果

2024年は最終的に、素体を837体、スケッチを100体ほど描きました。

一年やった成果

・描くスピードがかなり速くなり、描き直しが全く怖くなくなった。
 人物を描くハードルが大幅に下がった。

・詳細なリファレンスがなくても想像で描けるようになった。
 リファレンスを一瞬しか見ていなくても思い出しながら描けようになった。

・人物を描いているときの固さがなくなった。
 動きを表現できるようになった。
 (走る、投げる、持ち上げる、しゃがみ込む、飛び降りるなど)

・人物の練習しかしていないのに、なぜか人物以外も書けるようになった。
 動いている動物をある程度想像で描けるようになった。
 (走るキリン、恐竜など)

・同時に複数の人物がいる場面を描けるようになった。
 複数人がいる状態でも描き方が分かるようになったので、以前ほど苦手意識がなくなった。

・以前は描き方が分からず描こうとすらしなかったものを、描いてみようというマインドになった。
 描き方が分からなくても、描き始めのとっかかりをつかむことができる状態になった。
 (人物が恐竜に乗った状態、縄跳びをしているところ、箒に乗って空を飛んでるところ、など)

これからやること、目標

横から見た全身の練習量を増やす
斜め横から見た全身の練習量を増やす
手の描き方をマスターコピーする
膝の描き方をマスターコピーする
顔(特に鼻、目)のマスターコピーをする
着衣のドローイングをする
子供のドローイングをする
動物のドローイングをする
カフェスケッチをする
素体2000体を目指す

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