見出し画像

沖縄 汁物の旅~7 馬汁

馬汁(ばじる)

あひる汁を待つ間、店の品書きを眺めていたら「馬汁」とあり目が丸くなりました。馬肉といえば馬刺ししか知らないワタクシ、スープで食べるという発想自体がなかったのでびっくりした次第です。すぐにでも食べたい。でもこれからあひる汁を食べるところだし、旅の最終日だったので馬は次回に持ち越し待つこと一日千秋、2023年、いよいよその日がやってきました。

待ちに待った馬汁の味は

馬汁=2023年、沖縄県南城市のまんぷく食堂で

「はい、馬」―。いまワタクシの目の前に馬のスープが運ばれてきました。さっそく口に運びます。
 
あっ、クセがある。どうしよう、食べ続けられるかな。テーブルに置いてあった紅ショウガを入れてみました。すると匂いが気にならなくなり、以後美味しくいただくことができました。最初に食べた部分がたまたま匂いの強いところだっただけかもしれません。肉自体はさっぱりとした味で、ニンジン、シブイ(冬瓜)などと共に柔らかく煮込まれていました。

沖縄に馬食文化はあったのか


さて、沖縄と馬肉の歴史を調べてみると、琉球王国時代には牛や馬を食べることが公に禁じられていたことが分かりました。農耕に資する大事な動物を食べてはならない、というのが理由です。沖縄でブタやヤギが多く食されるのはそうした歴史があるからですが、裏を返せば、それまで牛馬を食べる事があったからこそ禁止令が出たとも考えられます。しかも何度も出されていたようですのでなおさらです。
 
ここで「食べていた」とせずにあえて「食べる事があった」と書いたのは、主に祝い事などで食されたからで、日常的に食べていたわけではなさそうだからです。ですので、おおっぴらに牛馬を食べることができるようになったのは琉球が日本の県になり、沖縄でいう「ヤマトユー(大和世)」が始まり、本土においても文明開化で畜肉を食べるようになった明治以降ということになりますね。

あひる汁と馬汁を食べたまんぷく食堂=2018年撮影

馬汁がある店を検索すると沖縄でも数件ヒットするだけ。後は熊本、北海道あたり。関東在住のワタクシには貴重な体験となりました。

一緒に食べたもの

ゴーヤーチャンプルー

ゴーヤーチャンプルー=2023年撮影

大きめに切られた具材で食べ応えがありました。

<近くの見どころ>


あひる汁と同じお店なので~4をご覧ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?