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沖縄 汁物の旅~6 あひる汁

あひる汁


アヒルと聞いて何を連想しますか?ディズニーのドナルドダック?動物園の池?それとも1羽1万5000円以上はする高級料理の北京ダック? いずれにせよ本土の人間で「アヒル」と聞いて即「食べる」に直結する人は少ないのではないでしょうか?
 
私もその中の一人ですが、2018年に沖縄に旅行した際「あひる汁」が食べられる店があることを知りさっそく行ってみました。

これがあひる汁

あひる汁=いずれも2018年、沖縄県南城市で
肉はカモに似た味です

スープに浮かぶ肉は一見鶏肉のようにも見えますが箸で持ち上げると中の色が少し濃い印象です。白いスープを一口飲んでみます。思ったよりあっさりしています。肉を口に入れ噛んでみるとカモに似た脂の味がしました。ニンジン、ダイコン、昆布とともに柔らかく煮込まれ、スープともども残さずいただきました。後で調べたらアヒルはマガモを家禽化したもので、生物学的にはマガモと同種なのだそうです。だからカモに似た味がするんだと納得。

今回のお店はここ

家庭料理から珍しい汁物まで食べられるまんぷく食堂
スラブ打ちとは?

写真にスラブ打ちとありますね。さあ何のことでしょう。調べたらスラブ打ちとはコンクリーヤー(鉄筋コンクリート造りの家)建築で天井部分にコンクリートを流し込む作業で「棟上式」に相当します。この際にヤギ汁や牛汁を振る舞うなどする風習があるということが分かりました。この看板は、スラブ打ちをやっているところに汁物を届けますよということですね。
 
台風の多い沖縄ではコンクリーヤーをよく見かけます。塀やベランダが透けた幾何学模様の「花ブロック」になっているお家もあり、つねづね涼し気でお洒落だなと思っています。

これもアヒルです

沖縄でクスイムンとして食されるバリケン(観音アヒル)=沖縄県沖縄市で

バリケン(蕃鴨、観音アヒル)。これは今回食べたアヒルではありませんが、ぜんそくなどに効果がある「クスイムン」(薬もの=薬膳)として沖縄で昔から飼われてきました。
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*表記について 動植物についてはカタカナ表記が一般的原則なので「あひる汁」は本来「アヒル汁」とするべきですが店のメニューに従い「あひる汁」としました。ブログでは①刺身、味噌汁、天婦羅など沖縄で圧倒的に多い表記は「さしみ」「みそ汁」「てんぷら」としますが、店の品書きに味噌汁などと表記されているものを紹介する際はそれに従います。

<近くの見どころ>

斎場御嶽(せーふぁーうたき)

斎場御嶽はこの建物の中から入ります=いずれも2017年、沖縄県南城市で
三庫理(さんぐーい)入り口の巨岩
三庫理からは久高島がみられます

世界文化遺産。琉球王国最高の御嶽・聖地で王家の祈りの場。琉球開闢の祖、アマミキヨによってつくられたと伝えられています。王や琉球最高の神女・聞得大君(きこえおおきみ)の聖地巡拝「東御廻り(あがりうまーい)」の参拝地でした。御嶽深部には大きな岩が寄りかかるような三角形と、その奥に三庫理(さんぐーい)とチョウノハナがあり、そこからアマミキヨが降り立った“琉球の始まりの島”といわれる久高島(沖縄 汁物の旅~5イラブー汁参照)が遠望できます。

斎場御嶽は広大で一部石畳などあるため歩きやすい靴、飲み物持参をお勧めします。

知念岬公園

ハート形をした知念岬のビュースポット=2018年、沖縄県南城市で

太平洋が一望できる爽快な公園です。

ヤハラヅカサ

海中に建つ不思議な碑=同

海中に建つ不思議な碑。久高島に降臨したアマミキヨが沖縄本島に最初に足を踏み入れたといわれる場所です。写真は“ペンキ騒動”の前に撮影しました。

ミーバルビーチ

ミーバルビーチ。天然のビーチです=2023年、沖縄県南城市で

変わった形の岩を見たりマリンレジャーが楽しめます。天然ビーチですのでハブクラゲなど危険生物除けのネットもありませんので遊泳は自己責任ということになっているようです。

玉城城跡(たまぐすくじょうあと)

見晴らし抜群の玉城城跡=2018年、沖縄県南城市で

築城年代不明。琉球開闢の祖、アマミキヨが築いたといわれています。てっぺんからの見晴らしが抜群です。

沖縄ワールド

玉泉洞。全長5キロの巨大鍾乳洞です=2005年、沖縄県南城市で

玉泉洞という大きな鍾乳洞(全長5キロ、公開部分が890メートル)があります。沖縄の工芸や伝統芸能、フルーツ園、ハブ見学など。


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