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RSUのジレンマ
会社の給料の一部として一定量のRSUを毎年もらっているので、課税対象のドル建ての金融資産が積み上がっていく状況になって久しい。
日本でそれなりの給料をもらっているはずなのだけど、どうも手持ちの日本円が増えないなーと思っていたら、税金の支払いで円が全然増えず、ドル建ての資産ばかりが増えているという状況に気づいた。
例えば、
年棒1,000万円
RSU600万円
というケースを考える(数字はテキトー。年棒v.s.RSUの割合は入社年度や株価に大きく左右される)。年棒1,000万円の部分は源泉徴収されて、だいたい300万円くらいは課税されてしまうので、仮に手元に残るのは700万円としましょう。
この上にRSUが乗っかると、23%から33%のレートで所得税がかかります。計算を(大幅に)簡略化するために28%として、168万円を確定申告で収める必要が出てきます。それに加えて、源泉徴収ではない住民税も普通徴税(支払い伝票や引き落としてを使って自前で払う)となり、レートは全国一律で10%なので60万円。簡易な計算ですが、600万円相当のRSUのうち228万円分くらいは税金で飛んで行ってしまう計算になります。
さらに、RSUを売って円にしない限り、国内の課税の支払いは手持ちの円資産から行わねばならないため、228万円を手持に残った700万円から払うとあら不思議、手取り収入は472万円という計算になってしまいます。今の日本であればこの収入でも十分に生活はできるのでしょうが、額面上の数値とはかけ離れた収入になってしまうことになるわけです。
RSUは、株価が上がり続ける&正しい資産管理の判断ができる限りにおいては資産形成にとても有利な制度だけど、RSUに依存しすぎた資産形成にはリスクもあるし、本国外でRSUをもらっている場合、その国の課税制度によっては居住国の通貨でのキャッシュが増えないor枯渇しがちな状況になるので要注意、というところでしょうか。