山好き夫婦 そろって退職 4
この大事な話を忘れていました。
旦那さんの夢の話。
遡ること、大学生
大阪の街で生まれ、大阪の街で育った、シティボーイ。
ただ、大学に通うのはほどほどで、
1番楽しみにしていたのは、海外旅行。
海外の中でも、とりわけアジア諸国が気に入り、まとまった休みの度にひとり旅に出るようになっていった。
行く先々で、学生らしく、貧乏旅行をし、その国の食べ物や風土を堪能する。
宿は、もちろん、安宿。
大学一回生の時にはじめて泊まったゲストハウスの話をよくしてくれる。今でも連絡取り合うほどの仲の良い友達も、旅でできた友達ばかりの彼。
1人の女の子が
携帯をなくした
と騒いでおり、みんなで探すことに。
携帯は案外すんなり見つかったが、そこから会話が始まり、どこにいったとか、何を食べたとか。自然な流れで、みんなで夜の街に繰り出した。
ゲストハウスには、こうした自然な出会いが溢れている。宿での出会いは、旅の醍醐味のひとつなのだろう。とても楽しそうに話してくれる。
そうした旅の経験から、いつしか
自分もゲストハウスをやりたい
と思うようになり、7年もの間、長く温めてきたのだ。
彼と出会うまで、ゲストハウスにはあまり泊まったことのなかった私だが。ゲストハウスに泊まるといつも、山小屋を思い出す。
山でも、ご飯を食べたり、景色を見ていると、隣近所の人と会話が始まるということがよくある。どこから来てどこに行くのか、今から何を食べるかなどなど。
これは面白そうだ!
もし旦那さんがこの夢を叶えるなら、山小屋みたいな、登山者の集まるゲストハウスになればいいなぁ。と、密かにたくらむのであった。
つづく
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