まさかピンクッションが進化するなんて思ってもみなかったw
前記事はこちら
ピンクッションを長く作っている。ざっくり30年ほど。
名付けて錆びないピンクッション。
全体がオイリーな羊毛で作られているので、そもそも錆びる理由が1mmも見当たらないのだよ。
ピンクッション自体は巷に溢れているが、針が錆びる仕様のものが殆どなので、パッと見は可愛いくても針はしっかり錆びるのだよね。
錆びるピンクッションってアリ?
いやいや、無しでしょ!
一体いつから錆びるピンクッションに市民権が与えられたんだろう?
与えてはいかんでしょ、市民権。
声を大にして言いたい!
という妙な義侠心➕若干の憤りをモチベーションとし、半ば意地で作り続けて30年が経過した。手間がかかるから儲けはあるんだか無いんだかよくわからない。でもさー、誰がどう考えたって針が錆びるピンクッションはイカンだろう!という、ただそれだけで作っているという物体。
おかげさまで錆びないピンクッションが必要な方からは評判がいい。
洋裁師さんや和裁師さん、パッチワーク作家さんetc.
そこへ、とあるスタイリストさんからリクエストが舞い込んだ。ヘアピンを挿しておけるピンクッションが欲しいのだという。結婚式場で花嫁さんの髪を作る仕事をされている方で、その方曰く秒を争う仕事なので、予めヘアピンなどを挿しておくベースが欲しいのだそうだ。
へえ、面白いじゃん♪
ならばやってみましょう♪と作り始めた。
で、出来上がったのがこちら!
スタイリストさんのためのヘアピンクッション♪リストバンドで手首に固定して使用するのだが、とっても喜んでいただいた。
そこからの進化形がこちらのピンクッション。どんな針でも刺せるピンクッション。針の大小、太い細いを問わずに刺しておけるピンクッション。
編み物用、皮革用の針も刺すことができ、しかも錆びない。ほぼ一生モノのピンクッションなのだ。
すると今度は、糸立てに差し込んで使うピンクッションが欲しいというリクエストが舞い込んだので、作ってみた。
こちらが糸立て。この円柱形の穴に差し込んでお使いになりたいとの事だった。
で、作ったのがこちら。
カスタマーから出来上がったピンクッションを糸立てに差し込んで撮った画像を送っていただいた。
とまあ、こんな風に作品はどんどこ変化していくわけで、なぜ変化するかといえば、カスタマーとのコラボで進化していくっていうか?作るのは確かに私なんだけど、アイデアはお客様だったりするので、じゃあ、出来上がった作品は誰のモノなんだろう?と疑問に思ったりするわけですよ。
が、お客様と相談しながら、形を決め色を決めていく作業は実に面白い。モノ作りの醍醐味がそこにあるような気さえするんだよね。
だから、密かに待っていたりして。
面白いリクエスト来ないかな〜って。
やっぱ、これが一番の適職だよねって思うわ。