【要約14】米心理学者エドワード・デジは「予告された報酬」は人や組織の創造性を破壊するとしている。報酬を約束される事でパフォーマンスが低下し、最小の努力で多くの報酬を得ようとする。創造性を発揮しリスクを冒す為にはアメもムチも有効ではなく、挑戦が許される風土が必要なのだ。
【要約13】米心理学者チクセントミハイは力を最大限に発揮し、充実感を覚える状態を「フロー」と呼び、「フロー」になるには挑戦レベルとスキルレベルが高い水準でバランスする必要があると説く。しかし、多くの人は無気力ゾーンで生きていると嘆く。挑戦レベルを少しでも上げながら生きよう。
【要約12】米心理学者ミルグラムが行った「アイヒマン実験」が示唆するのは、悪事をなす主体者の責任が曖昧な状態であるほど人は他者に責任を転嫁し、自制心や良心の働きが弱まるという事。それは官僚制の問題、「権威への服従」に繋がる。権威への反対意見を持って人間らしい判断ができるか?
【要約11】米心理学者フェスティンガーは「意思が行動を決める」のではなく、「自分の行動を合理化する為に意識を変化させる」とする認知的不協和を提唱。嫌いな人から様々な援助を受ける内にその人が「好き」になった→援助を受けた事実は変えられないから「嫌い」という認知を改変してしまうのだ。
【要約10】米心理学者マズローは自己実現を成し遂げた人は孤立気味で、ごく少数の人と深い関係を構築していると示唆。換言すれば薄く広くなっている現代の人間関係は共依存と表され、表面的には他者の為に繕い、実は内には自己本位的な自身の存在価値確認の欲求を秘めているという。
【要約9】米政治学者ハンナ・アーレントはナチスのユダヤ人虐殺計画実行の為の効率的なシステムの構築運営に主導的役割を果たしたアイヒマンを例に「悪とはシステムを無批判に受け入れる事」と説く。そして大事なのは「システムを批判的に思考する」ことと締め括る。