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シリコンバレーで家探し (3人家族で夫だけが先に現地にいるパターン)

いつの間にやら渡米して2週間が経ちました。

家族は日本に残して会社が借りてくれた(厳密にはリロケーション会社)1ヶ月契約のアパートに暮らしていますが、会社には近い(自転車で10分、電車で20分、歩いて40分)し、一人で暮らすには十分すぎるほど広い(なぜか2ベッドの部屋になった)ので、いまのところ問題なく暮らしています。

はじめの2週間の最大の焦点はなんといっても家探し。家族が快適に暮らせて、安全で、通勤しやすく、かつ最初は車の運転に手こずるかもしれない妻と子供が徒歩でも遊びに行けたりするような環境で、さらに限られた予算の中で…とかなんとか、様々な要素をバランスよく成立させる家というのはなんとも難しくて、家探しを始めた最初の数日はよいなと思える物件に出会うことができず、絶望的な気分になったりしました。

結果的に、会社のあるPalo Alto市内で、ちょっと古いけど落ち着いた雰囲気のコンドを契約することができたので、家探しの旅はひと段落したわけですが、それ以外にもあれこれイベントフルな2週間だったので、簡単に振り返ってみます。

Day 1: 午前中にSFOに到着。L-1Aビザでの初エントリーだったのだけど、Immegrationでその旨を伝えたらI-129を出せと言われたものの、自分の場合はI-797B(I-129の嘆願書が承認されたことを示す資料っぽい?)を見せたらそれで良いというので、問題なく入国。L-1のステータスで入国したことを証明するI-94は数時間以内にウェブサイトから照会できるようになるはずで、その後の複数の手続きで必要になるので確実にチェック&プリントアウトしておくのが理想。1ヶ月契約のレンタカーを借りて、街乗り用として持ってきた自転車も含む大荷物を詰め込んで仮住まいのアパートへ。レンタカーの契約には中型車って書いてあったけど、FordのFusionっていう日本の感覚からすると大型のセダンで、しかもハイブリッドの2019年モデルであれこれ機能がついててちょっと面白い。アパートでは「週末はアタシ仕事したくないのよね」という雰囲気がぷんぷんする管理人に鍵をもらって入居。といっても家具やテレビ、最小限の食料やコーヒーなどがあるので、ほとんどホテル暮らしのような感じ。荷物をほどいてから車で近所のSafewayに言って食料品を買い込んで、適当にご飯を済ませて1日目を終える。

Day 2: 会社経由で現地でのあれこれを世話してくれるLocal Coordinatorを紹介してもらっていたので、この日から早速家探し。ほんとはSocial Security Officeに行ってSocial Security Cardの申請を急ぎたいところだったけど、生憎この日はお休み。事前からZillowやらCraigslistでチェックした物件をシェアしておいたので、アポイントを取ってもらってた物件を一緒に巡る。大型コンプレックス(敷地が広くて、プールとかがあって、世帯数が200+とか)のアパートは色々と整っているけど、部屋の位置とか階数とかによって思ってた以上に居住時の快適性が違いそうだなぁということに気づく。日本からチェックしていた物件はどこか期待と違っていて、会社のあるPalo Altoだと信じられないようなぼろ家が平気で$3,500/monthとかだったりしてげんなりする。家はネットで見た情報ではダメで、現物を確認しないと判断できないなーということを実感。この日に見たのは全部で6軒。

Day 3: この日は1日空いていたので、飛行機輪行してきた自転車(街乗り用のロードバイク)で自転車通勤をした場合のシミュレーションを実行。朝の通勤時間に合わせて、Palo Alto側からまずは10kmくらい離れたSunnyvaleまで行って、それからCupertinoに南下して、そこからまたPalo Altoのオフィスを目指して走ってみた。アメリカの道の特性がよく分かっていなかったのだけど、走りやすい道と走りにくい道の違いが見えてきて、Sunnyvale/Cupertinoでも頑張れば片道45-50分くらいで行けるかなという感触をつかんだ。その後は、日本からの口座開設に成功していた銀行(会社と提携してたので比較的スムーズにできた)に行って担当者と話をして小切手をもらったりと雑用をこなす。

Day 4: 朝からSocial Security Officeに行ってSocial Security Cardの申請。パスポートと最新の入国記録の証明となるI-94のコピー(まだプリンターがなかったのでCoordinatorにプリントアウトしてもらった)を持って行く。Coordinatorが朝から並んでくれてたおかげで、9時のオープンと同時に一番乗りで呼ばれて、簡単なインタビューを済ませて手続きを完了。その後は、午前中に3軒、午後に自分でアポイントを取った3軒を見せてもらう。この日は主にアパートだったけど、一番最初に見たのはSunnyvaleのコンドで駅まで徒歩圏かつ広くて建物がしっかりしていて、これはアタリでしょーと思ったのも束の間、ちょうど前日に他の人がアプリケーションを出していたので前には進むことができず。無念。午後は自力でアポイントを取ったのだけど、流石にCoordinatorは予約の取り方も効率よくてガンガン時間を詰めたりするので効率いいなーと関心。夕方になってから車屋さんに行って、車選びのあたりをつけておく。思ったより時間がかかってしまった。Sunnyvale/Cupertinoあたりのアパートで妥協できるラインが見出せ始めたので、ちょっと安心。攻め気で探し続けて、いざとなれば妥協できるラインに引き返してベストなものを選べば良い。前進あるのみ!

Day 5: この日は午前中は自力、午後はCoordinatorと一緒に家探し。午前中に見た物件で、Cupertino界隈でそこそこいいなと思えるアパートに出会えた。Cupertinoは日本人が多いとは聞いていたけど、街の雰囲気がのんびりして安全そうだし、日本食のスーパーも豊富だし、日本人的には住みやすそうな環境だろうなーと納得。午後は目線を変えてPalo Altoから北に向かったエリアをチェック。会社がCaltrainのPalo Alto駅から近いので、駅までのアクセスが確保できる限り多少離れてしまっても通勤はなんとかなるのが救い。San CarlosとSan Mateoを見たのだけど、このあたりだとアパートにせよコンドにせよそこそこ住みやすそうな物件が見つかる印象。San Mateoのダウンタウンは店が多く充実していて、大きな公園もあるので、大通り(El Camino)の西側の落ち着いたエリアなんかは結構ありかなと思った。ちょっと古いコンドで面白い物件があったのだけど、洗濯機が共有なのと、全体的なボロさが許容範囲ギリギリだったので、前には進まず。この日はトータルで7軒見たはず。

Day 6: この日はまた自力で家探し。Palo Altoのちょっとはずれ、Mountain Viewに近いエリアにあるコンドをCraigslistで見つけたので見に行ったのだけど、とても落ち着いた雰囲気で、古い物件ではあるけど部屋の中のボロさはなくて、とても印象がよかった。歩いて広い公園にも行けるし、図書館も近くにあり、通勤も自転車で20分くらい。徒歩圏で行けるお店が充実していないのがやや残念だけど、これは周りの環境が(住宅地として)良好であることの裏返しでもある。気に入ったので、オーナーに前に進みたいぜと話して、早速アプリケーションを埋め始める。プリンターはまだなかったので、Office Depotに出向いてプリント。と同時に、妻にできる限りの情報を共有すべく、写真と地図、それに実際にそこに住んだらどんな施設がどこにあって...みたいなことをGoogle Map/Photo/Driveを駆使してまとめておく。物件を見るときはα5100に広角レンズ(28mm)を付けたカメラで一通り撮っていたのだけど、Chromebookしか持ってきてなかったので作業効率が上がらず難儀した。

Day7: この日は初めての物件を1つ見て、もう一つの候補だったCupertinoのアパートを改めてチェック。家探しもだいぶ絞れてきた印象だったのだけど、物件の方向性が違うので何を重視するのか、何が懸念になりそうかを、実際に住んだ時の感覚をイメージして時間をかけて見てみた。日本人向けの情報サイトのビビナビで見つけたプリンターを受け取りにSan Jose方面に行って、帰宅してからアプリケーションを書いてからスキャンして、Palo Altoのコンドのオーナーに提出。Credit Historyがないと言ったら「なんじゃそりゃー」という反応だったのだけど、会社のオファーレターやら銀行の残高やら経済的健康性を証明できる書類を「これでもかっ!」とばかりにまとめてアプリケーションと一緒に出しておいた。夜は日本にいる妻と、家についてあれこれ話して意識合わせ。やはり、写真や地図といった情報だけでは実感を得るのが難しいようで、最後はこちらで決めるしかないよねと腹を括る。と同時に、世界中のあちこちに離散している両親や姉(ロンドンとタイと東京)にも情報を共有し、彼らにも意見を求めておく。

Day 8: 家探し戦線は小康状態になったので、この日は朝からサイクリング。改めて自転車通勤のルートをシミュレーションするべく、Palo AltoからMountain View、Sunnyvaleと抜けてCupertinoのちょっと奥まで行って、そこから先は先日走って快適だったFoothill Express Wayを使ってまたPalo Altoに戻るというルート。Cupertinoの場合、雨の日や疲れた日なんかはSunnyvaleのCaltrain駅まで走ってからそのまま自転車ごと乗車するようなイメージだったのだけど、そのイメージも確かめるべくルートをチェック。85号の横を走ってるStevens Creek Trailはそこそこ整備されたサイクリングロードなので、比較的安全に走ることができ、そこからさらに南下してからMary Avenue Bicycle Footbridgeを繋げると、車通りをほとんど気にすることなく走れることが分かった。夕方は、コンドのオーナーからアプリケーションとその他についてあれこれ質問があったので、長電話して疑問をひとつひとつ解消していく。迅速なメール返信や時間厳守といったところで信頼を勝ち得ていたので、経済的安定性について説明(日本人は貯金しがち、クレジットカードあんまり使わない、などなど)して納得してもらい、さらに家族が遅れてやってきて、ある程度長期的に住む計画があることを理解してもらったことで、これまでにアプリケーションを出した候補者の中で一番手として扱ってもらえることになった。よしよし。

Day 9: この日から会社で仕事。といっても通い慣れたオフィス、いつも一緒に働いてる人々、やり慣れた環境…という条件なので、溜まったメールを処理することと、借りもののPC(自分のPCは翌日もらった)であることを除けば黙々と仕事をこなすのみ。コンドの契約はこの週のうちに済ませましょうということになっていたので、家探しのことは一旦忘れる。万が一話がうまくいかなくなった時のために、次点のアパートにはいつでも連絡できる体制は整えておきながら。

Day 10: 普通に仕事。コンドの賃貸契約書がきたのでチェックして、Coordinatorにもフォワードして見てもらう。セキュリティーデポジットと最終月の賃料を最初に払うので、馬鹿にならない金額が最初から出ていくけど、まぁこれは仕方がないよねという感じ。万が一、会社の都合で転勤などになった場合に、借り手側にペナルティーが課せられないような条件を付けられないかしら(わざわざ東京からRelocationしたので、そうなる可能性は少ないけど保険として)と相談したけど、どうやら前に住んだ借り手が相当に酷かったようで却下。オーナー業も楽じゃないらしい。

Day 11: 普通に仕事。ランチタイムに、契約書にサインする前にもう一度だけオーナーと会って、意識合わせ。このエリアに長い人で、物件にも長く住んでいた人なので色々詳しくて頼りになりそう。現状だと空いていて、契約の開始まで2週間あってその間に収入が途切れてしまうのでできれば早めにMove Inして欲しいと言われるが、経済的インセンティブが皆無なので残念ながらそれはできないと告げる。

Day 12: 仕事。家探しは動きなし。

Day 13: コンドに集合して契約書にサイン。2週間後にMove-Inする約束にして、Holding Depositをチェックで払って契約完了。金額が大きい場合や、受取手が確実性を求める場合のチェックは、銀行に出向いて小切手に書かれた金額を口座から引いて、それを証明することができるCashier's checkというものを使うらしいけど、ここではまだその必要はなかったので普通のCheckで大丈夫だった。次に会うのはMove-inの時に鍵を渡して、Inspectionする時だねーということになって解散。家を借りる際にはRenters Insurance(水濡れなどで家や家財にダメージを追わせてしまった場合などのための保険)への加入が義務付けられていたり、ネットやテレビの契約は必要になるけど、家探しそのものとしはこれで完了。Move-inから逆算して2週間くらいまでが一番物件が動きタイミングのようなので、このタイミングまでに契約までこぎつけられてよかった。

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