【2024年読書:さやかの寿司】
シュウです!
地元船橋出身の森沢明夫さんの最新作。
森沢さんの本はストーリーが染み込むように入ってくるので、大抵いつも1日で一気に読んでしまいます。
誰もが抱えている悩みや生きづらさの感情を、まるで歌の歌詞のように、心にスッと入ってくる「フレーズ」によって、薄めてくれる感じがします。
是非、日常の生活でモヤモヤが晴れない日なんかに、ページをめくってみると、少し次の日の活力になるんじゃないかと思います。
▼タイトル:さやかの寿司
▼著者:森沢明夫
▼あらすじ:母の納骨を終えた作田まひろ(22)は、「別れ」を受け入れるため、幼い日に母と一度だけ訪れた寿司店にやってきた。
海辺の町の鄙びた商店街の「江戸前夕凪寿司」という小さなお店。
意を決して暖簾をくぐるも、ランチ営業はちょうど終わったところだった。
がっかりしたまひろだったが「ちょっと、お客さぁん」と若い女性の綿飴みたいな声に呼び止められ、まかないの海鮮丼をいただくことに。
「さやかさん」と呼ばれる声の主は、ふんわりした見た目とは裏腹に、丁寧な「仕事」をする凄腕の寿司職人で――。
▼刺さったフレーズ
・「え……、頑張れとか、そういう感じじゃなかったんですか?」 「うん。ぜんぜん違ったの。とにかく、さやかの好きにしなさいって。人生でいちばん大事なのは『いつも自由でいること』だからって」 「自由で──いること」
・強い意志を持って頑張るのも大事だけど、じつは、人生のなかから『MUST』をなるべく無くしておくことも大事なんだよって
・ついさっき、わたしたちは自分から身体の向きを変えて、鉄柵に背中をあずけた。すると、ずっと逆風だった強い海風が、わたしたちの背中を押しはじめた。これは順風だ。ようするに、自分がどちらを向いて生きるかで、凍えるような逆風も〝追い風〟に変えることができるかも知れない──。
▼まとめ
人はよくも悪くも1人では生きていけないですね。だからこそ日々悩み考え、苦しい時間を持ってしまうんだと思います。
ただ、人間関係が煩わしいものと捉えるのか、自分の生き方を変えてくれるスイッチのような存在と捉えるのかで、僕らの人生の豊かさが変わっているのかもしれませんね。
とにもかくにも、ちらし寿司が食べたくなりました。