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日常の光景 ぼくをのりこなす

あなたがちゃりーんとお金を払う音を真似すると、ぼくは四つん這いにならなきゃいけない。
そうしてあなたは、ぼくの背中の上に乗る。
ぼくはゆっくりと前後や左右に動き、あなたを背中から落とそうとする。
しっかりとしがみついているあなたは、ゆっくり動いていても落ちないので、ぼくの動きは次第に激しくなる。
四つん這いから立ち膝になってみたり、逆に頭を床につけて背中をまるめて前に落とそうとする。
それをきゃーきゃーと楽しんでいるあなた。
最終的にはなんとか振り落として、落ちたあなたをぼくはくすぐる。

こんな幸せな瞬間が、これからもなるべく長く続きますように。
どんなかたちでもいいから、あなたといっしょに笑い合える空間が続いていきますように。

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