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チームが最初にアジャイルを目指す時にやらない方がいいと思うことのまとめ

こんにちは、最近EMから無職にジョブチェンジした@yama_sitterです。
「そろそろ俺等もアジャイル始めようぜ!」みたいな流れになった時にやらない方がいいと思っていることを書き連ねていきます。
これはあくまで個人の経験を元にした話です。

ちなみに今回は↓の企画で書いています。

やらない方がいいと思うこと

「やりたい」「すべき」を鵜呑みにする

「アジャイルやりたい」「スクラムにすべき」みたいな言葉を鵜呑みにしない方がいいです。
大前提、この意欲は素晴らしいと思います。ただまずはこの言葉の背景を汲み取り表出させることが大事です。

うっかりこれらの言葉は有名なので、やりたいとかすべきって言われたら「いいかも」ってなってしまうかもしれません。
でもそのあり方、手段は、自分たちが価値を生み出す上で絶対に必要でしょうか?
※ 多くのケースでアジリティは必要だと思いますが、そのことと世間に蔓延る「アジャイルやりたい」とは別だと考えています

あと、これを言う人は往々にして何かに囚われていると思っています。これは過去の私の話です。
ただ、「囚われている = 何かしら思い描く世界がある」ってことだと思うので、これをちゃんと表に出すと良いコミュニケーションができるかもしれません。
これを表に出してからがスタートラインです。

安易に専門用語を多用する

守破離とは言いますが、個人的には「スクラム」「XP」「バックログ」「リファインメント」といった言葉を多用するのは避けた方がいいと考えています。
使うとその瞬間から言葉の呪縛(及びその言葉の示すルールなど)に囚われるからです。あ、これも過去の私です。

恐らくですが、こういった言葉を初期から多用する人は、真面目で書籍や文献などを沢山読んでいる人なんじゃないかと思います。
でもだからこそ「〜すべき」の呪縛に囚われやすいです。

導入初期は、知識を持っている(でも経験の少ない)人とそうでない人の解像度に大きな差があることも多いと思っています。
「〇〇だとこうすべき」みたいなことを言われても、言われた方は背景を理解できていないかもしれません。
そうなると言う方も言われる方も何だか苦しい状態に陥ります。
双方頑張っている筈なのに不思議ですね。

書籍やネットの情報を鵜呑みにする

書籍やネットには、「一般的にはスクラムイベントの時間配分は〇〇」みたいな情報があったりします。(あくまで一例です)
これも守破離とは言うものの、私は参考程度にしておいた方がいいと考えています。

書籍やネットが嘘を語っているという意味ではありません。むしろ優れた知恵です。
但しこれらの知恵は「試行錯誤して自分たちにあったルールやポリシーを見つけた優れた先人たちの知恵」なので、そのまま受け入れても意味が無いです。
何だったら先人の教えを守っている筈なのに何故か苦しくなっていくこともあります。これも不思議ですね。

これは何でかというと、知恵をもたらした先人たちと自分たちの置かれている状況や環境が異なるからです。
事業や組織、チームメンバーが異なれば、当然アジャイルに対する文脈も大きく異なります。
状況や環境が違うのに全く同じことをして上手くいったらそれはラッキーです。是非その事実を理解し、何で上手くいったかを振り返ってみて下さい。

要は先人の知恵を愚直に用いたとしても、ちゃんと「自分たちに必要なものは何か」を考え続けないとしんどくなるよ、ということです。

余談です。
そもそもスクラムガイドの内容が汎用的なのは、状況や環境を考慮できないからっていうのもあるのかなと。
あくまで重要なエッセンスを体系化したものと考えると、スクラムは前提として「環境・状況に適用させる」ということが求められている気がします。

「取り入れたら何か良くなる」という盲信

理解している方も多いと思いますが、アジャイル足らしめるためのフレームワークやTipsは、導入してもそのままでは上手くいきません。
アジャイルとは早く気付いて早く変化する道具であり、またその先にある「あり方」だからです。

アジャイルだろうが何だろうが関係なく、例えば技術負債が多ければアジリティは出ませんし、もしくはプロジェクトマネジメントができていなければ進捗しませんし、あるいはプロダクトマネジメントが上手くなければ良いものを生み出すことはできません。
勿論、コミュニケーションなども然りです。
この辺が上手くいっていないと、「ただ楽しいだけのもの」や「苦しいだけのもの」に成り代わるリスクがあります。

下手に「アジャイルだ!」といった形で盛り上がる前に、本音で話せる機会や振り返りの機会を増やす方が効果的だと思います。

一人で頑張る

一人でアジャイルを始める。これ自体はすごくいいと思います。
ただ「チームに導入するぞ!」ってことであれば、まず味方を作ることをオススメします。

理由はシンプルで、味方のフォロワーシップがあると「分からないけどやってみよう!」といった空気を作りやすいからです。あとは一人だと寂しいです。
「社会運動はどうやって起こすか」程の壮大な話ではないですが、これに近いものがあると思います。

私は以前味方らしい味方がいない状態でスクラムを導入し、メンバーの負担を強いてしまったことがあります。その時のチームは一度解体されました。
その後「一緒にやってくれる人」を見つけ、そこでチームを再結成したあたりからどうにか軌道に乗り始めました。
一人じゃ無理だ、と痛感したのもこの時です。

改めて、まず一人から始めるのは大事です。
でも、どこかに居る味方を見つける努力も惜しまないことが大切です。

これらを踏まえてじゃあどうするのか

椎葉さんによって素晴らしくよくまとめられたスライドがあるのでこれを参考にして下さい。
私は時折見返して「そうだよなぁ」となっています。

ここに至るまで散々偉そうなことを言ったくせに、最後は人のスライドで締めることをお許しください。でも今はまだこのスライド以上のHowは書けそうにないです。

ただ前述した通り、本音で話せる機会や振り返りの機会を増やすことは必須だと思います。
本音で話せないのに検査と適応もありませんので。

まとめ

というわけで、「チームが最初にアジャイルを目指す時にやらない方がいいと思うことのまとめ」でした。

最初にお伝えしましたが、これはあくまで個人の経験を元にした話です。
そのためこの記事も鵜呑みにしないことをお勧めします。
ただもし参考になったのであれば幸いです。

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